表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/31

使命感

 今年の春から、我が家の食糧事情は大きく変わったと言ってよい。


 まず驚いたことに、毎日腹いっぱいご飯を食べている。


 俺の子供時代を思い出しても、かなり凄いことだ。


 だが長老との会話で気がついた問題がある。冬だ。


 こおの集落における死因の多くは肉食動物に襲われることだが、二番目に衰弱死がある。つまり餓死だ。


 くどいようだが、この集落の人口は一五七人。女たちの採集と男たちの狩りだけで、毎日一五七人の腹を満たすだけの食糧を獲るのは不可能だ。


 運悪く獲物が獲れない日が続けば餓死者が出る。


 まして冬になれば、採集はできなくなる。


 腹をすかした体に寒さが追い打ちをかけ、毎年冬になると餓死者か凍死者が現れる。


 長老はもう三五歳。体力も落ちているし、この前の冬もかなり辛そうだった。


 それにアオイやおじさんにおばさんだって、冬のあいだはお腹がすいて辛そうだった。


 なんとかして冬の食糧問題を解決しなければ。


 そんな使命感が俺に湧き上がる。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ