一つ目巨人
洞穴を進むと左右に分かれた道に出た、ダニーの泣き声を頼りに左の道を進むと、ダニーとアロンとマリアの姿が見え、手前の部屋にはモンスターがダニー達の退路を断つて居た。
モンスターは大きな一つ目のモンスターで、頭は良くないようだ。
身体が大き過ぎて、ダニー達がいる部屋には入れ無いようだった。
俺はモンスターがこちらを振り返った瞬間駆け出し、モンスターの股の下をくぐり抜けのそのままダニー達がいる部屋に滑り込んだ。
《アルバ兄ちゃんすげーや》
《アルバお兄ちゃん。怖かったよ~》
《アルバ兄ちゃん…うぇ~んうぇぇ~ん》
3人は泣きながらアルバに抱きついて来た。
《お前ら何でこんな奥に来たんだよ。絶対奥に入ったら駄目だっていっただろ!!》
《僕…奥は駄目って言ったけど…、アルバ兄ちゃん居なかったから…》
《ダニーは悪くないよ、僕が奥から音がしたから覗きに行ったんだ。ごめんなさいアルバ兄ちゃん》
《それでね…、ダニーと私は手前の部屋で待ってたんだけど、いきなりあの巨人がアロンを追っかけて来たの…》
《僕は…その時こけて…捻挫しちゃった…うぇ…ひっ…く》
《この部屋だけ入り口が小さいから、ここに逃げ込めたんだ。でも出れなくなっちゃって、怖かったよ〜》
3人は泣きながらアルバにしがみついた。
《でも無事で良かった。だけどどうしょう…あのモンスターかなり強そうだし、俺に倒せるかな…。》
一つ目のモンスターはかなりの巨体で、力もかなり強そうだった。
さっきから俺が入って来た入り口の壁を殴っている為、壁が崩れかけている早くここから出ないと…。
《ねぇ…アルバ兄ちゃん…》
《どうしたアロン?》
《僕がさっき追っかけられた時、あいつに石をぶつけたんだ、そしたら目に当たって凄く苦しみだしたんだ。もしかしたらあいつ目が弱点なんじゃないかな?》
《それだ!!目を攻撃したら倒せるかも知れ無い…アロン、ダニーをおぶって走れるか?》
《分かんない…でも頑張って走る。ダニーが怪我したの僕のせいだから》
《よし、マリアもアロンから離れないように、気をつけてついて行くんだ》
《うん、アルバ兄ちゃんも気をつけてね》
《よし!あいつが入って来たら斧を投げるから、準備して隠れてろ》
アロンはダニーをおぶり、一つ目のモンスターから四角になるように隠れた。
一つ目のモンスターは壁をかきむしって、身体を使って体当たりを繰り返していたが、暫くすると大きな音とともに壁は崩れ、一つ目のモンスターは座り込んで入り口から入って来た。
俺はモンスターの目の位置にめがけ斧をほり投げた。
斧は空中で回転しながら弧を描き、モンスターの目に突き刺さった。
するとモンスターは目をおさえ痛みに怯んだ。
《アロン今だ!走れ!》
《うん!!》
アロン達はモンスターの横をすり抜け走り出した。