七公主、結婚フラグ。
七公主の誕生日。
皇宮からは静妃がやって来た。
側妃や姨娘たちは着飾り、色とりどりの裳が風に靡いている。
一際、目を引いたのは手を繋いで仲良くしている九姨娘・蘭怡と三王だった。
通常なら嫡妃の席である三王の隣に腰を下ろして 時折、三王と見つめあっていた。
嫡妃は何も言わず、一段下の席に座っている。
それを見た二側妃と五側妃は耳打ちを始めた。
「二側妃さま、あれは正室の席では?」
「たかが姨娘が座る席ではないわね。なぜ、嫡妃さまは黙っているのかしら?」
「気が弱いにも程があるわ」
「そうね」
二人は睨みつけるように蘭怡を見つめた。
それに気づいた蘭怡は挑発するように笑って見せた。
嫡妃が言った。
「六側妃はいるかしら?」
仮病が使えなかった婉容は隅に座っていた。
「はい。嫡妃さま」
「久しぶりの宴だから気が晴れるでしょう」
「ありがとうございます」
言葉を交わしている間に七公主が現れた。
どこか自信に溢れた顔は彼女を美しく見せている。七公主は静妃の隣に腰を下ろした。
「母妃、兄上、私のためにありがとうございます」
「妹よ、まだ後宮で剣を振るっているのか?」
「女が剣を振るってはいけないのですか?」
「公主、お母様はそのお転婆ぶりが心配なのよ」
三人の会話を婉容はつまらなそうに聞いていた。そして目の前の酒で唇を潤した。
華やかな管弦に一糸乱れぬ舞、全てが婉容にはつまらなかった。
そこに西域の王子がやって来たと連絡がきた。