表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/25

誘われるバグ

バコッ


「痛い」

「あるじ〜、見て〜」


ミヤにアラーム前に起こされた。

昨日は送還せずに寝てしまったのでこんなことをしたのか。

枕のおかげで起きればスッキリと起きれるのだが惰眠を貪りたくなるのは性分なのだろう。


「あるじ〜、見てよ〜」


何かあったのだろうか。

どうやって持ってきたのか分からないが出しっぱなしにしていた魔装具が枕元に置いてある。

手前にあった魔合の指輪をみる。


魔合の指輪

スキル:魔合

-魔力集約

-魔石生成

-


能力が1つ解放されていた。

他の魔装具を見ても1つ解放されている。


「ミヤがやったのか」

「スゴいでしょ〜」

「スゴいな」


ミヤの頭を撫でる。

木製の蓋だが撫で心地は良い。

高級木材を触っている感じだ。

ステータスを見てみる。


レベル:5

スキル:罠[II]

-誤認

-不意打ち

-麻痺矢

-毒矢

スキル:アイテム[III]

-ランダム生成

-魔素変換

-再生成

-魔素収集

-武具拡張

-機能解放I


レベルもスキルレベルも上がっている。

機能解放というので魔装具の能力を解放したのか。

機能解放にIとついているし1つ解放出来るといった感じだと思う。


「あるじ〜、魔力ほしい〜」

「ハートの結晶はなぁ」


魔合の指輪の魔石っていうのでもいいんじゃないのか。


「ミヤ、ちょっと待ってな」

「わかった〜」


魔力集約を使う。


「魔石生成」


コロンと黒い透き通っている石が出てきた。

開示石では何も表示されない。

これは代用品にならないかもしれないな。


「ミヤ、これはどうだ」

「う〜ん、丸いのがよかったけど〜、これでもいいよ〜」


いいらしい。

何も表示されないだけで魔石というくらいだから魔力の塊なのだろう。

不満ながらも美味しそうに食べている。

俺も朝食を食べ、久しぶりの出勤の準備を進める。

準備が終わり、水の指輪に貯水を合成する。

水の指輪に水色の線が入る。

貯水の解放された能力は排出だった。

これでどこでも美味しい水が飲み放題だ。


「ミヤ、これを任せてもいいか」


ミヤの前に開示石を出す。

全部で7つの塊を並べる。


「帰ってきたら〜、魔力たべさせてね〜」

「わかった」


魔合の指輪にデバッグをかけ、出勤する。

効率化とか自動生成が来てくれると嬉しいな。


「今日は会議するから」


出社すると社長がそう呼びかけてきた。

会議室へと向かうと他のメンバーも入ってきた。


「今日の議題は6月の評価会についてです。先週、久場くんが開示石を持ってきました。開示石の能力でいい成績を残そうとしましたが探協に気づかれました」


社外秘と言っていたのがバレたから会議を開いたということらしい。

毎年6月に探協主催の評価会というものがある。

新商品、新技術の展示や探索者の質を競うものなど様々な分野の催し物が開かれる。

開示石を新商品として出そうとしていたのだろうか。

この評価会の成績が良ければ探協から応援金が出たり、案件が依頼されたりと恩恵もある。


「久場くん、探協の状況とか知ってたら教えて欲しい」

「開示石の納品とか指名依頼が来てますね。昨日、開示石の塊を納品しましたけど、いっぱい作ってほしいって言ってましたね。他にもダンジョン前にあるデカい鑑定石って呼ばれてるやつの機能でレベル毎にスキルを選べるみたいですよ」


とりあえず知っている情報を話す。

特に口止めされてないしいいだろう。


「金曜と土日は鑑定石の近くは立ち入り禁止になってたがそういうことか」


しっかりとスキルの調査や記録の準備をして解禁になるのだと思う。

その後、午前中いっぱいを使い、話し合いが行われた。

特に言うこともないため、聞くだけだったがダンジョンガチ勢の日暮さんがあるものを取り出した。


「社長の指示で加工前の鑑定石を持ってきたんだった」


拳大の大きさの開示石が出てくる。


「久場くん、これのデバッグ頼めるかい」

「業務外なんで嫌ですよ」


当然、断る。

ミヤに任せてもいいのだが探協がやっているであろうことをウチでやる意味を感じない。


「そこを何とかならんかね」

「探協が色々調べるでしょうし、ウチがやっても劣化版にしかならないですよ」

「共同研究を提案してみよう。それで探協がOKを出したら頼めるかい」

「まぁ、それならいいですけど」


何を共同研究するのだろうか。

ウチの経営状況はそんなに悪くないはずだし、やる気があるのはスゴいな。


「そういうことで笹木くん、今日中に企画書を作ってみせてくれる」

「わかりました」


笹木さんは日暮さんと同じくガチ勢のメンバーだ。

そんなこんなで今日も定時の時間が近づいてくる。


「久場ー、探協行くぞ」

「何でですか」

「アポも取ってるし、久場くんもついて行ってほしい」

「そういうことだ」


社長と笹木さんが声をかけてくる。

午前中に言っていた企画書を持っていくのだろう。

俺は不要じゃないか。

俺の威を借るという感じなのだろうか。

仕方ない。

笹木さんと2人で探協へ向かう。

受付で企画管理部に繋いでもらい会議室へと案内される。


「企画管理部門の部門長をやっております。加来と申します。開示石の共同研究の提案ということで私が対応させていただきます」


カクさんという人が対応するようだ。

部門長ということで会っていると思うが話していないこともあって思い出せない。

挨拶も終わり本題に入っていく。


「開示石の件で電話が来た時は驚きましたが久場様の関係会社でしたか。今はまだ、無関係の人には広めないよう、お願いします」

「わかりました」


箝口令というやつだろうか。

釘を刺されてしまった。

カクさんは笹木さんが渡した資料を読み始めた。


「スキルと能力のデータベース化のシステムと開示石による調査ですか。まぁいいでしょう。4月までにシステムの開発を行ってもらい、週に一度くらいのペースで確認作業をするという感じでどうでしょう」

「大丈夫です。では、システムの仕様についてまとめたいと思いますので、次回はいつにしましょうか」

「開発部門との兼ね合いもありますので明日中には連絡をしたいと思います」

「わかりました。では、よろしくお願い致します」


笹木さんとカクさんがどんどん話をまとめていく。


「また次回よろしくお願いします。話は変わるのですが久場さん、ちょっといいですか」

「大丈夫です」


笹木さんをチラリと見たら、媚びてけって感じの目を向けられた。


「私は先に会社に報告させていただきます」


そういうと会議室から出ていった。

ツッコミたいが残業時間は話が終わった時間でつけていいと耳打ちされ我慢する。


「統括や探幻堂の方が聞きたいことがあるようなのでお待ちください」


数分後、統括や店長さん、河内さん達が入ってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ