表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~【異世界ロマンス】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/160

殿下

「ごめんね、リリーのRが刺繍してあるの。今度はエミリーのEの文字を入れたハンカチを……いいえ、リボンがいいかしら?またちょっとしたかわいいものをプレゼントするわ」

「嬉しいけど、悪いわ。ああ、私も何かプレゼントを……」

 そこまで話をしていたところで、人の声がすぐ近くまで来た。大きな声でおしゃべるする女性の3人組のようだ。

「楽しみにしてるよ、来月」

 あっという間に、エミリーの言葉遣いも仕草も男の人のように戻って、あづまやから姿を消す。

 それと入れ替わるようにして、華やかなオレンジ色のドレス姿の女性3人組が現れた。

 おそろいで揃えた?それとも偶然重なったのかしら?

 同じ年くらいの3人の女の子。

「あら、人の気配がすると思って期待したのに殿下ではありませんでしたのね」

 殿下?

「本当、どこに殿下はいらっしゃるのかしら。ねぇ、貴方、見なかった?」

 唐突に3人のうちの一番背の高くて胸の大きな女性に尋ねられた。

 胸元の谷間をしっかりと見せるデザインのオレンジのドレスは、大人びていてフリルは裾に少しあしらわれているだけだ。

 うん、こういうのが私くらいの年齢の定番デザインだとすると、確かに私のフリルがこてこてについたドレスは子供っぽいと思われても仕方がないわよね。

「殿下ですか?少し前から私はここにいますが、誰も見ておりませんわ」

 エミリーのことは言わない方がいいだろうと、黙っていることにした。

「そう、おかしいわね。確かに今日は来ていると言う話なのに……」

 背の高い女性がはぁと小さくため息をつく。

 そういえば殿下のための出会いの場がこの舞踏会の裏の目的だとお兄様が言っていた。

 それなのに、殿下は女性たちの前に姿を現していないの?

 殿下ってどのような方なのだろう。探しているというけれど見たら分かるものなの?みんな顔を知っているの?それとも服装が特徴的とか?

 まったく興味がないし、会いたいと言えば、お見合いの席が設けられるだろう立場なので、むしろ家で話題にすることはないからサッパリ分からない。

 公爵令嬢であり、年齢的にも釣り合いの取れる数少ない令嬢のうちの一人なんだけど、そう言えば、王家の方からもお見合いもどきがセッティングされたことはない。お父様が上手に断ってくださっているのか、それとも殿下側が何らかの事情で会うのを避けているのか。

 まぁなんにしろ、ありがたい話だよね。もし、男性アレルギーが強く出るような相手だったら、手を取りダンスを始めた途端に吐くとか、令嬢にあるまじき失態をおかしかねないもの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[一言] 殿下というと、へちゃむくれの潰れ餡饅な(パタリロ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ