図書館の彼女
1回目の高校生活の癖もあいまっていつの間にか図書館に来ていた俺なんだが、早速読むための本を探すことにした。俺はその中から推理小説の王道、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズを読むことにした。もう読破済みではもちろんあるんだが、まあ読みたいと最近感じていたためこの本を読むことにした。そして本を取ろうとしたその時、事件は起こった。
「キャッ」
「あ、すいません」
俺は何者かと手が当たってしまった。声を推測するからに女の子なのは間違いないだろう。
「こちらこそすいません。急に悲鳴を上げてしまって、お、お怪我はありませんか?」
と女の子が謝る。その女の子は顔つきはかなり可愛らしく、少し茶色がかった長い髪に、胸はそこs...これ以上は俺が変態扱いられるからやめておこう。俺はこういう時なんて話したらいいのか分からず沈黙していると、彼女が話しかけてくれた。
「あのぉ、お好きなんですか?シャーロック・ホームズ?」
俺はとっさに返す。
「はい、大好きです」
と言うと彼女はとても喜んだ様子で
「ほんとですか!私もシャーロック・ホームズ大好きなんですよ!特に好きな話はやっぱり踊る人形ですかね」
彼女はウキウキで俺に話しかけてくる。とても本が好きなようだ。
「たしかに踊る人形はいいですよね、俺も大好きなところです」
俺がそう答えると彼女はもっとヒートアップしてきた。声の声量もだいぶ上がってきてこれ以上は迷惑になりそうなので本の話題から変えるとしよう。
「ところですいませんがお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
と言うと彼女は申し訳なさそうに1回頭を下げ名前を名乗った。
「私の名前は毛利春子です良ければ春子って下の名前で呼んでください!」
「俺は京極高広だ、別に下の名前で呼んでくれても俺も構わない」
「高広くんですね、あのー良かったら立ち話もなんなんで1つ本を持ってきて、机で話しませんか」
と言い春子は机の方に指を指す、幸い昼休みなのでまだまだ休み時間はあり俺と春子は本を探すことにした。
「高広くんはどんな本がお好きなんですか?」
「俺は推理小説はもちろん、歴史小説とかも読みますし、ライトノベルや漫画も結構普通に読んだりしますね」
「ライトノベルいいですよね!私も結構読むんですよ、最初は少し抵抗あったんですが読んでると無茶苦茶面白いんですよね」
「高広くん、少し止まって下さい」
と春子は俺を止める、読みたい本でもあったのかと考えていると春子は上段にあった走れメロスを背伸びしながらとり、俺に話しかけてきた。
「実はこの本、私が初めて読んだ小説なんです。3歳の時に母が持っていた本を借り、それから小説を読み始めました。」
春子は3歳から小説を読み始めたらしい。3歳といえばぐりとぐらやシンデレラなどの童話を好むのが普通であり、事実俺も小説を読み始めたのは10歳頃だ。しかし彼女は3歳にして文字だらけの小説を読んでいると分かり、俺はとても関心した。それと共に彼女とは仲良くなれそうだと俺は感じた。
「高広くんが初めて読んだ小説ってなんなんですか?」
「俺は小説と言えるかは分からないが、織田信長の伝記だな。そこから推理小説とかに興味を持つようになった感じだ」
「そうなんですか、良かったら思い出の本をお互いに見せ合いませんか」
春子の提案だ、俺もそれは悪くないなと思い、早速歴史コーナーに足を運んだ。織田信長の本なんて大量にあるので俺が初めに読んだ本がある可能性は低いと思ったんだが、偶然置いてあり、俺はそれに手を取り、先に座っていた春子の前に座った。
そこからは作品のどんなところが好きなのかだとか、おすすめの本などの他愛もない会話をしばらくして、予鈴のチャイムが鳴った。
「予鈴の時間ですね、もっと話したかったですが仕方ないです。またこうやって図書館で話しませんか?」
「ああ、もちろんだ」
「これ、私の連絡先です。良かったら登録してください。」
この学校は休み時間の携帯の使用は許されているので、俺は春子の連絡先を登録し、連絡先手に入れることが出来た。これで初めての連絡先で更には女子だ。1回目の高校生活は女子の連絡先なんて淀しかいなかったしこれで過去の自分を超えたと思うと少し悲しい気分にはなったが、今はそんなことは気にしている場合じゃない、なぜなら次の授業2分前だからだ俺は春子と別れた後、ダッシュで教室まで戻り、何とか間に合った。友達っていうのも大変なんだなと思いながら、今日の残りの授業を受けたのだった。