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どうしようもなく甘く、救えない程に優しい

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

どうしようもなく人に甘く、誰にも救えない程優しい。

これこそがあの方のイメージなんです。


「どうしようもなく甘く、救えないほどに優しい。それがあの方の本質。『お人好し』って上手い言葉だよね。人が好きって書くんだもん」

前に座る彼女は何時もの様に携帯端末を弄りながらそう言った。特段隠す様な真似はせず、テーブルの上に置いた状態故に、何を検索しているかがよく分かる。

見ているのはとあるパワースポットの口コミだった。書かれるのは感謝と崇拝。それから齎された変化による懸念が殆どだった。それ程までに万人に思われた場所。

もう、数え切れない程に訪れて、その場所をよく知っているのに、彼女は評判を見るのを好んだ。『自分が大切に思ってる人や場所が、それだけ多くの人に思われてるのを見るのは気分が良いでしょう?』『行けなくても、こうしているとお守り代わりになる気がするの』とは本人の弁である。

「色々言われて恐れられてもいる方だけど、根底にあるのは人への愛なんだよ。ある意味自分の存在以上に大切に思っている場所。それが穢されても、心から謝れば許すのは、いいえ、許してしまうのは、やっぱり人が好きだからだと思う。世の中詫びても許してくれない人だって、神様だっているのにね」

思い返すのは、彼女からさらりと言われたとある噂。不興を買った行いをしたもの達の末路である。ある者は路頭に迷い、ある者は家を焼かれたそうな。それでも全力で謝ったら、全て収まったそうな。

「だから、どうしようもなく甘く、救えない程に優しいの。か弱き者のせいで命を落としても、手酷い仕打ちを受けても、それが腹が煮えくり返る事であっても、きっと最終的に受け入れてしまう許して……しまう。あの方の願いは、あの場所に訪れた全ての者を救う事だから。例外なんか無いの」

「何故、泣いてるんだ」

気が付くと、彼女はぼろぼろと涙を零していた。泣きたくて泣いたと言うよりは、自分でも分からない内に泣いていた。というように。

「分からない。でも形振り構わず、自分さえ犠牲にして、全てを救ってきた人は、一体何時救われるのかな」


~このままの状態でお会いしたら~

「何故、泣く?」

「笑え」

「悲しくないのならば、笑え」

「今を生きるお前達に、笑みを届ける事こそが、俺の願い、大義なのだから」

一度闇堕ちしていてもおかしくなさそうな経歴を持ってそうなのですが、多分、闇堕ちはしていないだろうと思ってます。

ずっと誰でもない誰かの事を考えて、奔走しているイメージがあります。生前も、死後も。

困ってる人見掛けたら、とりあえず荷物をお付に渡して声掛けてそうな。



梅香の君は、多分一回折れてると思います。

あんまり人を好きなイメージが無いので。

その分懐に入れると、めためたに甘い方ではあると思いますが。


誰かが心配しても、その心配が心配にならないんですよ。

当の本人がご自分で何とかしてしまうので。

故に、誰かが救いの手を差し伸べても、きっと手に取る事はしない。

『自分は要らない。だから別の誰かに手を伸ばせ』

誰もあの方を救うには至らない。

故の救えない程に優しい。

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