表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

アルバ物語

ディスヴィアス山脈から北に進み森を抜けた先に、アルバの故郷であるハーガルトという町がある。


人口100人に満たないこの町でアルバは育てられた。


彼は孤児で、町の神殿で働いてるシスター(マザース)に育てられた。



彼の両親は木こりの為、モンスターのいる森で暮らしていたのだが、両親は事故に遭い命を落としてしまった。


シスターは孤児になった子供達を集めて、彼らが自立するまで面倒を見てくれている。


アルバにとっては母親のような存在だった。


あの出来事がおこったのは、アルバが10歳の誕生日を迎えた日だった。


《アルバー、アルバどこに行ったの?みんなアルバを見無かった?》


マザースが子供達の寝室に訪れた。


《見てないよ、シスターマザース》


《私も見てないー》


《僕知ってるよ、アルバ兄ちゃんが森に入って行くの見たもん》


《ダニーそれ本当!?》


《うん、えーとアルバ兄ちゃんが秘密って言ってた…あっ僕喋っちゃった。又、アルバ兄ちゃんに殴られる…》


《もぅ!!あの子ったら、あれ程森は危ないから近づいたら駄目って言ってたのに。大変だわ…》


《大丈夫だよ、アルバ兄ちゃん物凄く強いし、それにこの間神殿で冒険者の職種選んでた》


《なんですって!!》


《あっ僕、又喋っちゃった…どうしょうアルバ兄ちゃんに殺されるかも…》


そう言うとダニーは、ベットの中に潜り込み身体を震わせた。


《あの子ったら勝手にそんな大事な事を…。取り敢えず町の方に迎えに行って貰います。ダニー…アルバが戻ったら私の部屋に来るように伝えて下さい、わかりましたね》


《う…うん。分かったよシスター》


シスターは心配そうな顔で部屋を後にした。


《ダニー、お前アルバ兄ちゃんに怒られるぞー、早く行って来いよ》


《うん…、やっぱり怒られるかな…。》


《アルバ兄ちゃんシスターだけには内緒って言ってただろ、俺は関係無いからな》


《そんな~、一緒に謝りについて行ってよ…》


《アロン…ダニーが可哀想よ、一緒に行ってあげましょうよ》


《マリアがそういうなら良いけどさ、アルバ兄ちゃんの秘密の修行場所だけは喋るなよ、ダニー》


《う…うん。ありがとうアロン、マリア》


3人はアルバがいつも修行してる、彼の両親が住んでいた山小屋に向かった。


この山小屋は木こりの人達の、森の休憩室として使われており、モンスターの出現場所からは離れている為、町の人間なら誰でも使用する事が出来た。


アルバはここで薪を割ったり、修行をして身体を鍛えていた。


この国の職種制度は特に何才からという決まりは無いのだが、幼くして決める事も珍しく無い。ある程度自立心があれば、10歳でも戦いを行う者も居る。


何故なら職種を選んでいないという事は、町から出られず収入が僅かしか得られないからだ。


彼が暮らす神殿も町の人間の施しで生計を立てている為、シスター達はみんな小柄で痩せていた。


神殿の孤児達を養う事は容易では無い事だった。


アルバはこの神殿でマザースから両親の死を告げられ、神殿で暮らす事になったのだが、マザースはいつもアルバに優しさを与えてくれた。


彼女はアルバにとって母親だった。

アルバはいつしか彼女の支えになりたいと願った。


先月神殿で、羊皮紙に冒険者と記入した時も彼女の負担を少しでも和らげたかったからだ。

町の外に出る事は怖く無かった。

老いていく彼女に、何か自分が役立てる事をしたかったのだ。


初めて森に入った時は、ドキドキして心臓が飛び出しそうだった。


しかし、元々素質があったのか神殿で職種を選んだ時土属性だった為、筋力が格段に上がり驚く程強くなった。


山小屋で薪割りに使っていた斧に、こっそり登録したAC(アビリティカード)を入れると、小さなモンスターなら倒せるようになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ