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第11話:フィオナ王女、黄金のタワシで聖騎士団を強制洗浄!

今回はリリアの教え子、フィオナ王女視点です。

聖王国側も、いよいよ『お掃除』の必要性に目覚めるようで……?

リリア様から

託された

『究極の掃除キット』を抱え、


フィオナ王女は

死屍累々の

聖王宮へと

帰還しました。


――そこは、

もはや

人の住める場所では

ありません。


廊下を

埋め尽くすのは、


壁から剥がれ落ち、

自立歩行を始めた

『人食いカビ』。


天井からは、


人の悪意を

吸い上げて

成長した

『呪いのツタ』が

垂れ下がり、


訪れる者を

捕らえようと

蠢いています。


「う、うわああああ!

やめてくれ!

カビが

喋っている!」


「助けてくれ!

このツタ、

俺の財布を

狙っているんだ!」


聖騎士たちは

疲弊しきり。


剣を

振るう気力すら

残っていません。


そこへ、

血走った目の

エリオット王子が

現れました。


「フィオナ!


お前、

どこへ行っていた!?


これ以上

王宮を

汚すな!


リリアは

連れてきたのか!?」


「お兄様!


これ以上

汚しているのは、

あなた様ですわ!」


フィオナは

強く

言い返しました。


彼女の手には、


リリア様から

授けられた

輝かしい

『黄金のタワシ』。


「リリア様は

仰いました。


『お掃除は、

誰かに

頼るものではなく、


自分たちの国を

愛する心から

始まるものなんです』

と!」


フィオナは、


床を覆うカビに向け、

『全自動浄化洗剤

・王宮爆破

(バブル・ボンバー)』を

惜しみなく

散布しました。


プシューッ――!


次の瞬間。


洗剤は

巨大な泡となり、

カビの魔物を

包み込みます。


「ギャアアアア!

体が……

体が

解けていくぅぅぅ!」


「ぐおっ!

この泡、

俺たちの

醜い悪意を

映し出している

だと!?」


泡に包まれた

カビの魔物は、


みるみる

縮小し、


最後には

小さな

石鹸カスとなって

消滅しました。


勢いは

止まりません。


泡は

自律的に

王宮の奥へと

侵攻し、


廊下を。

階段を。

部屋という部屋を。


次々と

浄化していきます。


「行くわよ、

皆さん!


ここを、

もう一度

ピカピカの

聖なる王宮に

戻すのです!」


フィオナは

『黄金のタワシ』を

掲げ、


残った

聖騎士たちに

指示を出しました。


最初は

呆然としていた

彼らも、


目の前で

カビが

消えていく光景に、


次第に

希望を

取り戻していきます。


「お、おい!

俺たちの剣、

このタワシで

磨いたら

こんなに

光るぞ!」


「見てくれ!

この泡、

頑固な呪いまで

分解してくれる!

……もう

臭くない!」


リリアが

魔王城で

魔族たちに

「掃除の楽しさ」を

教えたように。


フィオナは

聖王国で、


「掃除の必要性」と

「掃除の喜び」を

伝えていきました。


王宮は、

みるみるうちに

本来の

輝きを

取り戻していきます。


――ただ一人。


エリオット王子

だけは。


信じられない

といった様子で

叫んでいました。


「そんな

バカな!


あの

無能な掃除女が、

一体

何をしたんだ!?


なぜ

フィオナが、

あんな

危険な道具を

持っているんだ!」


「お兄様!


リリア様は

『無能な掃除女』では

ありません!


この国を

救ってくださった、

真の

聖女様ですわ!」


その言葉に、

聖騎士たちは

一斉に

頷きました。


――彼らはもう、

エリオット王子の

言葉を

聞きません。


王子の

足元に、


最後の泡が

ゆっくりと

迫っていきます。


泡は、


彼の足に

絡みついた

「傲慢」と

「無関心」を

溶かし始めました。


「ギャアアアア!

やめろ!


この泡、

俺の心を

暴いている!


……俺が、

俺が

悪いんだと……!?」


泡の中で、

自身の罪に

苛まれ、


エリオット王子は

醜く

のたうち回ります。


こうして、

聖王国は――


「王女と

タワシ」によって、


新たな

歴史を

歩み始めたのでした。


◇◇◇


――一方、その頃。


魔王城。

ゼノス様の

自室にて。


「ゼノス様、

これは一体……?」


私が

部屋を

掃除していると、


棚の奥から、


私を模した(?)

可愛らしい

フェンリルの

ぬいぐるみが、


――大量に

出てきました。


しかも、

どれもこれも。


私が

プレゼントした

雑巾と

同じ生地。


「な、なんだこれは!?


貴様、

なぜ

勝手に

私の

コレクションに……!?」


顔を

真っ赤にして

慌てふためく

魔王様。


私は

くすりと

笑いました。


「ふふ、

ゼノス様。


お掃除って、

意外と――


心の奥に

隠していたものを、

見つけちゃったり

するんですよね」


「……っ!


貴様は

私の

『心』まで

掃除するつもりか!?」


怒りとも、

照れとも

つかない表情。


そして私は、

彼が

さらに

隠し持っていた――


「あるもの」に

気づいてしまったのでした。

黄金のタワシ……。

リリアが渡すと、どんな日用品も伝説の武器に見えてきますね

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