表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~【異世界ロマンス】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/160

110

 ポロポロと涙が、話をするたびに落ちる。

「ありがとうございます。あの、私……至らないところばかりなのに……」

 応援してくれる気持ちがうれしい。

「あー、ほら、リリー様。また自分を卑下するようなことをおっしゃってますよ。大丈夫です」

 ローレル様がニコニコとほほ笑んでくれる。

 綺麗な刺繍が施されたハンカチで涙をぬぐわれる。

「あ、でも、皇太子妃の婚約者が決まってしまえば、私たちが王都にい続ける理由はありませんわね?」

「え?」

 ローレル様の言葉に、アンナ様とハンナ様もハッとした表情を浮かべた。

「皇太子妃になれといわれて、私は王都の舞踏会に出席するために王都に行ったんですもの……」

「ローレル様……わ、私たちは、皇太子じゃなくても婚約者を探しなさいと言われていますわ。ローレル様は、そうじゃなかったのですか?」

「そうねぇ、本当言うと結婚ってあまり興味がないのだけれど、私も両親に皇太子殿下は婚約しましたけれど引き続きどなたかよい方がいないか探そうと思いますと言ってみようかしら?」

 ローレル様がうーんと考え込む。

「馬鹿にした人の鼻を明かしたいっていう母の目的が達成できるような方……第二王子とか?」

「え?もし、ローレル様が第二王子と結婚するようなことがあれば……」

「リリー様が、私のお義姉様になりますわね」

 にこっと美しい笑み。

「わ、私が、ローレル様のお義姉様?ええええ!義姉妹に慣れるのはうれしいですけれど、でも、でも、私がお姉様?」

 アンナ様とハンナ様がふふふふと楽しそうに笑っている。

 ローレル様もついにふっと噴出した。

「冗談よ、第二王子殿下にはすでに婚約者がいらっしゃいますでしょう」

 そうだったっけ。今まで、社交界で生きて行くつもりがなさすぎて不勉強だった。

 本当に皇太子妃になるつもりなら、勉強しなければ。一通りの貴族の勉強を追えた3年前から後のことは何も知らない。帰ったら、勉強を始めよう。

 庶民たちの生活もよくわかっていない。戦後に何が起こるかさえ……。

 何もかも勉強不足だ。

「私、帰ったら勉強します。知らないことが多くて恥ずかしい……」

「あら、でしたら私が勉強を教えましょうか?」

「え?ローレル様が?」

 ローレル様が頷いた。

「皇太子妃にさせたい母が、どこから王妃教育に関して情報を得て、私にやたらと身につけさせようとしたのよね……刺繍やレース編みのような細かな作業は苦手ですが、貴族の力関係や領地ごとの特色問題点などの知識はありますわ。ああ、隣国の情勢も」

 ローレル様が、私の家庭教師になってくださるってこと?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤変換:終えた 一通りの貴族の勉強を追えた3年前から後のことは何も知らない。
[一言] よし、参勤交代制度で……って、国王主催のパーティって要するに参勤交代みたいなものですよね(笑) 西洋でも王都の屋敷に家族を住まわせて国王への人質とするという手法があったんですよね(?)
[気になる点] タイトル"110"が2つめです こちらは"111"ではないでしょうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ