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天使のたまご、竜のたまご

作者: みなはら


そのなかには

なにがはいっているのか

そとからみてもわかりません


わって

はじめてわかります


ふってみても

すかしてのぞいても


なかみはわからないです


たいせつにあたためて

たまごがかえるのを

じっとまつのです



むりにわっても

なかがからっぽかもしれません


うまれてきたものが

びっくりして

にげてしまうかもしれません



じっくりと

おもいをこめて

あたためてそだてます


やさしいこころであたためると

たまごからは

てんしがうまれるといわれています


つよきこころであたためると

たまごからは

りゅうがうまれるのだそうです


てんしも

りゅうも

あたためてくれた

あなたになついて

ずっといっしょにいてくれます



かなしみやにくしみをこめてはいけません


にくしみをこめてからむりやりにわると

たまごからは

まものがうまれてにげだします


にげたまものは

おおきくなって

よのなかにめいわくをかけて

いかりやにくしみをふやします


かなしみをこめて

ほうりだされたたまごは

かなしいこえでなく

ちいさなとりがうまれます


とりはだれにもつかまえられず

かなしくなきつづけて

せかいにかなしみのなみだをひろげてゆきます



だいじにあたためましょう

たまごはきっと

あなたをしあわせへと

みちびいてくれます




なにもされなかったたまごは

からっぽのままねむりつづけています


だれかがわってしまうか

だれかにあたためてもらえるまで



だから

だいじにそだててあげてください


あなたの


あなただけの

しあわせのたまごを


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― 新着の感想 ―
[良い点] 言い回しや全文がひらがなで書いてあるところに、古くからの伝承のような神聖さを感じました。温める者の心の持ちようによって何が孵るのか変わるなんて、ロマンがありますね。
[良い点] 卵をどのように育てていくかは持ち主次第。 そんな印象を受けた詩でした。 誰もがみんな大事に育てて、まものなど生まれない世の中になると良いですね。
[良い点] ありがとうございます。 が最初に出てきた言葉でした。 独りで投げやりにも、自堕落にも暮らせる状況にあって、今の私用の、夫がいなくても温められる小さな卵を大切にしようと思えました。 基本は多…
感想一覧
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