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あの日の空は

作者: ブルータスの屁

詩・短編を書いてみました。

気に入っていただけるか分かりませんが

一生懸命に書いてみました(^_^)

1000文字ぐらいで書いてあります。

物語の断片や本の1ページのようなモノだと思いながら

暇なときにでも読んで

楽しんで頂けると幸いです(^_^)

目を開けて空を見る。

あれは朝焼けなのか…。

それとも夕闇なのか…。

どちらなのかは分からないような太陽と満天の星が見えた。


凄い…。


このノスタルジックな光景を見たのは

いつ以来だろうか…。

えっと…。

確か…。


あの大地震のとき以来じゃないかと思う。


あの時は

震災で発電所が止まり街が停電になった。

街も大きな被害を受け

僕らは避難所で数日を過ごした。


僕の中の忘れられない想い出だ。


でも何故か

その目を通して頭に入ってくる今の景色は

常に揺らいでいる座標のようにボンヤリしていた。


僕は気持ちを整えようと

鼻から冷たい空気を深く吸い込む。

すると

草原の匂いが鼻を刺激して

ボンヤリとする頭をハッキリとさせてくれた。


また景色を見る。

より美しい景色が僕の頭に写り込んだ。


その目で辺りを見渡すと

女性が木の柵に手を置き

私に背中を向けて太陽を見ながら立っていた。

包容力のある優しそうな背中。


でも、あの人は…?


風が吹く。

その女性の髪がなびいて

その匂いが香る。

それはどこにでもあるシャンプーの香り。

でも嗅いだこのある懐かしい匂い。


「あ、お母さんの匂いだ…」


思わず飛び出した言葉。

その驚きで気持ちが動いた瞬間

僕は自分の部屋の布団の中にいた。

目や首を動かして辺りを見渡す。


夢…?


僕は布団から上半身を起こして

自分の手で顔を2回擦った。

拭う手はあれが夢なんだと強く実感させた。


僕は高校の制服に着替え

リビングでお父さんが作った朝御飯を食べた。

何度も食べているけど

あまり美味しくないのは相変わらずだ。

食事を終えた僕はすぐに居間へ足を動かした。

そこには母の仏壇がある。

僕はその仏壇に手を合わした。


あの大地震で死んでしまった母に

今日という日を迎えられたことを報告する為だ。


行ってきます…。


「早くしなさい。卒業式に間に合わないぞ」


僕はお父さんに「は〜い」と返し

父の運転する車に乗った。


車が動く。

あの時までは母が乗っていたのだろうと思うと

少し寂しい気持ちになった。


お母さん…。

僕は今日まで生きられましたよ…。


そう心の中で呟きながら………

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