表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/39

15キャサリンが怪しい


 キャサリンの護衛と言えばおかしいかも知れないが一応ケネト王子の婚約者になった時点で護衛が付く。

 もちろんケネト王子にもついている。

 まあ、キャサリンは王宮に住んでいるので出かけるときにだけ護衛が付く。

 部屋はケネトと同じ棟にある別の部屋だが。

 キャサリンの護衛は王宮担当の近衛隊が受け持っている。

 俺は近衛隊の詰め所に向かいキャサリンの護衛担当は誰か聞く。

 「ああ、キャサリン様の護衛はずっとブルーノが担当しています。今日もキャサリン様が出かけるからと今は出払っています」

 詰め所にいた事務員が素っ気ない態度で答えた。

 「そうか。ずっとブルーノか?ブルーノは確かブロシウス公爵家の次男だったか?」

 「ええ、そうです。彼はキャサリン様にぞっこんですから」

 顔は下に向いていて何やら書類に目を通している。

 「それはふたりの間に何かあると言う意味か?」

 事務員が顔を上げた。

 「それはわかりません。あくまで噂ですので」

 「その噂はいつ頃から?」

 事務員の唇から「ひっ!」と声が漏れ「はっ?これ以上はお答えできません。用が終わったならお引き取り下さい!」と言われた。

 「あの…」

 「人を呼びますよ」

 「わかった」

 俺は近衛隊の詰め所を後にして廊下を考え事をしながら歩いた。


 実はキャサリンについては色々な噂があった。

 ケネト王子の婚約者だが、あちこちで色目を使い近衛兵や王宮で出会う貴族たちと関係を持っているのではというものだ。

 (でも、結婚式を挙げるつもりなんだろう?まさか…なぁ。

 しかしそんな女のどこがいいんだ?

 ケネト王子は相当キャサリンにいれ込んでいると聞くが。

 まあ、さっきの態度でそれは一目瞭然だな。

 さて…待てよ…俺は脳内で考えをまとめて行く。

 ブロシウス公爵家と言えば…確か娘のシルビア様がザラファン・クワイエス(アンリエッタの兄)侯爵家の嫡男と婚約していたはずだが。

 確かシルビアはブルーノの妹になるな)

 ブロシウス公爵家はクワイエス侯爵家と同様王家のつながりが多く、金色の髪色や紺碧色の瞳を持っている。

 キャサリンが奪ったケネト王子の元婚約者はアンリエッタ・クワイエスだった。

 (もし、ブルーノを手玉に取っているとしたら…目的はなんだ?

 そう言えばキャサリンの母親のアミルとゼイス・クワイエスは婚約していたはずだ。

 それがゼイスがマリアンヌ(今のクワイエス侯爵夫人)に惚れたかマリアンヌがゼイスに惚れたとかで婚約は解消になったんだよな。

 まあ、マリアンヌは前王弟の娘だ。勝ち目はないだろう。

 キャサリンの母親アミルはすでに死んだはずだが、それを逆恨みしていたとしたら?

 もしかして…今度はエルディに狙いをつけたのか。それに自分たちの結婚式も早められるしな。

 じゃあ、ブルーノは何のために篭絡してるんだ?

 ケネト王子と結婚すればブルーノは振られたことになって醜態を晒させばブロシウス公爵家に恥をかかせることにもなる。

 そして娘のシルビア様とザラファンの婚約を壊すつもりか?

 いや、ではケネト王子との結婚はどう解釈する?

 まさかケネト王子を愛してるなんて事はないだろう。

 いやいや、今はキャサリンとケネト王子の関係はどうでもいい事だ。

 だが、空きが出ると言ったキャサリンは絶対怪しいだろう。

 エルディへの嫌がらせにも関係があるのかもしれないからな)


 レオルカはキャサリンに深い疑いを持った。








 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ