表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

復讐を望まれた王子はその目に何を映したか

あらすじに嘘はついてないです。

婚約者側の視点はなく、王子側の視点で話が進みます。

「最近、皆の様子がおかしいと思わないか?」

「…そうかあ?」


 首を傾げつつ、トールは、じゃれあいがいつの間にか奪い合いに発展している友人二人をラグエルと共に眺めていた。ちなみに奪い合いの対象は、弟のように可愛がられている背の低い少年である。


「でもお前が言うんならそうなんだろうな。俺はぜんっぜん分かんねえけど」

「…私が間違っているとは?」

「ないね。お前は人のことなら間違わねえよ。何たって王子だし」


 ラグエルは第一王子だ。学園で生活している今も城で過ごしていた昔も変わらず立派な王子として努め、常日頃から、国のため民のため守るんだ導くんだと繰り返しており、側近のトールの耳ダコはとっくに腐っている。

 加えて同じく側近であるロキとバルドル、そしてその二人に絡まれているヘズ。大抵この面子で彼等は行動している。

 今も談話室に五人集まり、世間話をしていた最中だ。


「で、どんな感じでおかしいと思うんだ?」

「何と言ったらいいのか…荒れている、神経質になっている、空気が悪い…師匠がいたら激怒しそうだ」

「…本当かよ。あのおっさんが怒り狂うくらいやばくなってるか?いつもこんなもんだろって思ってたが…」


 一年前の学園の風景を思い出そうとするが、上手く探れない。頭の奥に霧がかかっているような感覚がある。

 何だこれは、と初めてトールはぞっとした。

 思えば、争うロキとバルドルの様子もおかしい。


「ほら、ヘズ君は嫌がっているじゃないか。先にバルドル君の方から手を離したまえよ」

「それは何だか嫌だなあ。そうだ、君の婚約者にロキはヘズのことが好きなんだよって教えてあげようか」

「な!恐ろしいことを言わないでくれ!彼女は繊細なんだよ!」


 いや、やっぱりいつも通りの気もする。


「がー!離せ!」


 ヘズの堪忍袋の尾が切れて暴れるのも変わりない。


「まあお前がじっくり皆と対話してやりゃイライラも…お」


 扉を恐る恐る開け談話室に入ってきた金髪の少女に、トールは喜びを隠そうともせず近寄り、声をかける。


「よお、よく来たな」

「おや、君か」

「やあ、元気かい」

「…ふん」


 ロキとバルドルは口論をぴたりと止め、ヘズは言葉こそないが駆け寄って彼女を出迎える。


「すいません、遅れてしまって…私、加わってもいいんですか?」

「なーに言ってんだ、当然だろ!」

「私も大歓迎さ」

「僕も構わないよ」

「別に…」


 それぞれの言葉に、少女はぱっと表情を明るくさせ、花が開くように微笑んだ。


「良かった!それじゃあ、失礼しますね」


 いそいそと中に進んでくる彼女に、ラグエルは立ち上がり、笑って、


「何をしているのかな?お前達は」


 側近四人に、冷たい声を浴びせた。





「えっ、あの、何で怒ってんの?」

「…ごめんなさい!多分私が悪いんですよね?調子に乗ってしまって、すいませんでした」


 戸惑うトールの声に被せるように少女は謝り、止める暇もなく走り去っていった。


「ええ、ラグエル君、ちょっと冷たくない…?」

「らしくないねえ」

「彼女には後で謝罪する。その前にお前達だ」

「…何?」


 さっぱり分からない、という顔の四人に、ラグエルは眉を寄せ、言い放つ。


「婚約者がいる身にもかかわらず、密室で他の女性の頭を撫でたり肩を寄せたり腰に手を回したり手を握ったりするような人間ではないと、そう信じていたのだが」


 沈黙。直後に、彼等は青ざめた。


「違う。違う!そんなんじゃない!私は、ただ…ただ?」

「…ちょっと、これは…どういう、ことかな」

「…気持ち悪い」


 予想と違う反応に、今度はラグエルが疑問符を浮かべた。


「それはどういう意味だ?」

「…ラグエル」

「うわ」


 珍しく縋り付いてきたトールに、ラグエルは反射的に手をあげるが、彼が震えているのに気づいて更に疑いを強める。


「…お前がいて、良かった。やっぱり俺達、どっかおかしい。変だ。あの女のこと全然知らねえし、誘った覚えもねえのに、何の違和感もなかった。あいつに好意さえ抱いていた…俺が、惚れてるのは、たった一人なのに!」

「あ、危ない…手を出してもおかしくなかった。私の愛する彼女の存在が、すっぽり頭から抜け落ちるとは…!」

「嫌だなあ、僕が幸せにしたいのはナンナなのに…あんな子を、愛しいと感じたなんて」

「気持ち悪い。何だこれ、気持ち悪い…」


 各々が後悔を滲ませる中で、頭を掻き毟り、トールはラグエルの胸ぐらを掴み訴える。


「ラグエル、お前が、俺達を止めてくれ。正直もう一回なったら自力で戻ってこれる気がしない」

「…分かった。引き受けよう。私がお前達を殴ってやる」

「ああ、ありがとよ。頼んだぜ」

「だが…些か恐ろしいな。この学園に、一体何が起こっている?父上の具合も、急に悪くなられているのに」

「大丈夫。この国には、お前がいるだろ。頼りにしてるぜ王子様!」


 にやりと笑い、トールは手を離した。ロキもバルドルもヘズも、ラグエルを信頼の眼差しで見つめている。

 ラグエルはしっかりと頷き、決意を示した。





 数日後。

 トール、ロキ、バルドル、ヘズはあの少女に陥落した。四人だけではない、学園中の生徒達が彼女の虜になった。男も女も、等しく。

 それと時期を同じくして、国王が崩御した。

 王妃はそれに、喜んだ。やっと死んでくれた、これで贅沢出来るわ、どんな服を作らせようかしらと笑い、ラグエルを奈落の底に突き落とした。

 ラグエルは王城と学園とを行き来しており、四人と会う時間がなかった。

 ラグエルは、気付かなかった。

 彼もまた、蝕まれていたのだ。





「私は王子だ、私は王子だ、私は王子だ…」


 ぶつぶつと、呪詛にも似た響きでラグエルは呟き続ける。

 頭の中の霧を払うために、何度も何度も壁に打ち付け、手を噛み、血を流す。

 いつから睡眠をとっていないか、覚えていない。何日か、何週間か。一度寝てしまったら、起きた時には恐ろしいことになっているような気がしてならない。だから眠気が襲ってくる度に自傷する。

 どうしてこうなったか分からない。まともに思考できない。頭が働かない。この部屋はまだマシだが、外にはあの甘ったるい空気が満ちていて、理性を奪っていく。どこからか湧いた、今まで抱いたこともない欲望に支配されそうになる。王子の己が守るべき同士達も、とっくに汚染されている。この学園だけならばまだ良かったが、王城も、王都も、既に歪められているのだ。


 ドアの外からたくさんの声がする。それは自室にこもるラグエルを心配する言葉が並べられていたが、彼にとっては堕落への誘いにしか聞こえない。


「守らなければならない、導かなければならない、屈してはならない…」


 思い出せ。ちちの姿を。

 国を守り、民を導き、皆から慕われて、突然の病に苦しみながらも最期まで己に「国を守れ」と課したあの賢王を、忘れてはならない。


「私は王子だ、王子として振る舞え、役目を果たせ」


 ギリギリと腕に爪を立てる。血が滲んでくる。痛みだけがラグエルを正気に留めてくれる。

 少しだけ靄が晴れて、ラグエルは思いつく。


「…そうだ、記せば…」


 記せばいい。見たら思い出せるように、書けばいいのだ。そんな簡単なことも考え浮かばないほどに追い詰められていたのか。


「…私は、王子だ…」


 国を守る。民を守る。同士を守る。屈するな。忘れるな。思い出せ。何のために己は生きている。賢明な父を、明朗な母を、信頼してくれる同士を、厳しい師匠を、暖かく迎えてくれる民を、努力家な彼女を、失望させるな。

 夢が、あるのだ。王になったら、父のように国を治めながらたまにこっそり村を訪問して、妻と子供、側近と共に美味しいものを頂きながら村人と談笑する。村に限らず、街も、王都も、全て。子供の頃から、ずっと想像していたのだ。


 紙に書いたのでは足りない。直接刻まなければ、足りない。

 腕にペンを突き刺し線を引く。怪我など気にしていられない。今つけた傷など判別出来ないくらいに、体の至る所に赤が咲いているのだから。


「ああ、これで…」


 刻まれた文字を満ち足りた気分で見つめる。これで大丈夫だ。忘れない。見失わないで済む。

 ラグエルは深く息を吐くと、ゆっくりと崩れ落ちた。

 床に倒れた王子は、その衝撃など取るに足らない睡魔に身を任せていった。





「…エル様、ラグエル様!」

「う…ん?」


 目を覚ます。

 すぐそばに少女の顔があった。


「良かった、目が覚めて。私、ラグエル様に何かあったら…」


 金髪碧眼の小柄な少女だった。この子は、誰だった?


「…思い、出す…」

「ラグエル様?」


 可憐な仕草で疑問を表す少女から急いで視線を外す。

 思い出すことが、あった気がする。そう、己は確かに、


「…あ、ぁ」


 ない。どこにも、何も、記されていない。

 自室の壁にも床にも赤い染みはなく、机の上に紙は見当たらない。体に痛みは残っていない。傷跡など一つもない。


「ラグエル様?」


 鈴を転がすような声だった。

 咄嗟にラグエルは部屋を飛び出し、走り出した。

 すれ違った生徒皆が心配と安堵の言葉をかけてくれるが、構っている暇がない。

 守らなければならない。何を?その答えを知っているのは。

 父は逝った。

 母は侵された。

 あと、残っているのは、


「きゃっ!ラグエル様?」


 長い黒髪に花飾りをつけた少女は、庭園の花壇を眺めていた。この時間、彼女はいつもここで花を愛でている。しかし彼女はいつの間にそんな髪飾りを得ていたのだろう。己はそんな代物知らない。

 花壇に生えている黒い花からは嫌な臭いがする。否、芳しい香りだろう。これに気を許せば自分は解放される。そう、こんな陰気で愚鈍な女に気のない褒め言葉を贈る必要もなくなる。


「…ラグエル様?お加減が優れないと聞いたので、会いにいくのを遠慮していたのですが…もう、平気なのですか?」


 黙り込むラグエルを、少女は気遣う。

 愚鈍。そう、幼い頃彼女は、物覚えがあまり良くはなかった。けれど、己の婚約者に選ばれ、己に釣り合うようにと努力を怠らず、今ではこんなに淑やかに、美しくなった。だから己は、彼女を尊敬していた。恋愛感情ではなかったけれど、共に頂に立ち、守っていく者として、親愛の情を抱いていたのだ。同士として、彼女を、


「ラグエル様!」


 別の声がした。

 ふわりと漂う甘い香りに、ラグエルは振り向く。先程の金髪の少女が追いかけてきたのだ。


「貴女は…」

「ごきげんよう、ガブリエラさん。ねえラグエル様。折角なのでここで言いましょうよ」


 何を?

 戸惑いの中に生まれる感情を、ラグエルは自覚する。

 守らなければならない。何を?

 決まっている。


「僕は君を愛している、ルサルカ」


 この可憐な少女以外に、一体何を守るというのか。


 黒髪の少女の息を飲む音が、聞こえた。





「ガブリエラ!僕は貴様との婚約を破棄し、新たにこのルサルカと婚約を結ぶ!貴様は自らの立場を利用し、ルサルカに危害を加えた!到底許されるものではない!よって、貴様は闇の森へ追放することとする!」


 学園の生徒全員が集まり、王妃が主催したパーティーにて、第一王子ラグエルは婚約者ガブリエラを断罪した。

 闇の森とは怪物が徘徊するという恐ろしい森だ。そこに捨て置かれるということは、死刑と同意義である。


「そんな…!私はそんなことしていません!皆、どうしてしまったの」


 身の潔白を訴えるガブリエラに、生徒達は聞くに耐えない罵倒を繰り返し、果てには殴る蹴るの暴行を加え始めた。何よりも平和を愛していた筈の王妃は、その光景をニコニコと見守っている。


「…ガブリ、エラ」


 ラグエルは衝動的に、痛めつけられる彼女へと手を伸ばしたが、隣に立つルサルカが阻め、彼に抱きつく。それを見て生徒達は、こんなに愛らしい少女を苛めた女を許せるものかと更に厳しい罰を与え、ラグエルは、一体自分は何をしようとしていたのかと疑念を抱く。


「…ラグエル様。どうして…貴方はどうして変わってしまったの。貴方は誰よりもこの国のことを考えて…愛していたのに。私だって、貴方を、誰よりも…!」


 息も絶え絶えの中で、ガブリエラは悲しみに暮れる。その緑の瞳から、涙がこぼれ落ちた。


「…あ」


 泣かせてしまった。彼女に似合うのは、笑顔なのに。いや、この場にいる誰にも、憎しみも悲しみも、似合わないのに。


「ラグエル様、私、怖い。あの人、まだ何か言っている」


 ルサルカが身を震わせ、涙目になって体を押し付けてくる。

 どうか、泣かないでくれ。涙を、拭かなければ。それは己の役目だ。

 内なる声に従い、ルサルカを引き離してラグエルは一歩を踏み出した。


「…貴方には本当に、驚かされますね」


 低く小さな声だった。

 体を引っ張られ、一瞬の間に、ラグエルはルサルカと口付けていた。


「あ…そんな。いや、嫌!ラグエル様!そんな人とキスなんかしないで!こっちを…私を見て!嫌ああああ!」


 ガブリエラの声が、遠い。やがて狂乱する彼女は兵士に引っ立てられ、姿を消した。


「ラグエル様、教えて…?貴方が本当に愛しているのは?」

「ルサルカ。ルサルカ、ルサルカ、ルサルカ、ルサルカ、ルサルカ…」


「はい、これで準備万端ですね。長かったです…貴方が強情だから長引いたのですよ、王子。まさか最終手段まで使わされるとは思いませんでした。通常ならこれまでの量で廃人になってもおかしくないのですが…貴方はやはり危険な存在です。あの方の障害になりかねません」


 ルサルカから笑顔が消えた。

 彼女は微笑みを絶やさない王妃に近寄り、告げる。


「王位継承に移りましょう。ラグエル第一王子を、王にします」

「ええ、そうね」

「貴女はお役御免です。国の金で散財でもしててください」

「ええ、そうね」

「…口を開けば同じことばかりですね。ガブリエラ様が貴女に話しかけたらと思うと、ひやりとさせられましたよ」

「ええ、そうね」


 無駄な会話だったと、ルサルカは王妃に背を向ける。


「…あ、なた…あなた…ラグ、エル…」


 振り返る。王妃は笑っている。一つ変化があるとすれば、涙を流しているというだけのことだ。


「…そんなに前王を愛していたのですか。流石はこの王子の母親、といったところですか。人の感情は…よく理解出来ませんね」


 放っておいていいだろう。王妃に術はない。危惧していた王子も無力化した。後は圧政を敷いて評判を地に落とし、あの方がガブリエラと共に復讐に来るのを待つだけだ。

 カサリ、と内側で何かが音を立てた。





 重税を課し、物価を上げ給与を下げるなど、好き放題やっていたら、あの方がもうすぐ来るらしいと報告があったから、用意をする。

 王子、否、王…いや王子でいいだろう。王子とその側近四人の服を剥いでベッドイン。勿論いかがわしいことはしない。フリである。

 側近にはもれなく婚約者がいるらしいが知ったことではない。どうせ死ぬ。

 ルサルカ自身は服を脱がないでおこうかとも思ったが、それではガブリエラの怒りの火に油を注げないかもしれないので、下着以外は畳んでおく。


 数日前から怪物達がこの国へ侵攻を始め、国境近くの村々が壊滅したという情報が入っている。不当に婚約破棄され凄惨な扱いを受けた少女の憎しみを、あの方は上手いこと燃え上がらせたようだ。

 無論、王子とその側近達は迫り来る怪物に対して何の対策もしていない。情報に耳は貸すが、それだけだ。王都の人々も逃げずに暮らしている。辺境から避難して来た者達も王都に入れば理性を失い、ルサルカの支配下となる。


(これであの方の望みが叶う)


 ルサルカはあの方のために存在している。彼女だけでなく、闇の森に棲む怪物と称される、不思議な力、魔力を持つために人間から迫害されひっそりと暮らしてきた魔族達は、全てあの方の所有物である。あの方が欲しいと思った少女を捧げるべく彼女は今まで活動してきたのだ。


 まずは王都に少しずつ花を植えた。森で生まれた黒い花。その匂いを嗅ぎ、体内に取り込み続けると良識を失い、心が歪み、欲望に支配される。井戸の水にもその花の成分を混ぜたことで、あっという間に人々は侵されていった。

 次に王を呪い殺した。周囲の人々は病だと思っただろうが、あれはルサルカの努力の賜物だ。この王は作戦において一番厄介だった。心を切り離す術を持っていたため花の香りも水も通用せず、彼がいることによって人々は一度堕落しても自分を取り戻す。だが、いなくなってしまえばあとはとんとん拍子だった。

 王子だけは自室に閉じこもって何とか抵抗していたが、所詮十六歳の少年。王のように心を封じ込める業など身に付けておらず、自傷による自我の維持も限界がある。寝たのを確認してから鍵を壊して入り、中を綺麗に片付け、傷を魔法で消し去れば、すぐに王子は陥落した。

 …彼の部屋は、あまりにも…


「ルサルカ」

「何ですか」


 無意識に答えてから、それが意味のない呼びかけであることに気づく。王子はもうそれしか口にしない。

 そういえば、これでは駄目かもしれない。ガブリエラが目にし、断罪するのは廃人であってはならない。意志を持ったクズでなくては。


「…困りましたね」

「ルサルカ」

「うるさいです。考えているのです」


 カサカサと内側で何かが鳴っている。うるさい。そんなものはどうでもいい。どうでもいい、筈のものなのだ。


「…王子、いえ…ラグエル様ぁ、ルサルカは寂しいですぅ、しっかりしてぇ」


 言ってみてから、こんなのじゃなかったと首をひねる。これではただの馬鹿女だ。


「…仕方ないですね」


 ラグエルの顔面を掴み、あの時かけた魔力を吸い取る。接吻により封じた王子の自我を、ある程度まで引き上げる。


「…う、う…」


 少しは見栄え良くなっただろう。ガブリエラに会ったら殺しにいくくらいの状態にはなったと思う。


「覚えてるか、あの湖。あの時は死ぬかと思ったけど、お前の笑顔が見れて、良かったと思ったんだ。馬鹿、嘘じゃねえって。俺は本気でお前に惚れてるんだぜ?」

「愛しているよ、当たり前じゃないか。私は君しかいらないさ。ちょっ、本当だってばぁ!ううごめんなさい、他の子に笑いかけてごめんなさいいいい」

「幸せにするよ。全力でね。だから…逃げないで、ね?」

「感謝とか、恥ずかしくてなかなか素直に伝えられないけど、でも、頑張って、言う…いつもありがと」


 側近が壁に向かって話しかけている。婚約者の幻影でも見えているのだろう。とりあえず一発ずつ殴り治癒の魔法をかける。

 ルサルカは王城の一室で復讐者を待ち続ける。





「…ラグエル、様」


 黒髪の少女は、一人の少女に対して群がっている裸の五人のうちの一人の名を、震え声で呼んだ。


「ふむ…ガブリエラ。此奴等は聞いていた以上の屑であるようだな」


 少女を愛しげに引き寄せた細身の男は、ぴっと指を横に引く。それだけで側近四人の首が落ち、売女が倒れた。残すは、売女に溺れて婚約者を陥れ、国を破滅へと導いた愚かな王子だ。

 王子は慌てて服をかき集めて着ると、赤くなった顔をガブリエラに向ける。


「ガブリエラ…!全て貴様のせいだ!そう、そうか、貴様の策略だな!?そんな男に体を売って、僕に復讐しに来るとはな!だが残念、殺されるのは貴様だっ!」

「…!もう、いい!私だけでなく、アイムさんまで侮辱するなら…もう、貴方に慈悲はかけない!」


 何を言っているのだ、この女は。自分に慈悲をかけるだと?国の支配者たるこのラグエルに、よく上から目線で説教ができるものだ。


「僕を誰だと思っている?この国を支配しているのは誰か、知らないのか!?兵士達が来れば、貴様等など数分で」

「兵士?あの木偶の坊達がか?」

「…何だと?」

「…彼らは…私達に襲いかかってきて、森に住む魔族達も殲滅してやると、そう言いました。だから…命を奪いました」


 ガブリエラは表情を暗くしつつ、はっきりとした口調で告げる。彼女にとって大切なのは、最早この国ではなく、闇の森に棲む者達なのだ。


「ふざけるな!出鱈目を!」


 喚くラグエルに、森の主はゆっくりと近づいていく。


「や、やめろ!こっちに来るな!僕を誰だと思っているんだ!」


 こんなのはおかしい。だって自分は偉いのだ。何でも思い通りになる立場なのだ。それなのに、この不埒者達は!


「おい!早く起きろ、お前達!僕を助けろ!」


 転がっている四人に命令する。首が取れていようが関係ない。彼等は自分のしもべだ。ラグエルの身代わりとして死ぬべきなのだ。


「良いな、ガブリエラ」

「はい、アイムさん」


 死が迫って来る。ラグエルは腰を抜かしながらも、後ずさる。


「ま、待て!貴様には地位をくれてやろう!直々に僕の下で働くことを許す!ガブリエラ!僕のことが好きなんだろう!?僕と結婚させる、愛してやる!だから殺すな!」


 どうにかして、生き延びなければ。死にたくない、まだ死ねない、自分は、己は、死ぬ訳には。


「王子さま!」

「殿下!」


 声がした。

 大柄な男と、小さな女の子。どちらも、見たことがある。この国の、民だ。

 殿下?王子?誰が。

 僕が。

 …私は。


 ラグエルの脳裏に声が響いた。


 我らは王族、何よりも国を、民を、守り、導かねばならない。ラグエル、この国に、何かが入り込んでいる。決して屈するな。私にはもう、出来ない。お前が、王子であるお前が、国を守れ。役目を果たせ。国を守れ。

 ラグエル、あのね、陛下がこの病で亡くなってしまわれたとしても、私はね、泣かないって決めたのよ。だって私はこの国皆のお母さんだもの。私が泣いたら、心配かけちゃうわ。だから、貴方は思いっきり泣いていいのよ。

 分かった分かった。ラグエル、俺達で国を導こうな…この国はもう十分にいい国だけどさ、お前ならもっと良くしていけるって思ってるんだ。心配すんな、俺達がお前を支える。…大丈夫、この国には、お前がいるだろ。

 殿下、貴方はこの国の王子だ。その行動ひとつひとつに責任が伴う。私は甘くない。いつでも貴方を監視している。貴方が堕落したなら、一番に私が貴方を殴って差し上げよう。

 あっ、王様!王妃様と王子様も!こんな辺境にわざわざ御出でになるなんて!ほんと型破りな人達だ。でも、あなた方がそんな人達だからこそ、我々は毎日汗だくになって働いて、笑って暮らせるってもんですよ!

 ラグエル様、私、貴方に釣り合う人間になりたいんです。貴方の婚約者として、恥ずかしくないように。だから、えっとですね…なれた時には、いっぱい褒めてくださいね!


 彼等は、ラグエルを信頼していた。

 それなのに、己は。

 呑まれ、堕落し、彼等を裏切り、そして、死なせた。


 私が国を守る。王子として、皆を導いてみせる。

 そう、誓ったのに。


「あああぁああああぁああぁぁぁぁぁぁあああぁああああぁぁぁああああ」


 ラグエルは頭を抱え、膝をついた。

 何ということを、何という罪を、犯したのか。

 民は怪物に殺された。どんなに絶望しただろう。平穏に暮らしていただけなのに、彼等は殺された。

 同士は怪物に殺された。どんなに己を憎んでいただろう。己が正気だったなら、彼等を救えたかもしれないのに。

 側近は男に殺された。約束したのに。彼等を殴って止めると、約束したのに。意志が戻らないまま、彼等は死んでしまった。

 婚約者は堕落した己に突き放され、死んでもおかしくない状況に追いやられた。聞くに耐えない暴言も吐かれた。自らの手で、愛していた国を破壊することになった。

 父はどんなに失望しただろう。国を守れと言われ、肯定しておきながら結局抗えず堕落した。愚かな息子を持ってしまったばかりに、彼が築き上げてきたものは全て壊された。

 母は。父が亡くなっても笑わせられていた母は?


 ラグエルは必死で絶叫を抑え込む。ここで悔やんだり、悲しんだりする時間は、ない。

 あの男を、どうにかしなければ。


「…王妃殿下を、どうしたんだ」


 アイムはガブリエラに眠りの魔法をかけて腕に閉じ込めてから、冷酷に答えた。


「そんなことも想像出来ないのか?」


 殺したのだ。あの明るく気丈な国母を。この男は。


「何故、殺した…っ!!」

「邪魔をしてきたからな。おかしな顔をしていたぞ。笑いながら泣いていた」

「…っ!!母だけではない、何故、国を襲った!!民を殺した!!彼等が貴様に何をした!?ただ、平和に過ごしていただけだろう!知らないだろう、貴様は、彼等のことを、何も!!貴様が蹂躙したアルドナ村は、林業が盛んで見事な木彫りの人形を作り出していた。職人気質な人が多くて愛想はないが仲間を見捨てることはない。ユスティア村は小麦の名産地で、黄金の美しい畑が広がっているんだ。住人達はそれを誇りに思って、詳しく紹介をしてくれる。トーセ村の人々は厳しい気候の中でも朗らかに生きている。女性は皆料理が上手い。子供の数が多いから、いつも笑い声で溢れてる!」


 ラグエルは覚えている。彼等が己に向けた笑顔を、声を、そこで食べたものの味を、風景を。その全てが温かかったことを。

 だから、守りたいと思ったのだ。


「貴様にも、誰にも、彼等の人生を奪う権利などない!!」

「権利、か。理由ならある」


 アイムは自身の黒髪をかきあげ、馬鹿にするように笑った。


「ガブリエラを先に傷つけたのはお前達だ。これは復讐である」

「ほざけ、怪物!!」


 吼えたのはラグエルではなく、窓から侵入してきた二人組の片方だ。

 大柄な男で、鋭い目を殺気で更に荒ませている。

 彼の名はグラディウス。一年前に王の命令で国外の調査に向かった一団の頭であり、ラグエルにとっては剣の師匠である。

 彼の傍にいるのは、十にも満たない、浅黒い肌の女の子だ。ラグエルは彼女を知っている。かつて両親と共に訪れた国境沿いのトーセ村。そこで一緒に遊んだファヌという子だ。覚えている。もう忘れない。己が守ると決めた人の姿を、絶対に忘れない。


「王都の至る場所に魔力の込もった花を植え、人々を操った!ガブリエラ嬢を追放させ、弱った彼女の心につけこみ、手に入れ、国への憎悪を煽った!そうだろう!全て貴様の策略、自作自演だ!それで復讐だと?笑わせるなっ!!」

「全く…どこから嗅ぎつけてきたのか。ガブリエラが聞いていたらどうするんだ」


 だから、彼女を眠らせたのか。


「ならば…貴様の目的が、ガブリエラならば!私を殺せばいい話だっただろう!!婚約者の私を始末すればそれで良かった。何故関係のない民を、彼女の同級生を、家族を殺した!!」

「お前だけ殺して何になる?この子の心も体も、私だけで埋めないと満たされないのだよ」


 アイムの策では、ラグエルが醜態を晒しながら死んで終わる筈だった。そこにグラディウスとファヌという異分子が現れ、計画は狂った。


「私の計画は狂った、とでも言いたそうだな、愚王よ」


 見透かされ、ラグエルは顔を歪める。アイムはそんな彼を見て、笑う。


「狂ってなどいないさ。ガブリエラはこの状況を見ていない。この子は私を信頼しているから、あとでどうとでも言いくるめられるのだよ。ここでお前達を殺せば、な」


 一瞬だった。

 アイムは一瞬でラグエルとの間を詰めた。


「…!」

「さようなら、愚王よ」


 アイムの手がラグエルの喉を突き破る。それは確定されていた。覆る筈がなかった。


「…何のつもりだ、ルサルカ」

「分かりません」


 主の腕を掴んだ少女は、あっさりと返答した。





「お前は、私を裏切るのか?お前を家族に迎え入れたこの私を?」

「本当に、分からないのです。体が勝手に動きました。こんな王子、ただのコマだと思っているのです。本当です」

「…だが、お前に庇わせる何かを、此奴は感じさせた。そういうことか」


 アイムはしっかりと服を着込んでいる腹心の部下を、真っ黒な瞳で睨め付けた。


「良かろう」


 抑揚のない声で彼は許可を下した。


「お前がそこまでするのなら、好きにすればいい。此奴等も見逃してやろう」

「ありがとうございます」

「命拾いしたな、愚王…いや、賢王の血を継ぐ者よ」


 そうして、眠り姫を抱きかかえた魔族の主は悠々と姿を消した。

 グラディウスとファヌがラグエルの元に駆け寄ってくる。どちらも彼の命があることに安堵していた。


「…何故、私を助けたんだ」

「…さあ?」


 ルサルカは素っ気なく答えながらも、内側にずっと隠し持っていた紙切れを差し出した。


「これは…お前が持っていたのか」

「まるで、呪いですね」


 ルサルカの頭には、それを手に入れた時の情景が焼き付いていた。





「…何て悪趣味な」


 王子が眠気に負けたのを確認して部屋をこじ開けてみたら広がったその光景に、そう漏らさずにはいられなかった。

 空気は淀んでいて一切換気がされていないと分かるし、書類は散乱して椅子が横倒しに転がっている。壁にも床にもおびただしい血(よく見たら文字を成しているものもあった)がこびりついていてまるで拷問でもなされたかのようだ。

 そんな中で、一人、王子は倒れていた。

 体は傷がない箇所を探す方が難しいし、額からは血が流れている。腕には読みにくい文字が刻まれ、端正な顔はやつれてげっそりと頰がこけており、目の下には尋常でないくまができている。狂人、という単語が脳をかすめる。

 どう見ても病人であるのに、寝顔は安らかだった。思い残すことはないとでも言いたげだ。

 彼が大事に握りしめている黒い紙切れを何気なく拾ってみる。


「ひっ」


 感情の振れ幅が小さい彼女が、恐怖を感じた瞬間だった。

 その紙は、表も裏もびっしりと文字で埋め尽くされていた。黒だけでなく滴ったらしい赤も混じっている。

 ほとんどは歪んで判別が難しいが、何とか解読できる単語がいくつかあり、「守れ」とか「王」とか「夢」とか、おそらく他のところもこういった意味のものなのだろうと察せられた。

 ルサルカはしばらく動かなかったが、紙を懐にしまうと、部屋の掃除を始めた。





「捨てようと思ったのですが、捨てる暇がなかったので…」


 どこか言い訳じみた響きだった。

 ラグエルは黙って過去の己の産物を眺めていたが、やがて紙を取り落とし、顔を手で覆った。


「わ、たしは…結局、何も…!父上は、私に託してくださったのに!母上も、学園の生徒達も私に助けを求めていたのに!トール、達を、止めると約束したのに、私は…ガブリエラ、ガブリエラは国を憎んでしまった!あんなに、王妃にふさわしくなるべく一生懸命だった、彼女が!民達は何も悪くないのに!誰も悪くない、私が、わ、たしだけが」

「立て、ラグエル」


 蹲るラグエルを、グラディウスは引っ張り上げ、その頰を張った。


「立て!!お前に自己嫌悪に陥る時間などない!今この時も、全てを失い苦しんでいる民が救いの手を待っているのだ!」


 ラグエルの目には涙が溜まっている。今はそれを溢れさせるわけにはいかぬと、グラディウスは酷薄な言葉を叩きつける。


「何のためにお前は生きている、お前の体は何のためにある!父が死んだ、母が死んだ、友が死んだ!怪物達に裂かれ、潰され、噛み千切られた!あの男に全てを壊された!それで?お前は泣き喚くしか出来んのか!!彼等を見殺しにして、何もかも奪われて、それでなおじっと蹲るだけか!!」


 どす黒い炎が、芽生えた。

 ギリギリと、歯噛みする音が後ろのファヌにまで届く。

 やりすぎたか、とグラディウスは悟る。ラグエルは復讐心に支配されようとしている。しかし、ここでラグエルが折れてしまっては、生き残った数少ない民の希望になどなれない。復讐に身を任せてでも、立ち上がってもらわねば、この国は。


「やめて!」


 ぽこっと足に衝撃。

 虚を突かれ驚いて見下ろすと、小さな女の子が泣きながらグラディウスの足に攻撃を加えていた。


「王子さまをいじめないで!」

「い…」

「王子さまはすごいんだよ、王子さまはとってもすごいの!お父さんが言ってた。他の国だと肌の色で仲間外れにされたけど、この国の王さまは、そんなこと気にしないで笑顔で話しかけてくれる、すごい人だって!女王さまも王子さまもすごいんだって!」


 ぽろぽろと涙を零しながら、ファヌはラグエルに抱きつき、彼を守ろうと叫ぶ。


「王子さまは悪くない!」

「ファ、ヌ」

「王子さま、あのね、泣きたいときは泣いていいんだよ。嬉しいときは笑って、ムカムカするときは怒って、悲しいときは泣くの。それが、生きるってことなんだよ」


 何と優しい少女なのか。自分も全てを失って、元凶であるラグエルを憎悪してもおかしくない立場なのに、彼女はラグエルに泣いていいと、そう言ったのだ。

 たどたどしい言葉は、それが誰かの受け売りであることを表していた。おそらく彼女の優しい父親が、教えていたものなのだろう。

 そうだ、彼女の父親も、かつてラグエルと笑って話をしたあの男性も、今では。


「ああ…ああぁ…すまない、すまないファヌ…私は、君の、故郷を…家族を、友達を…まも、れなかった…!!」


 今度こそ決壊し、ラグエルは彼女を抱いたまま、慟哭した。ファヌも彼に縋ってわんわんと泣き始めた。


「な、泣くな…」


 おろおろとグラディウスは二人に近寄る。泣きたいのは己だって同じなのだ。陛下が崩御されたというだけでも衝撃的だったのに、あの真面目な王子が堕落し愚王になったなどと到底信じられない報告が入るし、敵の情報をかき集めて戻ってみれば怪物達に国土を侵され人々は殺されていて、仲間を失いながらも必死に戦って、一人彷徨っていた女の子を保護しつつ王城に辿り着いたら王子は殺されかけていた。生き残ったのが奇跡のようなこの状況で、せめて前を向いていかなければ絶望に押し潰されてしまいそうなのだ。


「師匠…師匠…すみません…私は、貴方の期待に応えられなかった…」

「だ、だから、殿下、貴方はどうしてそう…自罰的なのだ!…私とて、約束を果たせなかった!貴方が堕落したら、私が殴って差し上げると、そう、言って、私は!」


 耐えきれなかった。

 グラディウスはファヌを抱えたラグエルを抱きしめ、泣き叫ぶ。ああ、これは必要なことだった。沈めた激情をずっと押し殺して進んでなど、行けない。

 三人は身を寄せ合い、子供のように声を上げ、泣いた。

 その様子を、ルサルカは何も言わずに見守っていた。





「…ありがとう、ファヌ。君のおかげで私は闇に飲み込まれずに済んだ。師匠、貴方が来てくれたから、私はこうして生きている」


 心行くまで出し切ったラグエルは、泣き疲れて眠そうなファヌとばつの悪そうなグラディウスに感謝を述べた後、傍観者に目を向ける。


「ルサルカ。お前には私達の手伝いをしてもらう」

「ええ、構いません」


 ルサルカは表情を変えずに、少年を見つめる。

 ラグエルはしっかりと頷き、決意を示した。


「行こう」

ガブリエラが正気でいられた理由は、操り人形の父親を通してアイムが贈った髪飾り(魔力付与)をつけていたから。


アイムさんは偶然見かけたガブリエラちゃんに一目惚れ


もしガブリエラちゃんがアイムさんに見向きもされないような顔面だったら、国は「移住したいランキング」に殿堂入りしていたのでガブリエラちゃんはマジ罪な女


ラグエル君の夢

昔「父のように国を治めてたまに民と親交を深めること」

今「民に笑顔が戻ること」


婚約破棄されて追放されるタイプのものって王子の頭が足りないことが多いよなあと思って書いた。たまにはこんなのもいいんでないかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったですけど、屑ヤンデレ万歳の最後はちょっと… 話は面白いんですけどね。 [一言] ガブリエラにすべて話して自殺してもらってから、アイムを捕らえて国民の前で貼り付け拷問くらいしないと…
[一言] アイムさん、ラスボスでもいいけどラスボスだと思ってたけど出落ちの中ボスでしたみたいな扱いでもいいなぁと思うクズ具合。 続編というか、因縁の生まれた前日譚のようなものを感じました。
[良い点] 普通なら3人とも復習鬼に墜ちる所で踏みとどまった [気になる点] 糞でゲスなヤンデレ野郎が幸せになりそうな事 [一言] これマッチポンプが元婚約者にバレたら心が壊れる 「貴方を信じたこ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ