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ある高校生の新再生時空  作者: 矢満田
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入学式

校門をくぐり俺の二回目の高校生活が今幕を開けることになった。今日は入学式、みんなクラス表に目線を向けていて仲のいい友達と同じクラスに慣れて喜んでいる人や中には友達がいないのか嫌いな奴がいるのかは分からないが少し残念そうにクラス表を見ている人もいた。


俺も淀と政宗と一緒にクラス表を1組から順に確認していくことにした。当然俺は1年の頃の自分のクラスを把握していたから別に確認しなくても良かったんだが、確認もせずに教室に行くのは明らかにおかしい行為なので俺は黙々とクラスを確認しに向かった。あと自分のクラスのメンバーはしっかり把握しておかないといけないからな。


俺はやはり3年前通り1年3組だった。政宗と淀も同じクラスで2人とも親しい友人と同じクラスだったからかどこか嬉しそうな表情を浮かべていた。


これは当然万年ボッチ俺の経験談というわけではないが高校で友達を作るには中学校までの友達がいた方が作りやすい。その理由は友達と休み時間で話などをしている人か、いつも1人で無言の人どちらに話しかけやすいかと言われるとほぼ全員が前者と答えるだろう。前者の人は少なくとも友達を必要としている為話が噛み合えば仲良くなれるケースがある。しかし後者は友達を必要と感じない人や、話しかけるなというオーラを持つ人が多いから当然話しかけにくい。だから予め話をしっかりとできる友を持って置くことは非常に大事と言えるだろう。


そんなこんなで一通りクラス表を確認したあと、俺は政宗と淀と共に教室へ足を運んだ。


「今日からこの1年3組の担任を務める大山だ。みな1年間よろしく頼む。」と俺のクラスの1年3組担任大山が挨拶を始める。席の並びは出席番号順で俺の前には淀、俺の左斜め後ろには政宗と元ボッチの俺にはなかなかの好ポジだ。席も後ろから二番目とあたりの席で最初の席ガチャは大当たりと言って差し支えないだろう。


大山の最初の挨拶が終わると俺たちは入学式の説明を聞くことになった。内容は簡単。ただ主席番号順に並ぶという説明だけだ。説明を受けて俺たちは順番に整列していく。そして体育館に入り入学式が始まった。


まずは校長の挨拶、校長は見た目は60前後で頭が思いっきり禿げている。そして剃ってるようで剃りきれていない髭が特徴だ。奇天烈な見た目な校長を見て笑いをこらえている生徒も多数見つけられる。俺は3年間見てきたし、第一こういうとこで笑うようなタチじゃないんだがな。

見た目だけで笑いをかっさらおうとする校長だったがそれだけでは収まらなかった。校長はあがり症なんだがその力を発揮しまくりなんとそのスピーチで噛みまくり。それによって新入生がほとんど笑っており、1種の事故を引き起こしてしまった。政宗や淀も笑いを浮かべていて先生は注意しないのかとふと先生の見てみるとどうやら先生も明らかにニヤニヤしていて。今にも吹き出しそうな人がいた。だめだな、こりゃ。


こんな感じで大惨事だった校長の挨拶も何とか終わり、校歌斉唱が始まった。おれはもちろん校歌は覚えているんだが、初日に覚えてるなんてバレたら目付けられてもおかしくないので適当に歌って校歌斉唱は乗りきった。


「次に生徒代表挨拶、生徒会長坂本昌広」次に生徒会長の挨拶が始まった。学校生活において生徒会長という役職に憧れる人は少なからずいるだろう。生徒会長という肩書きがかっこいいや就職や進学で有利にする為、漫画やアニメ、ラノベなどに影響された人など様々な理由があるだろうが少なくとも生徒会というものは楽しいものだと思ってる人もいるだろう。だが実態はそんな楽しいものでは無いのは明らかだろうな、「まあ生徒会は入る意味を見いだせれば入るか」と誰にも聞こえない位の小声で話すのだった。


入学式も終わり、教室に帰ってきた俺たち、そして最初の授業でもあるホームルームが始まるんだが...「今からお前たちには最初ということで自己紹介をしてもらう」やはりやってきたか、コミュ障の人間には最初の試練といってもいいであろう自己紹介、この自己紹介が高校生活の三年間が決まるといっても過言ではないものであり、この自己紹介でインパクトを残した人がクラスのカーストで上位に来ることもある。だが張り切りすぎて逆にクラスで浮いてしまう可能性もある。なので俺はシンプルに済ますことにした。中には張り切っている奴もいたが変にクラスで浮いてしまったら詰んでしまうからな。そうこうしているうちに俺の番が回ってきた。「京極高広です。趣味は読書です。よろしくお願いします」と全くインパクトないザ、普通の自己紹介を済ました。そんな感じで初日は終了した。一応休み時間にクラスメイトと少し話たりして少なくとも一回目の高校生活よりも充実しそうだな。


こうして俺の二回目の高校生活が幕を開けた。一回目の高校生活より楽しいものになるだろうと俺は期待に胸を膨らませるとともに、これからの三年間で起きる波乱を満開に咲いていた桜が散り際がそれを教えてくれているような気がした。                   


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