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14ケネト王子に聞く


 俺は急いで小隊の奴らがいる部屋に急いだ。

 まだ練習は始まっていなくて騎士団の連中は各部屋で準備をしている所だ。


 「おい、ケネトはいるか?」

 ケネト王子も騎士団の中ではただの騎士として扱われるので敬称はなし上官には敬語を使うのが当たり前なのだ。

 「はい、小隊長。何でしょうか?」

 「ちょっといいか」

 ケネト王子を自分の執務室に連れて行く。執務室と言っても小隊の部屋の隣にある小さな部屋だ。

 扉をきちんと閉めるとケネト王子を椅子に座れせ俺は立ったまま口を開いた。

 「ケネトは婚約していたな?」

 「はい、キャサリンと婚約していますが」

 「それで結婚式の予定は?」

 「ええ、それがキャサリンがルーズベリー教会で結婚式を挙げたいと言って聞かなくて…あの教会は予約で2年先までいっぱいらしいんですが、聞いてください隊長。実は空きが出るかも知れないんです。キャサリンが今日にでも教会に行って来ると言ってました。詳しい事はまだ話せませんがもし決まればすぐにでも結婚式を挙げるつもりです」

 「空きが出るかもだと?」

 俺はその話が妙に引っかかった。あまりに間が良すぎじゃないか?

 でも、ケネトは全くおかしいとは思っていないらしく嬉しそうに話をつづけた。

 「ええ、そりゃぁ大喜びで、ドレスはかなり前に仕立て済みですし、式場さえ確保できればすぐにでも挙げようと思ってるんです。だって、もう婚約して2年以上なんですよ。学園を卒業したらすぐにでも結婚するつもりだったんですけど…まあ、俺は王位継承権は放棄して騎士団に入ったのですぐに結婚は無理だったんですけど、さすがにそろそろ…それに招待客を呼ぶ必要もないですからね」

 「まあ、最近では結婚式は身内だけでその後披露宴を行うって言うのも流行っていると聞くが。しかし騎士団に入った時キャサリンは何も言わなかったのか?」

 「そりゃ言われましたよ。王子のくせに騎士団に入るってどうしてなの?とか、それに王位継承権も放棄するなんて最低ってね」

 「まあ、そうだろうな。女は地位や権力には弱いからな」

 「はい、でもちょうどその頃キャサリンの実家が借金で困ってまして、俺の個人資産からそのお金を建て替えたので、それでキャサリンの機嫌もやっと直ったんですよ。やっぱり男として頼られるって言うのはうれしいですから」

 ケネトはくすりとはにかむように微笑む。

 俺は内心で、おい、それって絶対金目当てだろう?キャサリンがお前にくっついているのは金のためだってわからないのか?ったくお前は相当おめでたいな!

 俺はケネトを見る目を細める。


 「結婚式ですが、キャサリンも式は身内だけがいいと言ってますし…まあ、俺は王族からも嫌われてますから、俺とキャサリンと彼女のご両親だけで式を挙げるつもりです。それに、結婚すれば国から王族としての祝い金が出ますし、父からはすでに新居も準備してもらっているので早ければ早い方がいいんですよ」

 ああ、目的はそれか。合点がいってすぐにでもキャサリンを調べる必要があると思う。

 「そうか」

 ケネトは何も知らなそうだと判断した。

 俺はすぐにキャサリンの護衛担当を調べる事にした。

 










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