4・召喚組の場合。-神様召喚-
これにもパターンが何種類かあるんだけど、
神様召喚。
魔術(魔法)召喚。
神様&魔術(魔法)召喚。
とりあえずこの三大パターン。
まずは、一つ目の神様召喚から!
このパターンの帰還率は四割程。
思っていたより少ないんだよね。
お願いだからちょっと骨を埋めるつもりで世界を刷新してきてよ。
魔素が淀んじゃって世界が混とんとしてるから中和してくんない?
あいつがいるせいで思う様に世界経営が出来ないんだよね。
と、世界に直接関われないから頼むよー的な様々な要望と、危険もあるよ・死ぬかも知んないよ・拒否権?あったりなかったりするけど・チートもつけちゃうっ!
そんな感じでほとんどの場合、説明があるんだけど、
あ、こいつこの世界に放り込んだら面白そうじゃね? チートとか適当に付けといたら面白い事になりそうだし路頭に迷う事もないよねっ☆
と、ノリだけで否応なしに呼び付けて放り出す神もいる。
迷惑だよね!
で、帰還方法のない場合、戻って来れないのは当然として。
え? 転移組とは違うんだから神様能力で戻れるんじゃないの!? と思う人もいるだろうけど実はそうもいかないみたいで、基本そんなとこに飛ばされる時には戻れるかどうかも説明されるっぽい。
戻れない理由として一番に上げられるのが、魔素。
呼ぶ事は出来るけど、歪みを発生させて時空を繋げると、特に魔法の世界では一方的に魔素が流出して、時空のはざまに飲み込まれて逆に世界が消滅するとか、流出する事によりその世界の生物が魔素不足で死滅したりとか、世界によってはあるらしい。
呼ぶ時は、対象のいる世界から異世界に吸引する感じで、戻すときはその逆。
どこのダ〇ソンかよ……。
吸引力強すぎ!
まぁ、その場合は大抵は事前に説明がなされるから、あまり問題にはならないみたい。
行ってもいいけどどうしても戻らないと困る人には、厳重な管理下で送還の作業が行われるが、その作業も神様にとっては重労働な上、緻密で繊細なものになるから出来ればしたくないってのが本音らしい。
だから、そういう時は何とか他を探してみるよ。って感じなるんだけど、その人しかいない場合は仕方ないよね。
魔素のない世界から魔素のない世界へは、基本問題はない。
そもそも、魔素がないからそういった影響は受けない。
けど、仮に目的を果たしたとしても、その人が存在してしまったせいでその人がいなくなると世界が成り立たなくなる可能性が高い場合は、余程の事がない限りは頼み倒して残って貰うか、スルースキル発動するんだそうで。なんだかなぁ。
どうしても帰る! ってなった場合は、その人に変わる誰かを召喚するんだって。
その人が偉大過ぎると、変わる誰かを探すのは非常に困難な作業らしいけど仕方ないよね。
じゃあ、転移組だって帰れるんじゃ? と思うかもしれないけど、世界を渡る際、神様が関わっているかどうかの違いは天と地……いや……宇宙と海底の差らしくて。
おさらいになるけど、 神様が直接呼んだわけじゃないので、転移組で説明した通り自力で探す方法しかないみたい。
運が良ければ、現地の人が魔法なり魔術なりで送還してくれるんだけど、先に述べた通り魔素が流出して惨事になりかねないから技術はあってもごめんなさいの場合もあるので、そういう場合はあくまでも自力で探した人限定ってことになる。
世界に直接関われないから言語すら独学でごめんねパターンもある。
言葉が通じなくて困った……。って人はたまたまそう言う世界に足を踏み入れちゃった人。
って、話がずれた。
で、そんなこんなでこのパターンで世界を渡った人は、色んな意味で覚悟を決めた人。
問答無用で送り込まれた人はドンマイだけど……。
そんな中、召喚先で居ついた六割。
帰れない覚悟を決めた人の他に、強制送還される人以外でいつでも帰れるって安心感もさることながら、元の世界より居心地いいじゃんとか、俺まだTUEEEしたいしとか、結婚しちゃった・恋人出来ちゃったテヘペロ☆ な感じの人。
そんな感じで居残り組が思いの外多くて、帰還率が四割という意外と少ないという事実。
ノリで送り込まれた人は……。
世界に魔法があろうがなかろうが、満足した神様が、「どうする? 残っちゃう? 帰っちゃう?」みたいな選択肢を途中で投げかけたりとか、飽きたからもういいやこのタイミングで帰しちゃおーとか、帰してあげたいけど崩壊するから無理なんだよね~・帰せるけど面倒臭いし~・どうせ戻せない世界に送ったし~と無責任な事を思いつつ放置とか、いや、思うならまだいいけど、はなっから送りっぱなしで気に掛ける事無く放置でただ覗き見るだけなんていやらしい神様もいて。
帰還率四割の内の〇.五割は「気まぐれで」聞いて「あげた」時に帰るって言った人。
本当にはた迷惑としか言いようがない。
それらは、良心的な神様召喚から戻ってきた人が「こんな神もいるんだぜ~」と、神様から聞かされた事を教えてくれたことにより分かった事。
ほんとさいてー。
まぁ中には元の世界に未練も何もない人もいるから、その人にとってはなんともない神様なんだろうけどね。
そして、召喚した神様が実は……だった場合。
こういう神様は基本無言でこっそりと召喚する。
何の目的で召喚するのかと言うと、世界を救う目的で召喚したというのは表向き。
その世界の本来の神様を出し抜いて、指示を出し、その人を媒体に、世界のためだとか言いあちこちに楔を打ったり、同世界の神達に気付かれぬよう着々と準備を進めていく。
そして狙うのは他の神を廃し、人を使役し、能力を奪い取り世界を掌握する。
用済みになった異世界不穏分子は、抹消予定が基本らしい。
最後にはその世界の生きとし生きるもの全てを廃し、自分色の世界を作り上げる事。
或いは、しょっぱなから思想が既に危ない人を呼び付けて、タッグを組んで世界を闇に染める事。
混沌、邪神、破壊神、それらの上を行く魔神。
様々に呼ばれているが、大抵がそんな存在。
下手をすれば他世界にまで手を伸ばす事すら考えている。
その目論見が成功した場合と、途中で他の神達が気付き召喚された者に真実を告げる・召喚された者が違和感を覚え抵抗する場合の確率は半々。
そして混沌の地となった世界を元に戻すために力を奪われた他の神達が密かに結集して新たに召喚し、目的が成功するのも半々といったところ。一緒になって堕ちちゃうことも良くある話だそうで。
こんな神に召喚されたまともな人の目が、なんとも言い難い目をしていたのだけは覚えてる。
それらの神様が全て悪かと思えばそうでもない。
諸事情によりその世界を再生させる為だったり、あえて混沌の時代へと導くためだったり、それ以外では例え魔神とか呼ばれようとも嫌悪される事もない神様もいて、「あいつらのせいで汚名が! 名誉が! 心が!」 と嘆いている……らしい……。
神様も一筋縄ではいかないって事かな?