表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~【異世界ロマンス】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/160

寂しがり屋

 隣にエミリーが座っていることを想像する。

 うん、エミリーにかわいいもの見せてあげることもできるわよね。それに、エミリーの髪の毛もオレンジだから、きっと映えるわよね。

 あら?

 ドレスを着るのは私よね?エミリーの髪と映えるっていうのも変な言い方よね?

 でも、オレンジ色のドレスを作ってもらえば、ついでに同じ布でリボンとか何か小物も作ってもらえるわよね?

 それをまたプレゼントしましょう。

 エミリー喜んでくれるだろうか?まぁ素敵よ、素敵!と、頬を染めて喜んでくれる姿を想像して、うれしくなる。

 ああ、他にももっと、エミリーに喜んでもらえることってないかしら?

 と、色々と想像していたら、あっという間に時間が過ぎていた。

 兄が私を探してあづまやに現れた。

「ああ、エミリーこんなところにいたのか。探したよ」

 兄と小さいことによく迷路で遊んだので、兄も私がここを知っていることは分かっている。だから、もしかしてと思って探してきてくれたんだろう。

「ごめんなさい。少し気分が悪くなってしまって……」

 嘘ではない。

 そもそも気分が悪くなってここに来たんだもの。ただ、ずっと会場に戻らずにここにいたのは、エミリーのことを考えていたらうっかり時間が過ぎてしまったから。

 そもそもの目的を忘れたわけでは……いえ、忘れてましたけど。でも、今日のドレスでは悪目立ちするそうなんで、今日はやめてよかったんだと思うんです。

「大丈夫かい?ああ、手が赤くなっているじゃないか……!アレルギーが出たんだね!」

 お兄様が私の手首を見て慌てた。

 しまった。手袋をはめるべきだったわ。驚かせてしまったようだ。

「すまない……一緒にいてやれなくて……」

「ふふ、分かってますわ。婚約者のエカテリーゼ様は寂しがり屋なんでしょう?」

 寂しいの。が口癖のご令嬢だと聞いたことがある。

「あ、ああ、そうなんだ。僕がそばにいないと寂しがって、その」

 他の殿方に、婚約者が相手にしてくださらなくて寂しいんですと、涙ながらに訴えるらしい。

 なんというか、男性アレルギーの私からすると、信じられないんですけど。側にずっと誰かいてほしいなんて、考えたこともないので。

 家族でさえ、不用意に触れればアレルギーが出てしまうんですもの。

 よかった。私は寂しがり屋じゃなくて。

 そう、この舞踏会、出会い目的のお見合いのようなものなのに、婚約者のいる者も参加しているのは、それぞれが仲を取り持ったり紹介したりするため。いきなり自分からアプローチできない人も多いので、婚約者のいる方にお世話を頼むのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤記:ころに >兄と小さいことによく迷路で遊んだので、兄も私がここを知っていることは分かっている。
[気になる点] お兄さんがリリーの事をエミリーと呼んでる
[一言] 兎は寂しがりなので一匹(一羽)にすると……等と言うことは現実ではなくて、二匹(二羽)にすると殺し合いをするどう猛な動物なんですよね。「ぷくぷくぷく」ダン、ダン、ダン
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ