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第14話:史上最悪の「泥汚れ」襲来!

幸せな時間に忍び寄る、最悪の異臭。

あのエリオット王子が、変わり果てた姿で再登場します……

婚約発表パーティーの余韻が残る、翌朝のことでした。


清々しい朝の空気を入れ替えようと、

私がバルコニーの窓を開けた瞬間――


私の「掃除センサー」が、

激しい警報を鳴らしました。


「……っ!

な、何ですかこの……

鼻がひん曲がるような異臭は!?」


空を見上げると――


そこには、

美しい青空を侵食するように、

どす黒い雲が急速に広がっていました。


――雨雲ではありません。


人々の嫉妬。

憎悪。

そして、不潔な執念。


それらが凝縮された、

意志を持つ『絶望のヘドロ雲』。


「リリア、下がれ!」


寝着のまま飛び出してきたゼノス様が、

私の前に立ちはだかります。


その視線の先。


雲の切れ間から、

一人の男がゆっくりと降下してきました。


「……久しぶりだね、リリア。

そして――不潔な魔王」


「……っ!」


それは、かつての婚約者。

エリオット王子でした。


――ですが。


その姿は、あまりにも変わり果てていました。


自慢の金髪はヘドロで固まり、

瞳には底知れない闇。


その手には、

禁忌の魔導書から召喚された――


『万物を腐らせる魔神・汚物公ダート・ロード』が蠢いています。


「エリオット様……。

その姿、一体どうしたのですか?

せっかくフィオナ様が国を綺麗にしてくださったのに!」


「うるさい!

あんなタワシ一本で救われた気に

なるな!

私はすべてを失ったのだ!

地位も!

名誉も!

そして――お前という『便利な道具』もな!」


エリオットが魔導書を掲げると――


空から、巨大なドロドロの塊が、

雨のように降り注ぎました。


それは魔王城の結界に触れた瞬間――


ジュウゥゥ……!


嫌な音を立てながら、

私が毎日磨き上げていた白亜の壁を、

一瞬で汚し、枯らしていきます。


「ああああっ!

私の……私たちのピカピカな城が……!

たった一瞬で、水垢と油汚れまみれに……!」


「リリア!

これはただの泥ではない!

因果を腐らせる呪毒だ。触れるな!」


ゼノス様が魔力波を放ちますが――


泥の魔神はそれを吸収し、

さらに巨大化。


魔王城の精鋭たちも応戦しますが、

触れただけで武器は錆び、鎧は腐食。


――まさに究極の不衛生。


戦況は一気に不利へと傾いていきました。


「はははは!

どうだ、リリア!

お前がどんなに磨こうとも、

人間の底知れぬ悪意よごれは、消せはしない!

この世界を――

お前の幸福ごと、

真っ黒に塗り潰してやる!」


狂った笑い声。


みるみるうちに、

私が愛情を込めて掃除してきた魔王城は――

黒い粘液に飲み込まれていきました。


私は、震える手でデッキブラシを握りしめます。

怒りで、視界が真っ白に。


「……ゼノス様。

私、決めました」


「リリア……?」


「あんな頑固な油汚れ、

もう洗剤だけじゃ足りません。


――あの方は、

世界丸ごと『つけ置き洗い』する必要があります!」


私の背後に――


これまでにない巨大な浄化の魔力が、収束していきます。


掃除聖女リリア。


ついに――


『対・魔神用』最終掃除形態フォーム

覚醒する時が来ました。

まさに自業自得、という汚れ方。

リリアの逆鱗に触れた彼は、果たして……

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