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出かけるバグ

『明日、ヒマ?』


ソラから連絡が来た。


『忙しい』


予定はないが返事を返しておく。

収納の指輪を整理しておくか。

土を出した感じ的に容量は25mプールくらいの大きさはあるんじゃないだろうか。

いくつかハートの結晶が入っていた。

土と土の間にあったので間違えて出すところだった。

まだ、どの魔物のモノかは分からないのだがいいものだと期待しよう。

カップ麺はこのままでいいだろう。

保存食も少し追加しておこう。

開示石は1度取り出し箱の中から塊を個別に収納しておく。

短刀はそのまま収納しておく。


ポン

『ホントは?』

『行くのがメンドイ』

『魔装具奢るから探協のショッピングモールに昼頃集合でいいか』


ミヤのエサがほしいところだし、行ってもいいのだが面倒臭い。

休みの日に外に出るなんて面倒臭い。


『既読無視か』

『高いの奢って貰うからな』

『手加減よろ』


買い物ついでに出るか。

合成の指輪のデバッグも終わり、聖水の腕輪のデバッグをしておく。

開示石の塊も一緒に進め、デバッグ寝落ちを行い明日に備える。


ピピッピピッ


朝だ。

久しぶりに24時になる前に寝たが寝起きはそんなに変わらない。

土日のアラームは10時にかけているので12時間くらい眠っていた感じか。

どちらもデバッグは終わっていた。

確認は後からでいいだろう。

残っている開示石のデバッグを進めていく。

昼くらいって書いてたしもう少しで出ないとな。

軽く朝ごはんを食べ、家を出る。


『着いたけどいつくらい来る感じ?』


送っておけば気付くだろう。

待ってる間、探協に行き開示石を換金しておこう。

日曜日だからか学生が多い気がする。

受付に行くと偉い人を呼びにいくということで少し待たされる。


「早速出来たのですね。会議室に行きましょうか」

「わかりました。まだ1つだけですけど出来たものから持って来たのですが大丈夫ですか」

「適宜持ってきてください。需要しかないですから。1箱分ありますけど持って帰りますよね」


受付から会議室へ移動する。

少しして部下のような人が台車に箱を乗せて持ってきた。

ここまで来てもらって拒否なんて出来ないだろ。

箱を回収し、開示石を出す。


「これが、効果の確認も出来ました。重さは4.5kgですね。入金処理はやっておくのでまた出来たら来てくださいね」

「わかりました。これから用事なのでまた出来たら持ってきます」


探協から出て、スマホを見る。


『探協に一番近い入口にいる。今どこ?』


5分くらい前に返事が来ていた。


『今行く』


急いで行くか。

入口まで行くと夕焼けの雫がいた。


「やっと来た」

「こんにちは」

「こんにちは」


ソラから話を聞くと夕焼けの雫の装備を新調するらしい。

開示石が出回る前に掘り出し物を買っておきたいんだそうだ。

買取受付に鑑定系のスキル持ちはいるが名前だけしか確認出来なかったり、スキルの名前までしか見れなかったりするようだ。

そこで現在唯一の開示石を持っている俺のアドバンテージを活かしたいらしい。


「まずはどこに行きますか」

「久場君、ソラに使ってるみたいにタメ口でいいよ」

「ちょっと慣れが、頑張ってタメ口にしていきますね」

「慣れたらでいいよ。とりあえず2階の武器売り場にいきたい」


武器売り場にいき、武器を見ていった。

武器も防具もアクセサリーもダンジョン産の物は総じて魔装具と呼ぶらしいが武器型の魔装具は武器、防具型の魔装具は防具、アクセサリー型の魔装具は魔装具と呼ぶことが多いらしい。

ダンジョン素材を使った加工品もスキルがあれば魔装具という分類になるようだ。

ピンとくる武器はなかったが夕焼けの雫はいい感じのものを見つけたみたいだ。


「この空白の能力って使っていけば解放されるのか」

「さぁ、分からない。多分だけど探幻の人は能力を出していると思う」

「探幻かぁ」


ソラが疑問を投げかける。

デバッグで解放出来ているから気にしなくていいが普通は気にする必要があるのだろう。

探幻の人は『同調』というスキルか能力で解放させたのだろうと思う。


「ソラならスキルで解放出来るんじゃないか」

「まだ、アイテムに影響を与えれないからなぁ。スキルレベルをあげないといけないな」


スキルレベルが3か4になるとアイテムに影響を与えれる様になるらしい。

そんなルールがあるのかと少し驚いたが納得も出来た。

全員の武器を選び、魔装具のコーナーへ向かう。

防具は金銭的に諦めたらしい。


「あ、久場さん」


この声は河内さんか。


「こんにちは」

「久場さん、聞きましたよ。アレ、納品したらしいですね。うちで買っていきますか」

「夕焼けの雫のメンバーも大丈夫ですか」

「まぁ、いいかな」


耳が早すぎる。

さっき納品したばかりなのに。

裏でズブズブなんだろう。

探幻堂にいき魔装具を見る。

器と付くものを探したが2つしか見つけれなかった。

他にもいくつか魔装具を買った。

夕焼けの雫も買い込んでいた。

探幻堂は他店に比べて安いらしい。


「魔球を売ってる店ってあるんですか」

「ないはずですよ。昨日全部、うちが買い取ったのです」


元々、使い道がなくて安かったのだろう。


「久場さんになら売っていいって言われてますし、どんな風に使うか教えてもらっていいですか」


情報と交換で販売権を許可するということか。

ミヤのことを話すのが一番ラクだな。


「ここじゃなんですし、奥に行きませんか」

「わかりました。夕焼けの雫の方も来てください」


店の奥に行くとこの前の事務室のようなもの部屋に着いた。

内装が似ているだけなのだと思う。

前回は探協の1階から行ったので似ているだけだと思う。


「ケンゴ君も聞いてくださいね」

「俺もっすか」

「はい、まずは魔球と呼んでいるコレですけど開示石でみるとハートの結晶っていうアイテムです」


ロックタートルのハートの結晶を取り出す。


「ミヤ、召喚」

「ごはん〜」

「少し待っててな」


ハートの結晶を収納し、ミヤを召喚する。


「魔物ッ」


ミヤを見て河内さんは構え、夕焼けの雫の面々は驚いている。


「召喚という能力があるとハートの結晶に対応する魔物を呼び出すことができます」

「そういうことね」

「俺の魔使いにも召喚があるっすから呼び出せるってことっすね」


河内さんは納得した様子だ。

河内さんは店員だし俗称である魔球、以外にも表示されているハートの結晶という名前も知っていたのだろう。

2人とも理解が早い。


「買い取るので魔球があれば持ってきて貰えますか」

「ちょっと待ってね」


河内さんは棚からハートの結晶が入っている箱を持ってきた。


「いっぱいあるっすね」

「ごはん。食べていいの」

「これ貰いますね」


ブラックドッグらしきのハートの結晶を選び、ミヤに食べさせる。


「ミヤが言うには魔球には魔力っていうのが溜まってて、魔装具には魔素っていうのがあるみたいです。うちのミヤはハートの結晶を食べてレベルアップをしていたので人とは違うレベルアップ方法があるって感じだと思っています。そして、うちのミヤはスキルの効果でこんなこともできます」


ハートの結晶って言ったがまあ伝わるだろう。

さっきまで楽しそうに食べていたミヤの蓋が開いていく。

そこには透き通った赤い指輪が置かれていた。


「そのハートの結晶を食べさせると魔装具が作られるってことなの」

「アイテムっていうスキルの効果ですけどハートの結晶の余剰でスキルを使ってくれてるみたいです」


赤い指輪を収納する。


「えーと、ミヤちゃんが特定ってだけでどの魔物でもできる訳じゃないんですよね」

「そうだと思います。ブラックドッグとロックタートルにはこのスキルはなかったのでミミック系統の魔物なら使えると思いますがミヤだけが特別なのかもしれません」

「仲間も同じことできるよ〜」

「ミヤちゃんと似たやつなら同じことが出来るんっすね」

「そうみたいですね」


ケンゴ君も魔使いのスキルで話がわかるらしい。

他人の従魔でも声を聞けるのか。


「安易に売るのは駄目になるかもね。とりあえず、取り扱いは店長と話すから5個までなら売りますよ」

「俺もいいすか」

「あなたはダメです」

「そんなぁ」


ケンゴ君はダメなようだ。

カラフルなハートの結晶やスキルレベルの高いハートの結晶を選ぶ。

ミヤを送還し、店を後にする。

夕焼けの雫の面々は満足そうだし、河内さんはまとめないといけないと言って忙しそうにしていた。

他の店を見て周り魔装具を探す。

指輪や腕輪、アンクレットやネックレス、イヤリングや帽子など色々な種類の魔装具を見ることが出来た。

ソラには他の店で見つけた器と付く魔装具を奢って貰った。

使い道がわからなくとも使い道はあるだろう。

ある程度みて回った後に晩ご飯も食べにいき解散するのだった。

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