『アラバスター』02
バグではないようです、はい。
ジョブによるステータス補正が0で、重量制限がなくなるのが仕様だそうだ。
攻略情報にも載っていなかったため、おそらくこの世界初だろうと推測している。
ウェポンマスターのスキル欄をざっと見てみたところ、これは生産系ではないかと推測される。
全部の装備の生産スキルがあり、Lvを上げると次のランクの装備が作れるようだ。
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【ジョブ:ウェポンマスターLv1】経験値:0
・ジョブ説明
全ての装備に精通する職業。
職業補正、重量制限∞。装備制限なし。Lv1ごとに装備作成の成功率が0.02%上昇。
【” アクティブ ” 初級装備作成(ウェポンマスターLv1で出現)】熟練度:0
・スキル説明
250レベルまでの装備をランダムに作成可能。装備作成ごとに熟練度と経験値が1増加。
基本成功率60%。熟練度1000で20%増加。クールタイム30分。
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【” アクティブ ” 中級装備作成(ウェポンマスターLv250で出現)】熟練度:0
・スキル説明
500レベルまでの装備をランダムに作成可能。装備作成ごとに熟練度と経験値が1増加。
基本成功率50%。熟練度1000で30%増加。クールタイム1時間。
↓
【” アクティブ ” 上級装備作成(ウェポンマスターLv500で出現)】熟練度:0
・スキル説明
750レベルまでの装備をランダムに作成可能。装備作成ごとに熟練度と経験値が1増加。
基本成功率40%。熟練度1000で40%増加。クールタイム2時間。
↓
【” アクティブ ” 最上級装備作成(ウェポンマスターLv750で出現)】熟練度:0
・スキル説明
1000レベルまでの装備をランダムに作成可能。装備作成ごとに熟練度と経験値が1増加。
基本成功率30%。熟練度1000で50%増加。クールタイム4時間。
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【” アクティブ ” 神話級装備作成(ウェポンマスターLv1000で出現)】熟練度:0
・スキル説明
1000レベルの神話級装備をランダムに作成可能。装備作成ごとに熟練度100増加。経験値が10増加。
基本成功率20%。熟練度1000で60%増加。クールタイム8時間。
【” パッシブ ” 武器術(1レベルで出現)】熟練度:0
・スキル説明
全ての武器のダメージが50%増加。武器使用ごとに熟練度と経験値が0.1増加。
戦闘中にアクティブスキルが使用不可となる。熟練度1000で全ての武器のダメージが30%増加。
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【” パッシブ ”???(出現条件秘匿)】熟練度:0
・スキル説明
???
※注意※
1.作成を成功しないと装備作成とは認められない。
2.武器術では魔法を使用することは出来ない。
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武器や防具、アクセサリーなどの装備全般を作成可能なウェポンマスター。戦闘系スキルは武器術のみ。
戦闘中にアクティブが使えないのは痛いけど、アクティブスキルが生産系しかないため気にしても仕方ない。
このゲームはプレイヤーが実際に体を動かして戦闘する。それを補佐するのがスキルだ。
例えば攻撃を回避できない時にアクティブスキル【バックステップ】を使用すると、強制的に後ろへ下がり攻撃を回避することが出来る。
なお、アクティブスキルにはクールタイムがあり、連続して使用することは出来ない。スキルを組み合わせて戦闘を行うのが普通の戦い方だ。
例外として、生産職の生産スキルはアクティブスキルに分類され、クールタイムが長く設定されている。使用方法はスキルを発動してインベントリの中から2つを選択。
何を選んでも%判定で成功すれば、元になったアイテムをベースとしてなにかしら作ることが出来る。大根×大根で『強力大根』という武器を作成したという猛者もいるくらいだ。
もちろん、防具を作るスキルでにごった水×にごった水で作ろうとすれば成功率が格段に下がる。成功例を挙げると、『裸の王様(上半身が裸の男専用装備)』が挙げられるだろう。
話がそれた。プレイヤースキルでしか戦えないということは、攻撃も回避も自身の体のみで行うしかない。これは他の生産系の職業にも言えることだが、そのおかげでレベルが上がりにくい。
====now loding====
つまり、何が言いたいのかというと。
「パーティープレイ、しないと」
そう、パーティープレイだ。この対人スキル0の俺が!パーティープレイをするのである!
「大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・」
大丈夫なはずだ。いくらリアルに近いとはいえリアルではない。
「これはゲーム、これはゲーム、これはゲーム・・・」
自信が無い。失敗する可能性がある。
だけど、これはゲームだ。
「よし、行こう」
ソロでやっても良かったが、ここに来た目的を忘れてはいけない。
自信が無い俺に自信をつけて、友人と気軽にしゃべることができるようになりたいからだ。
====now loding====
ここはアラバスターの一国、アイラス。ヨリトの所属する国である。
その国の一角、屋敷といえる大きな家にとあるギルドがたむろしていた。
「さて、今回集まってもらったのは他でもない。生産スキルを持つものを入れようという話だ」
ギルドのリーダーらしき女性が、そこにいる全員を見渡しながら言う。
「質問があるんだけど」
やたらアクセサリーの付いている男がリーダーに向かって発言をする。
「生産なら外部発注で間に合ってるでしょ?なんで今更」
その言葉にそこにいる全員が頷く。
「それは分かっているが、あくまで400レベル帯の話だ。上級に入れば必要な金も材料も格段に上がる。そろそろ生産者を抱えたい」
彼らはギルド『血塗れの騎士』。通称BNと呼ばれる精鋭ギルドだ。
人数は4人。ただし全員が500レベル到達目前の最強ギルドの一角だ。ギルド加入条件はギルドマスターに認められること。
「はいはいはーい、私賛成でっす!」
元気な声と共に赤いポニーテールが揺れる。
「仕方なし、つまりは渋々の肯定」
目出し帽を被った怪しげなプレイヤーも同意する。
「え、ちょ!待って待って。僕だけ?僕だけ反対なの?」
アクセ男の言葉に3人が頷く。その仕草に「えー」と不満げな声を漏らす。
「落ち着け。私に気に入られるほどの実力が無ければ入れない。だから500になる前に話した。これからは有力なプレイヤーの選定に入る。見つけたら私に報告しろ、以上!解散」
アクセ男の必死の不満の声を無視して指示した彼女は、そのままログアウトしてしまった。
「いや、分かるけどね、分かるけどさ」
「分かるなら反対しなければいいと思うんだ!」
「何で君はそんなに元気かな・・・」
「いつもの事、つまりこれがベース」
「いや、質問したの××にじゃないからね?」
残された彼らはその後2時間ほど駄弁ってから解散した。
====next game====
【用語解説など】
レベル→基本レベル、モンスターからの経験値で上昇する。
Lv→職業レベル、スキル使用で上昇する。
ダメージ→ダメージ分、敵のHPを減らす。この逆を被ダメージと呼ぶ。
装備→武器・兜装備・鎧装備・腕装備・腰装備・足装備・アクセサリーのこと。レベル制限がかかっている。
ジョブ→職業によりステータスに補正がかかる。その補正はLvにより増減する。大抵の職業は装備制限がかかっている。