表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

錬集奈 詩集

作者: 錬集奈

文芸社からパンドレアという本を刊行するきっかけとなった詩集です。

 返事

              錬 集奈


返事は何事にも勝る魔法の言葉。

嘘ではないよ本当だよ。

「はい。」

「いいえ。」

「ごめんなさい。」

「おはよう。」

「ありがとう。」

1秒か2秒の魔法。

「いや…。」

「でも…。」

「その日はちょっと…。」

「僕はちょっと…。」

これは魔法じゃないよ。

言いわけは魔法じゃないよ。

あのね。貴方が大人になった時に「子供の方が楽しかった。」とか、「子供の時の方が良かった。」って思うのは、貴方が劣っているわけでも否定されてるわけでもないの。

ただ子供の時のように上手く魔法が仕えていないだけ。

もう1度思い出して魔法の言葉。

今よりもっと輝ける。
















   あの頃

               錬 集奈


 あの頃に戻りたい。

 中学に戻って好きだったあの子に告白したい。だって今でも諦めきれないから。

 高校に戻りたい。やっぱり心理学部か文学部に行きたかった。もっと勉強したかったし。

 大学に戻りたいとは…。あまり思わないな。

今と比較すると今の方が楽しいから。

 もう1度言う。「中学に戻りたい。」

 23年の人生であの頃が一番楽しかったから。

 だけどはっきり言います。

 「それ無理だから。」

 あの頃には戻れません。

 だからタイムマシンを作っている人。

 貴方の技術力や頭脳がいくら僕より遥か上でも、貴方の努力は認められません。ごめんなさいね。

 あの頃に戻れたら僕は一生15歳。

 明日に進めなくなります。

 あの頃には戻れない。戻れないから先に進む。

 何かを始めるのに遅いなんてことはない。

 23歳。朝食を食べ終えたばかり。

 65歳。諦めるな。まだ試合は5回裏。

 夢に年齢制限はありません。

 作家や詩人に年齢制限はない。

 これは1000年以上続く最高の文化。

 もちろん料理人も歌手もお店を持つことも。

 こんな長い詩読んで無くて良いから自分のやりたいことをやれば良い。

 遅いことなんてないから。

 期限は貴方が生きている限りね。






  こんな日あんな日どんな日

               錬 集奈


 上司や先輩に怒られた。

 お客様に怒られた。

 友達と喧嘩した。

 財布を落とした、家に忘れた。

 ブログが炎上した。

 恋人にふられた。

 仕事が上手くいかなかった。

 テストの出来がよろしくなかった。

 別にそんな日があっても良いじゃないの。

 多分そんな日に飲む酒やジュースや飯は心に沁みるほど上手いはず。

 もし生きていて全て思い通りになったら、良いことが起きた時の感動が無くなってしまうでしょ?

 人生って上手く出来ているでしょ?



 

  青春

               錬 集奈


 私は思う。

 中学生や高校生こそ人生で輝ける時だと。

 勿論20代には20代の楽しみはある。

 だけど私はもう部活動で知らない誰かを感動させられないでしょ?

 学校行事で人を笑顔に出来ないでしょ?

 そういうこと。

 何の繋がりも無かった人が出会って、協力して汗を流し、涙を流しながら誰かを笑顔にしていける。

 そんなことが学校という機関にいるのなら誰にでもチャンスはある。

 そんな特別な場所、特別な時間。

 ああ、君たちが羨ましい。

 たとえ1回戦で負けても

 たとえその感動がいつか思い出になっても

 笑顔をつくる方法を、人を笑顔にする方法を知っている。

 それだけで人生は百倍も楽しくなれる。

 今を楽しめ!中高生!


















  イジメ

               錬 集奈


 格好つけるつもりはないのだけど

 イジメは駄目だよ?

 十人十色。自分と合わない人がいるのは当然。

 合わなくても合わせる。それが出来るのは大人。子供が出来なくて当然。

 だけどね。人を蹴落として、蔑んで、からかった反応を笑って生きるような人間になるのだけは何人たりとも許されない。

 だから虐めは許されない。

 イジメをするというならば、

 自分が本心から笑えて人を感動させる何かを見つけなさい。

 それが出来ないくせに権力があるかのように振る舞うな大馬鹿者



  天秤

               錬 集奈


 鷹は空を飛ぶことが出来る。

 でも獅子のように地を駆け回ることは出来ない。

 その逆もしかりである。

 イルカは海を自由に泳ぐこと出来る。

 でも大木のように綺麗な空気を与え続けることは出来ない。

 その逆もしかりである。

 産業技術は文化発展を促進することができるが、生態系維持と環境保全に貢献することは出来なかった。

 でも木は家を。動物は毛布や衣服を人類に提供しながら死していった。

 何かを護りたくば何かを犠牲にする。美学かも分からぬ。

 しかし、大自然はそうはしてこなかった。

 大いなる地球の天秤は、左にも右にも、東にも西にも、北にも南にも、地平線のごとく水平でなければならぬ。

 せめて大義がなしとげられぬというならば、

 友情を捨てて私欲に走るな。

 家庭を捨てて仕事に走るな。

 休みを捨てて奉仕に走るな。

 平和を捨てて戦争に走るな。

 貪欲になれ。

 本気なら2つでも3つでも100でも守れる。   

  










  理由なき愛

               錬 集奈


 本当に好きで好きでたまらないのなら、無理をしてまで好きな理由を探さなくて良い。

 何故ならそれがあってあたりまえで、無くなった時のことなど考えられないから。

 考えられないことをいくら考えても仕方が無い。

 理屈や理論ではなく、ただただ好きでいること。

 そうして好きな気持ちだけ持ち続ければ、それは愛となる。

 愛に理屈はいらない。







  スタジアム

               錬 集奈


 負けた。声を枯らして応援したのに負けた。

 ジャンボ焼き鳥を豪快にやけ食いし、

 大酒を飲んでファンと愚痴り合ったり

 「あそこで打たねえから…。」

 今日のスタンドの様子をスマートフォンで再確認。

 以外に負けても楽しいな。スタジアムは。

 本気で悔しがれるし、本気で想いをぶつけられる。

 だから僕らは負けても勝っても

 明日もスタジアムに行くから

 明日は勝てよ

 やけ酒ややけ食いはもう飽きたから

 勝利の美酒を




  凍結

               錬 集奈


 冬の朝

 澄んだ空と空気を浴びて

 木々に雪が積もる

 家々の屋根から氷柱が伸び

 朝日はようやく顔を出し始めている

 時間が凍結したようだ

 確かに時は流れているが

 しばし時が止まったかのような空想に更けるのも風情があるのではないだろうか?

 もうこんな時間か。

 そろそろ時の凍結を解かなければならない







  相棒

               錬 集奈


 もう身体は大丈夫か?

 複雑骨折1回

 火傷して火が出そうになったこと1回

 記憶喪失1回

 計入院3回

 無理はしないで欲しいがもう少し頑張ってくれ!私のパソコン

 どんな世界を作り上げるにも、私の相棒は君なのだから!









  生きる

               錬 集奈


 すべてを投げ出して死にたいと思ったら

 一度全てを投げ出して生きてみれば良い

 仕事も学校も少し休んで良いから

 本当に自分が笑っていられるもの以外1度全て捨てて良いから

 それで貴方を見放すようなら、それだけの存在だったと笑ってやればよい

 ただね、これだけは覚えておいて

 貴方の知る世界が貴方を見捨てても

 貴方の知らない世界は貴方を見捨てたりしない

 1回全て捨ててリセットすれば良い

 1日中貴方の知らない本を読めば良い

 1日中貴方の知らない音楽を聴けば良い

 1日中貴方の知らない料理を食べればよい

 そんな小さな発見が、大きな感動となって貴方を生かしてくれるから

 生きていればこそ

 死なないでほしい

 この詩は貴方を見捨てたりしない


















  感謝

               錬 集奈 


 恥ずかしながら

 感謝の意味を人生23年目ではじめて知りました。

 私が思うその意味は

 「たとえその人に何と言われようと、その人にひたむきについてゆく」

 そんなことだったのです

 嫌なこともあろう

 無理難題も言われよう

 投げ出したくもなるだろう

 でも感謝しているからこそ、自分にしかできないことがあるのです。






  タイミング

               錬 集奈


 正月の折

 新たなステージへの幕開けということで

 今ここに詩を書いている

 しかし、いかんせん正月気分にやられる

 休み休み

 サボりサボり書いている

 ああ無名の詩人が恥ずかしい

 パートの代りの仕事も嫌々やっている

 ああ大人げない

 だが、まだタイミングが掴めぬだけかもしれない

 剛速球を打てないバッターのように、まだタイミングが掴めないだけなのかも知れない。

 きっと私の中で「サボりたい。」とか「休みたい。」という気持ちの方が強いからだろう。

 己の魂が記すままに

 強い気持ちに従って生きて動く

 ああ、何て正直な生き方だろう。

 



















  気持ち

               錬 集奈


 己の気持ちに正直に生きれば良い

 他人を明らかに不快にさせたり、誰かの生きる道を奪わないのであれば自由に生きて良い。

 貴方の人生なのだから。

 世間や常識の逆を行っても良い。

 1度きりの人生なのだから。

 ただし死んではいけない。

 誰かの命かも知れないのだから。

 最後にもう1つ。

 ポジティブとネガティブの連鎖で迷っているなら、なりたい自分になりなさい。

 ネガティブな自分が本当の自分だと言うのであれば何も言いません。

 でも、本当になりたいポジティブなアイディアや夢があるならそれを優先しなさい。

 他人に作品を評論されることが怖かったけど、こうして詩人を目指し詩を書き、作家を目指し小説を書く。

 この挑戦に後悔はない。

 たとえ失敗しても、何もしなかった自分より遥かに勝っているのだから。        

 

 














  逃亡

               錬 集奈


 厳しいことを言うようだが

 いくら厳しくても逃げることはできない

 使命から宿命から現実から

 逃げることはできないなら立ち向かえ

 使命も宿命も断ち切って新たな運命を切り開いても良い

 今やらなければならないことに真っ向から立ち向かっても良い

 逃げているだけでは何も変わらない

 1人で立ち向かうことが出来ないなら仲間を呼べ

 1人で逃げるな

 1人で抱えるな

 だから怖くなるんだ




  太陽

               錬 集奈


 1日を告げる朝日が

 その日の終わりの夕日が

 心から美しいと思えること

 何百年何千年と変わらぬこと

 その人間の感性

 その自然の美しさ

 1日のエール

 1日のご褒美

 どんなに文明が人が町が変わろうが

 唯一無二の変わらぬもの








  詩人

               錬 集奈


 詩はいくらでも書ける

 私はそう思う

 私はというよりも

 みんなそうであると思う

 詩。それは心の声に色をつけたもの

 私は私の心に幾千もの色をつけて絵にできる

音にすることができる

 上手く書けた絵

 不協和音になってしまった音

 描く世界は様々だけど

 そうして私の世界は色とりどりになってくる

 そんな色鮮やかな世界を幾千も知りたいから

 幾千の詩人がいて

 幾千の詩があって

 幾千の世界が広がっていけば

 それは人だけが作り出せる素敵な世界となる

 

 
















  春

               錬 集奈


 今年もまた桜が吹雪となる

 一つ一つの花びらに思い出を乗せて

 あの広い世界へと舞って行く

 心地よい風が頬を撫でる

 桜と心地よい風と大空に元気をもらって

 先へ進む不安と別れの悲しさは

 川のせせらぎと共に消え

 桜吹雪と共に希望は舞う










  夏

               錬 集奈


 灼熱の茹だるような暑さから

 時を止める夏の日の木漏れ日

 木々を通り抜ける風

 誰もいない海の波音

 目を閉じて子供の頃の夏の思い出に浸り

 目を開けて大人に戻る

 そこにあるのは心のアルバム

 夏の日の、子供だけが感じられた奇跡

 そして大人への礎









  言葉

               錬 集奈


 何も無い空間に

 悪戯に過ぎていく時間に

 少し魔法をかけるとしたら

 いかに音楽の力とは強大なものだろう

 幾千の言葉の中で

 何億もの書籍の中で

 巡り合えた1冊が貴方の世界を広げられたら

 それは小さな奇跡。大きな変化。

 言葉あるがゆえに悩み

 言葉あるがゆえに悲しみ

 言葉あるがゆえに怒り

 言葉あるがゆえに争う

 しかし、言葉あるがゆえに笑い

 言葉あるがゆえに許し

 言葉あるがゆえに救い

 言葉あるがゆえに愛す

  復興

               錬 集奈


 世界が揺れた

 頭が混乱した

 身を守った

 モノは守れなくても家族を守れれば良かった。

 関東大震災。「この程度で済んだなら。」と思っていた。

 テレビをつけた

 背筋が凍りつき顔面蒼白になった

 陸地が海となり

 海に陸のものがいった

 「もう止めてあげてくれ!」と言葉にならない言葉をあげても世界は飲み込まれていった。

 東京に傷跡が残らなければ他人事のような報道

 流石に報道の電波にも緊張が走った

 繰り返される停電に

 繰り返される余震に

 恐怖で震えた夜だったが

関東人がこの程度なら

東北人は比ぶべきも無かっただろう

何もする気になれなかった

何も出来ないと思っていた

自分の無力さに落胆した

夢も捨てた

アテが無かった

何をしたら良いか分からなかった

きっと東日本はそんな思いだ他のかもしれない

でも想いが叫びとなって届いた

少しずつ

少しずつ

東北の復興がはじまった

私も動いた

夢は一度諦めた

いや、僕にしか見えない夢はもう良いと区切りをつけた

仕事を捜した

21歳だった

さらに猛勉強をした

21歳だった

目の前のことを全力でこなしていった

自分を変えようと思った

そうすれば周りが変わると思った

いつか何十年後かに世界が変わると思った

福島は変わり始めた

岩手は変わり始めた

宮城は変わり始めた

東北は変わり始めた

少しずつ、また明るい東日本が戻ってきた

光がまた昇りはじめた

1歩でも半歩でも

動けなければ叫んでも良い

「変わりたい」という想いが

こんなにも奇跡を生んだ

踏み出した1歩がこんなにも大きかった

また希望をもてるようになった

また夢を追いかけても良いような気がしてきた

頑張ろう東北

ありがとう東北

私は何も出来ていなかったかもしれないけど

頑張ってまた夢を追いかける













 バトン

              錬 集奈


もしも貴方を愛してくれる人が亡くなって

貴方が生き残ったのだとしたら

例え涙流そうとも

その人の意思を引き継いで

全力で生きていきなさい

私の命を救ってくれた少女は

恐らくこの世にはいません

けれども彼女のおかげで優しさを知り

彼女のおかげで豊かな感性に育まれ

彼女のおかげで人に尽くす大切さを知りました。

辛い

出来れば亡くなった人に戻ってきてほしい

代われるなら代わりたい

それが叶わぬのは旅立っていった者も同じ

叶わぬのなら叶えられるものが叶える

託された命のバトン

絶えることなき燃える命の灯




















 記憶

              錬 集奈


いつかこの楽しい瞬間も

いつか皆で交わしたこの言葉も

いつか皆で交わした笑顔も

君の名前も

君の声も

きっと忘れてしまうのだろうな

いくらアルバムや映像を見ても

その時の感動や匂い、汗、涙は

もう伝わらないのだろうな

そんなことならこの空間を永久に凍結出来れば良いのに

 それが出来ないなら最初から巡り合うんじゃなかった

 そんな複雑な思いがあるから

 きっと卒業式でみんな泣いてしまうのだろう

 ましてやみんな地元に残るわけじゃないからね

 だけど1つだけ忘れないものがある

 仮に学校名を忘れようが

 入っていた部活を忘れようが

 会社名を忘れようが

 絶対に忘れないものがある

 それは努力の仕方

 それは感動の仕方

 それは人を笑わせる方法

 それは人を愛する方法

 それを胸に刻んでいるなら

 何を忘れたとしても別れは無意味じゃない

 貴方の奇跡は空虚な妄想なんかじゃない

 もう悲しい涙はふいて

 明日への希望に顔をあげて笑えばよい

 輝かしい未来

 第二の人生

 幸福が待っているのだから


                       


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ