表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

『アラバスター』01

 Login....


 Loading....


 User name:神代 夕斗


 PASS:××××××××


 OK....


 Game:アラバスター


 Let go!


====now loding====



 目が覚める感覚と共に、やさしいなにかに包まれている感覚。


[ユーザー名を入力してください]


 手元に出てきたタッチパネルを操作して入力する。ひらがな・カタカナのみだ。ローマ字は諸外国、漢字はアジアのお隣さんと被るからだそうだ。


「ユート、と」


[その名前は既に使用されています。別の名前をご利用ください]


「面倒な・・・」


 『アラバスター』は夏休み後に発売されたらしいので、一ヶ月ほどしか経っていない。


 されど一ヶ月。ユートは大人気のため使ってはいけないようだ。


「ヨリト、これでどうだ」


[ヨリトでよろしいですか?]


 現れたYES・NOボタンのYESを選択する。


[容姿・性別を設定してください]


 身長150センチほどの小柄で、体型はしっかりと筋肉がついている。


 髪は黒で、目は赤色にした。肌はどちらかといえば白い。どこかのアニメキャラクターみたいだ。


 ショートカットの男が出来上がった。


「設定完了!」


 これでいいですか、との問いに先ほどと同じようにYESを押す。


[ようこそ、アラバスターへ。貴方で9万4392人目のプレイヤーです]


 キャラを掛け持ちしていても多いだろう。おそらく10万人で何かが起こると思う。


[ゲームのチュートリアルを受けますか?]


 YES・NOでNOボタンを押す。既に攻略サイトで大体の方法は知っている。


[では、いってらっしゃいませ]


 彼女の機械的な声を聞きながら、体がポリゴンと化して散った。


====now loding====


 がやがやとした声が耳に届く。


 あたりは栄えていて、中世の雰囲気がしっかりと出ている。


 基本的な知識としては、中世の世界で剣や魔法ありのモンスターまでいるが、そこで生活するのがコンセプトとなっている。


 NPCのクエストはストーリークエストしかなく、一般的なクエストはプレイヤーや運営がギルドを仲介して出しているらしい。


 国は五つに分かれていて、基本的に平等に配置されている。


 高額のゴールドを払い、国籍を変えることは出来るものの、基本的にはその国のままだ。


 種族はヒューマンが基本で、転生をすると別の種族になることが出来る。未だに転生できるものはいないが。


 基本レベル&ジョブレベル制で、ジョブレベルを上げると新しいスキルが使えるようになったり、ステータスに補正が加わる。基本レベルは基本的なステータスが上昇するのだ。


 しかもスキルは熟練度が設定されているため、初めはうまく起動しないらしい。1ヶ月程度で1つ~3つMAXになる程度だそうだ。


 課金はルーレットやくじなどギャンブル性が高く、当たりはずれが激しい。


 初回のゲーム購入費2万円を除けば基本無料で、ゲーム内の90%以上は無料でプレイしているはずだ。


 とりあえず服しか装備していない状態から抜け出すべく、NPC武器屋へと赴くことにした。


====now loding====


 ゆっくりと店内を見回す。初めの武器は肝心だ。


 職業欄は『見習い』と表記されているが、『見習い』がレベル10に上がると自動的にその時までの戦法で職業が決まってしまうのだ!


 支援系のプレイヤーはこれでかなり苦戦したようだ。パーティーに入ってメンバーの傷を治しながらレベルを上げて『クレリック』になったり、NPCやプレイヤーに弟子入りして生産系として『鍛冶屋』になったり。


 ちなみに何も装備していないと『モンク』だったり『柔道家』になったりするらしい。


 そして俺は思った。刀と剣を片手ずつに持ち、後ろに巨大な斧を持って、銃を腰に下げて、さらに杖で殴ったりしてみたらどうなるのだろうと。


 俺は無限に近いゴールドを使い、装備をそろえた。ゴールドはプレイヤーランクの恩恵の一部である。


==========

【プレイヤー名:ヨリト  レベル:1 ジョブ:見習いLv1


 HP:110

 MP:10


 STR:22(力強さ)

 INT:14(知能)

 VIT:15(耐久力)

 DEX:12(器用さ)

 AGL:1(素早さ)

 LUK:10(運)

 重量:1134/1000・鈍重状態によりAGL1に

 ステータスポイント:10


 武器:スモールソード(STR+3)模擬刀(STR+2・AGL+2)アイアンアックス(STR+5・AGL-2)初心者用魔導銃(INT+2・STR+1)樫の杖(INT+2)スモールシールド(VIT+2)アイアンチェーン(DEX+2・束縛)グローブ(STR+1・AGL+3)


 兜装備:なし

 鎧装備:普通の服(VIT+1)

 腕装備:なし

 腰装備:普通のズボン(VIT+1)

 足装備:普通の靴(AGL+1)

 アクセサリー:武器屋のマント(AGL+1・VIT+1)】

==========


 なんかすごいことになった。歩くのがつらい。


 ゆっくりと一歩一歩進みながら、亀並みの速さで武器屋を出た。


 まわりのプレイヤーが俺を見て笑っている。


「鈍重ドマwww」


「初心者乙」


 マントに隠れて装備は見えないが、鈍重状態であることは分かるようだ。


 大方、鎧の重量か道具の圧迫だと思ったのだろう。


 ちなみにこの機能はチャットといい、声に出した言葉が文字になって視界の端にうつる仕様だ。


 もちろん声も聞こえてはいる。声は性別と体格から自動的に割り振られる。設定で地声にも出来るが、俺はしない。


 装備はイベントリから取り出して、実際に着用しなければならない。外す時も同様だ。


 インベントリは小型の袋で、そこから物を出し入れする。


 とにかく、初心者狩りに会ったらどうしようもないので先に銀行に行くことにした。


====now loding====


[こちら、プレイヤー銀行でございます。ご用件はなんでしょうか?]


 預け入れ・引き出し・借用のボタンが出てくるが、押さずに会話をする。


「預け入れで」


[かしこまりました。いくら預けますか?]


 9999.9998.0462ゴールドの中から、9999.9998.0000を預け入れる。


[預け入れが完了しました。またのご利用をお待ちしています]


 実は特典はチート気味だ。ランクトップ特典として所持金MAX・課金用10000M(10万円相当)・100レベルまで経験値上昇2倍・熟練度2倍。レベル特典として後日のイベント用装備を倉庫へ先行配布(1000レベル装備)。


 Mは課金通貨の単位。このゲームのカンストは1000のため1000レベルイベント装備は鬼のような強さらしい。


 まあ、MMORPGのキャラを削除しなければいけない上にこのゲームの上位はもう500レベル近いからそんなでもないけど。


 残りの所持金462ゴールドを持ったまま銀行を出る。相変わらず笑われているが。


 そのまま初心者フィールド『リベリア草原』に来て蝙蝠を狩る。


 【ジャイアントバット】というモンスターだ。


 そのままそこで延々と3時間ほど狩り続ける。


[レベルが9に上がりました]


 ごめん、10回以上死にました。うち2回はPKです。


 動けないし、動けなければPKされるし!


 モンスターからも攻撃をくらいまくって死にました。レベル100まではデスペナルティないからいいけどね。


 ただし、インベントリの中のアイテムの一部と所持金の半分はPKされれば相手側に渡される。


 おそらく初心者を狙って金を稼いでいるやつらだろう。


====now loding====


[レベルが10に上がりました。ジョブ:ウェポンマスターになりました]


 表記された途端に体が軽くなる。ステータスをあわてて開いてみると・・・


==========

【プレイヤー名:ヨリト  レベル:10 ジョブ:ウェポンマスターLv1


 HP:200

 MP:100


 STR:22(力強さ)

 INT:14(知能)

 VIT:15(耐久力)

 DEX:12(器用さ)

 AGL:15(素早さ)

 LUK:10(運)

 重量:1508/∞

 ステータスポイント:100


 武器:スモールソード(STR+3)模擬刀(STR+2・AGL+2)アイアンアックス(STR+5・AGL-2)初心者用魔導銃(INT+2・STR+1)樫の杖(INT+2)スモールシールド(VIT+2)アイアンチェーン(DEX+2・束縛)グローブ(STR+1・AGL+3)


 兜装備:なし

 鎧装備:普通の服(VIT+1)

 腕装備:なし

 腰装備:普通のズボン(VIT+1)

 足装備:普通の靴(AGL+1)

 アクセサリー:武器屋のマント(AGL+1・VIT+1)】

==========


 なんか重量無限になってました、ワーイ!


 え、バグ?


====next game====

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ