ときめきメモリマス8(四百文字お題小説)
お借りしたお題は「試用期間」です。
御形薺、高校二年。
幼馴染の布貝那実雄の事が好きなのに意地を張っている。
そんな薺を見かねた親友の蘿蔔綾香が二人の仲を取り持とうと動いた。
薺と那実雄はデパ地下で二人きりになった。
那実雄がいきなり謝罪したので、薺はドキッとしたが、
「あ、あんたに謝られる事なんかないわよ」
また心にもない事を言ってしまう。
(何言ってるんだ、私?)
途端に顔が熱くなるのがわかった。
「あんた、綾香の事が好きなんでしょ? だからここにいたんでしょ?」
更に暴走してしまう自分を止められない薺。
「え、あ、ええとその……」
那実雄は言葉が出ない。
「じゃあね!」
薺は顔が赤くなっているのを知られたくなくて、その場から逃げ出した。
すると物陰から見ていた綾香が引き止め、
「小中って試用期間があったのに、まだそんな事を言っているの? 私が布貝君を盗っちゃうよ」
その言葉に薺は衝撃を受けた。
まだ続きます。