背景編~いったい、なんで書いたのか?
おかげさまで先日完結しました『うさねこ』のラストバトル。
そのシメには、巨大化ラスボス『ルク』VS主人公サイド100人くらい参加の、ほぼほぼレイドボス戦みたいなバトルがあります。
これをなんで書く羽目に、もとい書くことになったのか。
そしてそれを、どうやって構成したのか。
それらを覚え書きとして公開いたします。
何らかのお役に立てば幸いです!
※必要なところを読めますように、各段階で章を分けました。
ここは、背景パートです。
造形や動かし方から知りたいぜという方はスルーなさっても大丈夫です!
●なんで『ほぼほぼレ(以下略)』を書くことになったのか?
ぶっちゃけ話を盛り上げるためです。
盛り上げに盛り上げたすえの大勝利、それでこの長い長い物語のエンドを迎えるためです。
……が!
実は最初、日向は『無理!』と即答しました。
日向と日向と日向による脳内企画会議でそんなかんじの流れになってきたとき、全力で抵抗しました。
なぜってぶっちゃけ、やり切れる気がしなかったのです。
力量的に、そして時間的に。
●第一案はボツった
だいたいここまで長くかかってる。いいかげん読者さんも飽きてくるだろ。
そのまえに話をきれいにたたむのが読者さんのためでも作品のためでも、ひいては作者自身のためでもあるのでは?
そうした考えもあって、ラストバトルは『しない』方向で考えていたのです。
すなわち。
『精鋭アタックチームが本拠地にのりこんで、「俺たちはここまで来れたぞ、もう戦うことに益はない」と話をつけ、究極覚醒かましてエンディング』……というふうにしようと考えていたのです。
しかしいざその場を実際目前にして、再び考えました。
その展開で、盛り上がるか? もりあがらねーよ!!(※満場一致。)
ここまで戦い抜いてきてバトルなしとかなかろーよ。
ラスボスのすごさがしっかり描かれてこその、大団円の大勝利じゃろ。
長くて飽きるだと? もっとすげーもっとおもしれーやつぶっこんで、長いだなんて感じさせなきゃいーだけのことだろーがYO!
……ってぐう正だぜくっそう!
やはり、ラストバトルはせねばならないようです。
そう、戦いというものには、決戦が必要なのです。
●第二案もまだちょっとアカンかった
盛り上がるエンドのために、ラストバトルは必要です。
それも、それなりの規模と内容のシロモノが。
そこまで理が通ったならやるっきゃねえです。
モブモンオールスター戦、『前に勝てなかったあいつらとのリベンジ』戦、『影との対峙』戦、『信頼するあのひとたちがルクの味方に?!』戦と、王道パターン踏襲しつつ、多くの仲間が参戦可能な、連戦の流れを整えました。
つまり今度は『信頼するあのひとたちが(後略)』戦で決着、という計画で代替しようとしたのです。
イコール、ルク本人との本格的な白兵戦にはなお消極的なままでした。
なぜってそう、彼は召喚士なのです。
主人公たちの味方でししょー格のつよつよキャラたちを召喚使役してけしかけてきてるんです。もう充分じゃないっすか?
どうしてもというなら、最後に主人公ズと殴り合いをすればそれで。
けれどそれでもなお、なにかが足りないのです。
なんだか、しりすぼみに感じられました。
●その原因は何か?
まず、絶対的に華が足りないのです、『ルク自身の』ムーブに。
召喚された者がどれだけすごくて、かっちょよく戦っても、それはあくまで『その者が』すごくてかっこいいだけで、ルク本人のすごさ・かっこよさとはなりません。
主人公たちの恩人を召喚・使役して戦うが、けっきょくすべて奪還され、さいごは主人公に倒されて『終わる』。
この『終わり方』が、ボスとしてのルクの『格』を決めることになります。
たとえば、かませキャラだったらワンパン。情けなさを強調するならいっそ、逃げ出した末の自滅でもいいでしょう。
しかし、彼は堂々たるラスボス。そんなことではいかんのです。
そもそも、ここまでの話で彼にはすでに『すげえラスボス』としての戦いが期待されるだけの描写を積み上げています。すなわち……
影の為政者としての絶大なカリスマ。
ヒールを務めなければならなかった、それなりの背景があること。
神出鬼没。足踏み一つで強風攻撃(※威力やばめ)ができるという素の能力の高さ。
世界をつかさどる女神をバックにつけてのこととはいえ、『広大なフィールドを無数の召喚陣でうめつくし、人ひとりのチカラでは召喚できない神代の竜を六体勢ぞろいさせる』など、あからさまな強キャラムーブをかましています。
これらを活かさなかったら、逆に整合性がとれません。それこそ、期待を裏切る出来となってしまうことでしょう。
つまり第二案は、ルクのポテンシャルを出し切れていなかった。
それが、物足りなさを感じさせた原因だったのです。
●そして、巨大化ラスボスへ……
というわけで、結論は確定しました。
どうやっても、ルクとの直接バトル。それも、彼の強さが浮き彫りになるようなしろものをガッツリ書かなければならないのです。
では、強さを表現するにはどうしたらいいでしょう。
それも、直感的に分かりやすく。
強キャラを一蹴する、大人数が苦戦させられる――もしくは無双される。
でかい。デザインがつきぬけてる、などなど。
舞台はラストバトルなのです。お祭り展開(アニメのシリーズ最終回などで見られる、登場キャラの多くが勢ぞろいする展開。すこしでもかっこいいとこを見せられれば理想的)が欲しいです。
しかし、ただ『出ました! 倒されました!』のワンサイドゲームに(すくなくともあからさまに)なるのは避けたいです。
これらの条件を満たすには、ルクが巨大化&多数の腕など追加部位を持ち、それらひとつひとつに対し、仲間たち数名からなるチームでかかる、という形式がよいと考えました。
これなら絵面的にも相手マジやべえ、主人公たちみんなでかかっても悪にならない、さらにお互いの見せ場を作れるよう、攻防シーンの調整もできてお得です(爆)。
……とまあ、すべて納得はしたが半泣きです。
なぜって、主人公の仲間はすでに百人以上います。
ぶっちゃけ手に余るだろ。日向はまだおめめのあおいキトゥンなんだぞ(錯乱)
しかし、そこまで理が通ったならやるっきゃねえのです。
腹を決めて、設計に入りました。
これにて『ほぼレ(以下略』背景編は以上です。
次回は、具体的な造形の様子をお届けします!