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0.プロローグ ~夢の世界~

 ということで、実は全52話、既に書き上げた状態で保有しております。一気に投入できなくもありませんが、それもどうかと思うので、一日一膳

……ちわう。一日一話であげていきます。


 洞窟の中で僕たちは息を潜めていた。魔物達に僕たちの気配を悟られてはならない。僕は配下の兵士にそっと合図を送る。それをきっかけにして兵士達は静かに周りに展開していった。魔物達はまだ僕たちの動きに気がついていない。しばらくして、兵士達から合図がきた。

 僕は返事の合図を送る。それを機にして、散らばった兵士達が騒ぎ始める。魔物達があたりの雰囲気がおかしいことに気がついて、動き始めたようだ。でも、本隊の僕たちにはまったく気がついていない。


「よし、今だ!いくぞ!」 

 僕は剣を持って、岩陰から飛び出した。目の前には鋼のような固い皮膚を持った魔物。剣を振り下ろす。切れ味鋭い剣が皮膚を突き破り、その下の軟らかい肉に深い傷をつける。

 絶叫と共に倒れ込む魔物。何事が起こったのか、理解できずに騒ぎ立てる魔物たち。僕が切り込んだのを合図にして、兵士達が一斉に飛び出した。槍を突き刺し、剣で突き殺す。たちまちあたりは修羅場と化した。

 僕は次の魔物に向かう。こいつは僕を狙って、前足の爪を突き立ててくる。紙一重でかわすと、剣を真横に一文字。魔物の指が切り落とされて、青色の血がはじけ飛ぶ。痛みにひるんだところを踏み込んで、そいつの首を切り落とす。

「雑魚に用はない!」

 僕は叫ぶと、岩の上に駆け上って辺りを見回す。魔物達は混乱の極みにあるようだ。こっちが優勢のようだ。しかし、僕にはまだ残された使命がある。


 いた!大物だ。あいつがここの親玉だ。あいつを倒さなくてはならない!

 僕は岩から大きく飛び降りると、そいつに向かって駆ける。行きがけの駄賃に雑魚どもを蹴散らしていく。僕の突進に兵士達が慌ててついてくる。

「王子様、気をつけて!」女性の叫び声。

 魔物のそばには、哀れ囚われの身となっている女性が、肌も露わになって檻の中に閉じこめられている。その長い金髪が叫び声で揺れている。

「今、お助けします!」

 僕はそう叫ぶと、魔物に向かって突進した。そいつは僕に向かって爪を突き出してくる。ギリギリで見切ると剣を突き刺す。だが次の瞬間、もう片腕が僕を捕らえて振り回される。岩に叩きつけられて気を失いそうになる。血の味のする唾を吐き捨てると、魔物の攻撃を必死でかわした。

 「王子殿!」

 駆け寄ってくる兵士が魔物の攻撃で飛ばされる。勇敢な兵士達も簡単には近寄れそうもない。

「こいつは雑魚と違って簡単じゃねえな」僕はそう呟くと、落とした剣を拾い上げて構える。


「王子様、死なないで!お願い!」

 さっきの女性だ。兵士達が檻から救出したんだ。僕はニッコリと微笑むと、改めて魔物と向き合う。

「1対1の勝負だ。覚悟はいいな!」

 そいつは返事代わりに襲いかかってきた。腕を伸ばして、僕につかみかかってくる。僕は剣をそいつの腕に突き刺す。そして腕を引く反動を利用して、そいつに向かってジャンプ。呆然と見上げるそいつの眉間めがけて剣を振り下ろす。深々と突き刺さる剣。青い返り血を浴びながら、僕は絶叫する。


「やったぞ!これで僕は王だ、これでアガリだ!」

 女性が僕に抱きついてきた。しなやかな肢体が僕に絡みついてくる。片手で彼女の細い腰を抱きながら、僕は周りを見渡した。


 あれ、ここでみんなの歓声が湧くシナリオじゃなかったっけ?……アガリってなんだ?……どうして、みんな寝ているの? いつの間にか、抱きしめていた彼女も眠っている。魔物もみんな眠っている。どうなってるんだ? なんだか僕まで眠たくなってきてしまう。いいのかな? 眠っちゃって。

 いいのか、みんな寝ているし、魔物はもうやっつけたんだし。そうだよ。寝ちゃっていいんだよな。暖かい日差しでもう、まぶたが重くて我慢できないよ。寝ちゃおう……


 ☆   ☆   ☆


「王子様、アルス王子様」

 自分を呼ぶ声に目覚める王子。(え、僕は魔物退治にきていたんじゃないのか?)王子は寝ぼけ眼で周りを見回した。王宮の中のいつもの自分の部屋。王子の前では、教育係兼雑用係の老ランスロットが白い髭の上に鼻提灯を載せて船を漕いでいる。二人の間には、双六が広がっているところを見ると、ゲームの最中に二人とも眠ってしまったようだ。さいころが床の上に転がっている。暖かな日差しの差し込むのどかな部屋。


(今までのは、もしかして、夢?)王子はまだ眠っている頭でそう考えた。

(でも、いい夢だったよなあ。魔物退治には成功するは、囚われの美女は救い出したし、もう少し続きが見たかったなあ。もしかすると、いい仲になって、へへへ)王子はこぼしていたよだれを片手で拭いた。

 王子はそばに置いてあったお菓子に手を伸ばしてぱくついた。指についた砂糖の粉を嘗めとる。ついでに服の間からはみ出している大きめのお腹を掻いた。

(ああ、今日もいい天気だ。こんな日は昼寝に限る)そう思って、ごろりと寝っ転がった。

(あれ、なんで起きたんだっけ?)

「王子様、国王陛下がお呼びでございます」

 慌てている声が、部屋の入り口から飛んできた。

 元ネタはあります。著作権には反してません。なんちったって神話だから(笑。単に名前を借りてきたぐらいですけど。


 次回は第1章 旅立ちの街

    第1話 目覚めれば召喚状

 です。では。

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