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お久しぶりの更新で申し訳ないです。

これからも宜しくお願い致します。

雪崩込んで来た近衛隊はルーファス様だけでなく、お付の男と塔の中にあった家具を全て持って出て行った。

そして今、私の目の前で燃えている。

空に昇る火柱を見ながら右にカイン、左にシャイロー。

二人がとても良い笑顔でいるのに背筋が凍るように空気が重い。


「凄く良く燃えるね」


「ええ、天にも昇る程ですね」


「本人も一緒に燃やせば良かったかな」


「燃やしてしまうなんて生温いですよ」


会話すらも怒りが混じる寒さで、居心地が悪い。

塔の前の広場で燃える家具を見上げながら先程のカインの言葉を確かめたくて仕方がない。


『シャイローが新国王となりました』


確かにそう言った。

ルーファス様からの圧で現実逃避していた私の頭でさえも残る言葉。

でも本人に国王様ですか?とは聞けないし、シャイローを前にしてこの人国王様なんですか?とも聞けない。

それに私の知っている国王様はどうなったのだろうか。

ゴーゴーパチパチと響く大きな焚き火を見上げながら小さく溜息を吐くしかなかった。


「陛下!」


「何だ」


「ルーファス様が先王様と王太后様、それとシルヴィア様との面談を希望されておられますが」


本殿から駆けてきた近衛兵士がシャイローの前で跪き、判断を仰ぐ。

シャイローが新国王になったのが確定した。

今までのシャイローとは思えない威厳と圧は慣れなくて戸惑ってしまう。

そしてまた私はルーファス様に巻き込まれていく模様。


「自分が罪人だという事が分かってないのでしょうか?それとも私に殺される事を所望しているのでしょうか?」


「お前の手を汚す事はないだろう。私が直々に話を聞いてやろう」


別人となってしまったシャイローが近衛を連れて颯爽と歩き出した。

と、思ったら振り返って人好きするいつもの表情を見せてきた。


「カインラルフ!あの話は決定事項だ!これからも宜しく!」


こちらにブンブン手を振りながら満面の笑み。

何の話かは分からないけど、カインは隣で舌打ちをしていた。


「説明は必要ですか?」


「当たり前でしょう!!」


カインの言葉に被り気味に叫ぶ私を見て、口元を手で隠しながら体を震わせている。

笑われる様な事をした覚えはない。

こんな急展開は説明なしで理解出来る人など居ないでしょうに。


「では私の部屋へ移動しましょう。詳しい話はそこでしますから。もちろん質問も受付ますよ」


優雅に出された手に自分の手を重ねてエスコートされながら歩き出す。

背後ではまだまだ消えそうもない炎の中で家具の雪崩が起きて、側で見張っていた近衛隊の焦った声が響いていた。

後ろを振り返ろうとした私の手を少し強めに引いて歩くカインの思うままに前を向いて本殿へと向かった。

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