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“僕は君に一つだけ秘密にしていた事があるんだよ。”

作者: 七瀬






“僕は君に一つだけ秘密にしていた事があるんだよ。”





・・・私は旦那にそう言われて背筋が凍った。

何故なら? 目の前に大きな鎌を持った旦那がいたからだ!




【ギャーーーーーーーアアア 助けてーーーーーーー!!!】




『こんな山奥で、誰も助けに来るもんか!』

『やめて! なんでこんな事をするの?』

『先も言っただろう! 僕は君に一つだけ秘密にしていた事があるんだよ。』

『・・・そ、それが、これなの?』

『そうだよ、“君と幸せな生活が送れたら、僕は君を殺すと決めていたんだ”』

『・・・な、何故?』

『何故だって! 君は僕を幸せにしたじゃないか!』

『・・・い、意味がよくわからないんだけど、』

『理解なんかしなくていい! 理由はもうどうでもいいんだ!』

『ど、どうしちゃったのよ、あんなに優しかった貴方が、こんな事を、』

『当たり前だろう! 優しくしないと君は俺について来なかったはずだ!』

『な、なんでこんな事になってるのか、私は分からないのよ!』

『先も言っただろう! 理解なんかするな!』

『あ、貴方、急に怒ったりするんだね、貴方のキレたとこ初めて見たわ。』

『ずっと我慢してたからね、やっとこれで解放されるよ。』

『今! ここで私を殺すの?』

『“僕に許しを乞うつもりかい?”』

『・・・そ、そんな、私はただ貴方とこれからも幸せな生活が送り

たかっただけなのに。』

『僕は君と幸せな生活を送ったら? これで終わろうと思ってたんだよ。』

『貴方の右手に握っている、その大きな鎌で私の首をはねるのね。』

『まあ、そうなるね、君の血が飛び散ってもいいように、切れ味バツグンに

研いでおいたよ。』

『・・・ど、どうして、こんな事を思いつくの? 私は貴方を愛してるのよ。』

『僕もだよ、ハニー!』

『貴方は狂ってるわ! “こんなの殺人鬼じゃない!”』

『“君もただの馬鹿じゃなかったんだね、ご名答!』

『お願い! 殺さないで! 私は今もずっと貴方を愛してる。』

『楽しいね、君の泣き叫ぶ姿を想像しただけで興奮するよ。』

『・・・やっぱり貴方、おかしいわ! 病院に一緒に行きましょう!

私も一緒に着ててあげるから、』

『大丈夫! 君は何も気にしなくていいんだ。』

『・・・お、お願い、た、たすッ、け、、、』



【スイ―――――――――ン!!!】

【ギャーーーーーーーアアア! ウッ、】







 *








・・・一瞬で静まり返る。

部屋中、妻の血で部屋一面真っ赤になった。

僕の顔も着ていた服も真っ赤に染まる。




僕はもともと、“妻を殺す気はなかった。”

でも? ある日、僕は昔の写真を目にする。

僕が子供の時の写真だ! あの頃の僕は“人を殺す事に興味があった。”

殺した時の感覚を味わいたいとずっと思っていた。




・・・でも? 大人になるとそんな事はすっかり忘れていて。

この思い出した記憶を絶対に僕は叶えたいと思うようになる!

そして僕は妻を殺める事に決めた。

最高のひと時を、妻とふたりきりになる為に、別荘も借りた。

人気のない、山奥にポツンとある別荘。

週末、僕は妻を連れてその別荘に向かう。




『僕は君の為に、“別荘を借りたんだ!” 次の週末二人で一緒に

行かないか?』

『わーあ! 嬉しい! 私の為にそこまでしてくれたの。』

『勿論だよ! “愛する君の為なら僕は何だってする!”』

『貴方と結婚して、私は幸せよ。』

『僕もだよ。』








・・・そして、妻と最後になる日に、僕は妻を手にかける。

悲鳴を上げて、今まで見た事がないほどの恐怖を感じて妻は死んでいった。



僕はこれで! “殺人鬼になった。”

最初に殺したのが、“愛する妻だ!”




そして、これから僕は殺人鬼を極めていく。

ずっと子供の頃から憧れていた、僕の理想のカタチに僕はなるんだ!



最後までお読みいただきありがとうございます。

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