15話 放置・連休・早退
クソ真面目なタの提案した内容は・・・。
「天井の高さ3メートル20です」
「おっけー」
「ランプの高さは1メートル80です」
「うーい」
と・・・まず俺の秘密基地の広さや天井の高さを測る所から始まり、続いて通路の色々な物の長さを測る事になった。
それこそランプとランプの間隔。そして、その間隔が全て均一なのか等々・・・神経質と言って良い程に事細かに計測していった。
「で。何が分かった?」
黙々と計測作業を続けていたが2時間近く経った所で先輩が疑問を口にした。
「距離とかサイズですね」
「から導き出されるものは?」
「いえ?それだけです」
「おいっ」
「ちょっと休憩にしましょう」
「お、おう・・・だな・・・」
またしてもタカナシの提案で休憩する事になった。
「暑っちーな・・・何か飲み物あるか?」
「酒かコーヒーしか無いですね」
「水かお茶は?」
「水道水なら・・・」
「買いに行くか・・・」
「僕、買って来ます」
「あー、んじゃ頼む。んと・・・これで」
と、先輩が財布から1000円札を2枚取り出しタに手渡した。
「俺はお茶な。ほれ」
と、合図されたので。
「あ、んじゃ俺はコーラで」
「俺も」
「俺もコーラで」
バシッ───。
「バーカ。お前も一緒に行って来い」
と、ダが先輩にしばかれていた。
「余った分は適当に菓子でも買って来てくれ」
「分かりました。行って来ます」
タダを見送り大人組はゆっくりとタバコに火を点ける。
「ふぅ~~~~」
「この部屋良いな」
「でしょ?」
「カナタ、お前さ?」
「はい?」
「越して来て直ぐここ見つけたんか?」
「まぁ、そうですね」
「あー、そっか。その後で家具がどうのって言ってたのはこれか」
「はい・・・」
「結構前だよな?」
「ですね。引っ越して直ぐだったんで」
「空気清浄機置いてようがヤニって付くよな?」
「使い出したの今回からなんでどうなんですかね?」
「物にも依ると思いますけど。基本あって無い様な物ですね」
「だよなー」
「折角、2台も買ったのに・・・」
「いや、壁にさ?壁っても石の壁だけど」
「はい」
「ヤニが付いてる感じも無ければ。入った時に臭いも感じなかったんだよな」
「確かにそうですね」
「住んでるとあんまり分からないです」
「いやいやいや・・・前の部屋ん時思い出してみろよ」
「前のですか?」
「おう。トイレ行って帰った時にタバコ臭いって思ったりしなかったか?」
「あー、ありましたね。仕事から帰った瞬間、玄関開けたら臭かったですね」
「今回は?」
「あー、確かに臭くないかも」
「何かあんだろうなー。その何かは全く分からんけど」
出来ればその何かを解明して貰いたい。
本当は先輩にしかこの秘密基地を明かすつもりが無かったのにも関わらずタダとタカナシにまで知らせる事になってしまったのは・・・先輩に部屋がダサいと煽られまくったからだし。
これだけ人数が増えたんだから謎の通路の秘密を多少なりとも解明して貰いたいものだ。
「失敗しましたね」
「なにがだ?」
「いやぁ、どうせ買い物に行くなら全員で食いに行けば良かったなー。って」
「そういやもう昼か。確かに・・・」
集中していたからか時間が経つのが早い。
「食材とかあったりは?」
「しないですね」
「出来合いの物も?」
「無いです」
「折角、休日に遊びに来た先輩含む同僚達を饗す気は?」
「こんな楽しい不思議空間をサプラーイズ」
「くそう・・・そういう意味じゃねぇけど、確かにこの不思議空間は楽しい」
「ですねー」
「でも、何か悔しいからカナタの奢りでピザでも頼もうぜ」
「いいですねー」
と、奢るのはまだ良いとして。
悪ノリしまくった2人。主にタカナシにサイドメニューをしこたま頼まれて・・・料金は1万円を超えた・・・。
「お前マジで覚えとけよ・・・」
「その分は働くよ」
「何をだよ」
「探索」
「まぁ、それはありがたいけど・・・ピザで1万は無いだろ」
「男5人も居たら仕方ないんじゃね?」
「1人2000円って考えたら仕方ない気もするけど・・・それだったらもっと・・・」
「頼んじまったんだからウダウダ言っても仕方ないだろ」
「はい・・・」
ガチャ───。
「ただいま戻りました」
「お疲れさん。適当にピザやら色々頼んどいたぞ。カナタ様の奢りだ」
「えっ」
「ん?」
「弁当買ってきちゃいました」
「マジかー」
タは気が利くね・・・でも、もうちょっと早く帰って来てくれてたら・・・。
「カナタ良かったな」
「え?」
「冷凍庫にぶち込んで非常食の出来上がりだ」
「そんな入らないですよ・・・」
報・連・相。大事!