魔装具のバグ
今回の戦利品の確認だ。
軍資金として開示石を換金しておいてよかった。
かなり使ってしまったがいいものを買えたと思う。
「召喚」
「またごはん〜?」
「違うけど、ミヤが美味しそうって思うものを確認したいだけだよ」
今回買ったものを出していく。
ハートの結晶は次にダンジョンに行く前に召喚する予定だから出していない。
とりあえず今回見つけた器の魔装具を見せる。
「どれも美味しそうじゃない〜」
「そうか」
今見せたのは土の器、水の器、獣の器だ。
どれも指輪型だから名前は土の指輪、水の指輪、獣の指輪となっている。
どれも空の器と同じで5枠空いている。
どれもダメなのは想定外だ。
それぞれにデバッグをかけてもう一度確認する。
器の魔装具はすぐにデバッグが終わるのは確定っぽいな。
「全部美味しそうだよ~」
「そういう感じか。ついでにこれはどうだ」
朝からのデバッグで終わった聖水の腕輪を見せてみる。
「あれ〜、美味しそうになってる〜。あるじのちからなの〜」
「そんな感じだ。今度から出てきた魔装具が変なやつなら食べれるようになるぞ」
「わ〜い」
能力を解放すれば魔装具の保有する魔素も増えるっていう感じなのだと思う。
ミヤのエサ代は自給自足が出来そうだ。
「ミヤは毎日、ご飯を食べないといけないのか」
「食べなくてもいいけど〜、食べないと強くなれないよ〜」
食べなくてもいいらしい。
能力数別に魔装具を見せてみた。
能力が増えれば増えるほど魔素が多いという感じみたいだ。
デバッグ前の1つではおやつ程度、2つ、3つではおかずくらい、4つ、5つでは定食くらい、ハートの結晶はコース料理という感じみたいだ。
気が向いたら魔装具かハートの結晶を食べさせよう。
今日、デバッグが終わった魔装具はこんな感じだ。
合成の指輪
スキル:合成
-対象指定
-抽出
-融合
聖水の腕輪
スキル:聖水
-浄化
-聖水操作
-聖水治癒
合成の指輪はどんな物か分からないが使ってみればわかるだろう。
聖水の腕輪は水道水がかなり美味しく飲めるし、切り傷くらいなら治癒出来るのは確認できた。
探幻堂でミヤが出した赤い指輪はデバッグ途中だがこんな感じだ。
魔合の指輪
スキル:魔合
-魔力集約
-
-
魔力というものは分からないし魔力集約を使っても少しダルくなるが特に何も起こらない。
これはデバッグ待ちという感じだ。
あとは買った魔装具が7つある。
貯水の指輪
スキル:貯水
-保管
-
聖水の腕輪との相性がいいと思って買った。
これも収納の指輪と同じで入れれるが出せないという状態らしい。
明示の指輪
スキル:明示
-簡易明示
開示石と一緒に使うと簡単な説明が表示されるようになる。
簡単な説明すぎて分からないものが多かった。
正直、期待ハズレだった。
帯光の指輪
スキル:帯光
-光付与
-
-
-
光付与は物を光らせる効果らしい。
変鉄に使えばライト代わりになるんじゃないかと思っている。
感知の腕輪
スキル:感知
-周辺感知
-
索敵用に買ったがダンジョンでは使えるはずだ。
ショッピングモールで使うと人を感知して情報量が多かった。
暗視の首飾り
スキル:暗視
-光度変更
-
帯光の指輪が使えないような状況で使えると踏んでいる。
ダンジョンにあった穴はライトで底を照らせないがこれで見える様になると嬉しい。
対毒の首飾り
スキル:対毒
-毒感知
-
-
ゲームでよくある耐性装備だ。
全然耐性が付くものではないが未開放の能力に期待だ。
風神の指輪
スキル:風神
-風操作
-
-
-
-
-
これが一番高かった。
初めて見る6枠の能力にこの名称。
期待感しかない。
ほとんどの魔装具が商品名と開示石で表示される名称が違うのだが風神の指輪はこの名称で売られていた。
探協で買取時に名前やスキルなどが鑑定できてもろくに能力が使えなかったりすると変鉄のように水鉄とわかりやすく名称変更をするのだと思う。
そして、短刀程ではないが違和感がデカかった。
風神の指輪のデバッグが完了すればスキルレベルが上がる気がする。
一通り確認したし、合成の指輪を試すか。
明示の指輪を使ってみるとこんな感じだ。
合成の指輪(合成が使えるようになる指輪)
スキル:合成(混ぜる)
-対象指定(対象を選ぶ)
-抽出(取り出す)
-融合(合わせる)
こんな感じで言葉から推測出来ることしか書いていない。
言葉通りの意味もあるし、簡易とついているからなのか使えない。
合成は対象から何かを取り出して何かを入れるようなスキルなのだと思う。
相性の良さそうな水の指輪と聖水の腕輪に使ってみる。
「対象指定」
聖水を選ぶ。
聖水しか選べる気がしなかった。
「抽出」
聖水が抜き取られる。
聖水の腕輪が二重に重なって見えている。
「対象指定」
融合先に対象を指定する。
手順はあっていそうだ。
水の器の空いている枠を指定する。
「融合」
聖水の腕輪から水の指輪にスキルが移動する。
二重に見えていた聖水の腕輪が元の見た目に戻る。
水の指輪には変化が出ていた。
元々、シンプルなシルバーリングといった見た目だったが白に近い青の線が螺旋状に1本追加されていた。
水の指輪
スキル:水の器
-聖水
-
-
-
-
聖水が追加されている。
能力の確認が出来ないのは仕方ないが魔装具をまとめることが出来ると考えるといいものだと思う。
聖水の腕輪だったのもは表示が変わっていた。
無の腕輪
スキル:-
スキルが無くなるとこうなるみたいだ。
スキルを戻せば同じ表示に戻ることも確認出来た。
「ミヤ、これは食べれそうか」
「たべたくない〜」
ミヤが食べたくないくらいの物らしい。
ただのアクセサリーになったという感じなのかもしれない。
「あるじ〜、たべたくないけど〜、作り変えれるよ〜」
「やってみてくれ」
「わかった〜」
レベル:4
スキル:罠[II]
-誤認
-不意打ち
-麻痺矢
-毒矢
スキル:アイテム[II]
-ランダム生成
-魔素変換
-再生成
-魔素収集
探幻堂の件でレベルアップが上がっていたみたいだ。
ミヤの口に無の腕輪を置く。
「あるじ〜、さっきやってた〜、魔力を集めるのしてほしい〜」
魔力集約のことだろうか。
ミヤに向けて魔力集約を行う。
力は抜けるがこれで大丈夫だと思う。
「これでいいか」
「ありがと〜」
ミヤに触り、直接魔力を集めるようにイメージする。
「あるじ、スゴい」
効果があるみたいだ。
ハートの結晶の時のように興奮している。
ミヤの口から薄らと光が漏れてくる。
再生成をやっているのだろう。
小さな違和感が手に伝わる。
バグが発生しているのか。
「デバッグ」
「ふわ〜〜ん」
ミヤが変な声を出し始める。
スキルの発動中にデバッグが外からかけられているのは不思議な感覚なのだろう。
しばらくすると光が収まる。
ランダム生成の時よりも時間がかかった気がする。
「あるじ〜、できた〜」
心なしか疲れている様に聞こえる。
ミヤが蓋を開くと掌くらいの弓が置いてあった。
弓を取り出すと徐々に大きくなっていく。
武器が出てくる時はこうなるのか。
1mくらいの長さになると大きさが固定された。
短弓と呼ばれる弓だと思う。
時々、電車で見かける弓道の弓の半分くらいじゃないだろうか。
強撃の雷鳴の弓
スキル:強撃
-威力強化
-溜め強化
スキル:雷鳴
-雷矢作成
-感電範囲強化
-音耐性
モニュメントや短刀以来の複数スキルが付いた武器型の魔装具だ。
スキルが全て解放されているのはデバッグの効果なのか。
魔力集約との相乗効果だったりするのだろうか。
「あるじ〜、やるならやるって言ってほしかった〜」
「ごめんな」
「許すの〜」
今度は一言かけてからにしよう。
とりあえず今日は疲れたし寝るか。
貯水の指輪にデバッグをかけておく。
デバッグ前のスキルは合成出来なかったのでデバッグをしておく。
ベッドに横になりデバッグ寝落ちで眠るのだった。