休みのバグ
使役の腕輪
スキル:使役
-意思疎通
-従魔空間
-召喚
-送還
使役の腕輪のデバッグが終わった。
帰宅途中にデバッグが完了したので収納の指輪に入れてもデバッグを行うことができることがわかった。
ハートの結晶からどうやって使役すればいいのだろうか。
使役の腕輪を着け、灰色の魔球を当ててみる。
カンカン
高い良い音が鳴る。
どうやって召喚するのだろう。
全然分からない。
腕輪には模様は入っているがソレらしい模様や窪みはない。
手がかりが少なすぎる。
とりあえず、合成の指輪にデバッグをかけつつ考える。
「高速走査、短縮走査」
召喚と送還のスキルを考えると魔物を呼び出すことが出来ると思ったのだが魔球を使うということが間違いなのか。
モンスターハートやハートの結晶というものを考えると関係あるように思うのだが違うのだろうか。
召喚という能力がある以上、魔物を登録する何かがあると思うのだ。
他の魔装具を探さないといけないとなると予想がつかない。
魔球にデバッグをかけないといけないとかなのか。
特にバグがあるように感じないことを考えるとスキルレベル不足なのかデバッグの必要がないのかのどちらかだろう。
任意発動のスキルだし、ハートの結晶から直接召喚をできたりするんじゃないか。
高速走査を中断し目を開ける。
「召喚」
ハートの結晶が消えていき、目の前にモヤが生まれる。
モヤが集まっていき、宝箱の形が見えてくる。
ダンジョンで持ち出した宝箱だ。
「聞こえるか」
意思疎通の効果を信じて話しかける。
「聞こえるよ〜」
ゆったりとした声が返ってくる。
しっかりと話せるみたいだ。
「これからよろしく」
「よろしく〜」
名前どうしよう。
あるのだろうか。
「名前はあるのか」
「ないよ〜。ナマエは特別なんだよ〜」
「何って呼んだらいい」
「何でもいいよ」
名前は大事そうだが何と呼んでもいいようだ。
大事ならしっかりと考えないとな。
宝箱の魔物って言えばミミックだろう。
ミミやミック、ハコ太郎とかもありかもしれない。
気になるが性別はあるのだろうか。
「性別はあるのか」
「ないよ〜。体の1部を切り取って何かの中に入れると増えるんだよ」
無性なのか。
増え方は気になるがものが必要と考えればヤドカリのようなものなのか。
「よし、決めた。ミヤだ。今日からミヤって呼ぶな」
「わかったの〜。ミヤっていうの〜」
嫌じゃないみたいだ。
「ミヤ、お前って何か食べるのか」
「う〜ん、魔素がいっぱいあるやつを食べるよ〜」
「魔素がいっぱいあるやつってなんだ」
「あるじがいっぱいつけてる物に魔素いっぱいあるよ〜」
魔装具のことだろうか。
空の指輪と変鉄の指輪を手の上に乗せてみる。
「じゃあ、右手に乗せてるのと左手に乗せてるのどっちの方が魔素が多いかわかるか」
「右手のやつの方がいっぱいある〜」
空の指輪の方が多いようだ。
スキルの枠数が魔素量の基準なのかもしれない。
魔素は経験値のようなものだと思っていたが違うのかもしれない。
とりあえず、ブラックドッグも召喚してみるか。
収納からハートの結晶を取り出す。
「あるじ、あるじ。魔力いっぱい。ソレ食べたい」
魔力。
新しい概念が出てきた。
というよりもミヤが大興奮だ。
「魔力ってなんだ」
「美味しいものなの〜。いっぱい食べると強くなれるの〜」
「魔素と魔力の違いはわかるか」
「魔素は食べ物なの〜。魔力はご馳走なの〜」
全然わからない。
どちらも食べ物扱いだし、魔力で強くなれるということはハートの結晶は従魔を呼び出すだけでなくレベルアップアイテムにもなるのか。
「あるじ。ソレくれないの〜」
試しにやるか。
「よし、口を開けてくれ」
「わかったの〜」
箱の蓋が開いていく。
布で出来た台座のようなものがある。
箱の中が口なのか。
「ここに置くぞ」
「早く〜」
台座にハートの結晶を置く。
そして、勢いよく蓋が閉まった。
バチッ
「痛〜い」
「わっ」
弾かれた。
何が起きた。
「あるじ〜、ごめ〜ん」
「何が起きたんだ」
「あるじがやったんじゃないの〜。見えない壁みたいのが急にできたんだよ〜」
結界が発動したのか。
結界の指輪はずっと付けているが。
結界の指輪
スキル:結界
-固定結界
-形状変化
-自動展開(489)
自動展開の隣に数字がカウントダウンされている。
発動されたのか。
急な事故が発動条件なのだと思うが1度発動したら10分間は使えなくなるみたいだ。
ミヤを見ると美味しそうにハートの結晶を食べていた。
見た目では分からないが嬉しそうな感じが伝わってくる。
「あるじ〜、これあげる」
ハートの結晶を食べ終わったのか話しかけてくる。
ミヤの蓋が開いていき、光沢のある青い腕輪が置かれていた。
どこから持ってきた。
「いいのか」
「お返し〜」
いいらしい。
青い腕輪を取り出す。
聖水の腕輪
スキル:聖水
-浄化
-
-
アイテムのスキルの効果で生み出したのだろう。
能力が3枠あれば、魔素量的に食べれるんじゃないだろうか。
「コレは食べないのか」
「えっ、食べないよ〜。非常食にはなるけど、最低でもあのふかふかのくらいは魔素がほしいかな〜」
ふかふかの、というのは羽兎の枕のことだろうか。
枠数に魔素との関係があると思ったが違うのか。
ミヤのスキルで生み出しているからなのか。
ステータスを見てみる。
「ミヤ、ちょっと触るな」
「は〜い」
ミヤに触れる。
レベル:3
スキル:罠[II]
-誤認
-不意打ち
-麻痺矢
-毒矢
スキル:アイテム[II]
-ランダム生成
-魔素変換
-
-
レベルが下がってる。
いや、召喚するとレベル1の状態で召喚されるんじゃないだろうか。
魔物はレベルとスキルレベルに相関はないという感じなのだろう。
スキルレベルに2つともレベルがあるし、ハートの結晶で2も上がっているならそんな気はする。
「ミヤ、アイテムの生成は出来るか」
「何か食べればできるけど〜、今はむり〜」
魔素や魔力の籠ったものを食べさせれば作れるということなのだろうか。
魔装具ガチャの様なものが出来ると思っておくか。
確認はまずはこんなところでいいだろう。
「ミヤ、送還してもいいか」
「わかった〜、オイシイものが食べれる様になったら呼んでね」
「わかった、送還」
ミヤの輪郭がボヤけていき、腕輪に入っていく。
従魔空間に入ったようだ。
使役の腕輪
スキル:使役
-意思疎通
-従魔空間
--ミヤ
-召喚
-送還
久しぶりに休みという感じがする。
いつもと違うことをやると時間が長く感じると言うが今週は大変だった気がする。
休みなのにこんなことやってるし、ワーカーホリックになってしまいそうだ。
ポン
『明日、ヒマ?』