episode3 新たな人生
episode3
新しき人生
「っとっと…よし!ついたっ!」
男を切り落としたあの表情からは、想像もできない無垢な笑顔で振り向いた。
「ここは?」
人は大勢いる…しかし、まだ希望はある。せめて自分が知る世界であることを祈る。
「リグレットって街だよ!結構大きな街だから大体のものはここで揃うから結構便利な場所だよ。んー、とりあえずご飯でも食べながら話そっか。」
といって少女は自分を引っ張っていった。
リグレットか…全く知らない街だ…本当に自分の知らない世界に来たみたいだ。
これだけ大きな街なら電波はっておもうがやはり圏外である。これは確定か?いや故障したのかもしれない。そう思案しながら席に座る。
「んで!君はなんて名前なの?初めて見るような格好してるし。それにお金も持っていない。どこからきたの?」
答えるしか…ないか、一応命の恩人だ。
「俺の名前は要 凌弥 日本って国から来たんだけど知らないかな。あとお金は円ならすこし…」
「凌弥っていうのね!わかった!私の名前は…えと…ファーストネームだけで許してね凛っていうの。一応竜人族なんだけど。ところで日本ってどこの国?ポートカプール地方のほう?グヴェン地方の方かな?」
やはりだ……やっぱり自分の知らない街に来たようだ。
「今から突拍子もないこというからな?信じないならそれでもいい」
「ん?まぁ、いってみ?」
「俺はこことは、違う世界から来た。」
「………ぷっ、あはははははっ……あーごめんごめん、突然変なこと言い出すからさ、君冗談も言えるんだねっ………………え?」
神妙な顔でこんなことを言ったため、冗談だと思ったがまさか本当なのかって雰囲気だな。
「本当のことだ。ここの世界のことを教えて欲しい」
情報収集はやはり大事なことだ。なにごとにおいても情報は必要になる。
「わかった。話すよ。もしかしたら少し君からするとおかしいところがあるかもしれないけど。これは本当のこと。信じて。」
そう言って彼女は一口水を口に含む。
「この世界は大きな二つの大陸に別れてるんだ。ひとつは人が神から与えられた。セルベルク大陸。そしてもう一つ世界から隔離された。魔族の地エルダーナ大陸。エルダーナのことは良く分からないんだけど。まぁ行くことはできないから覚えなくていいかもね。セルベルク大陸の中でも大きく五つに地方があるんだ。真ん中にあるセルベルク地方。これは正統政府って言われてる人達が統治してる。地方ごとでいま国は割れてるから正統政府って言われてるんだろうね。」
ふむ。大陸は二つ…セルベルク正統政府っていうのは人間の王として、決められたのかもしれんな。
「えとね、次はね。西のポートカプール地方。国の名前はオミネスト聖帝国家。水資源が豊富でこの大陸で食べられる魚の8割はこの国からのものなの。次が北のノウエル地方。国はラルフ公国。天候がいつも悪いところで雪や霰などが降り続けてる国よ。そうね…薬草がよく取れる場所なの。良質なものはこの国からのものなの。三つ目に東のグヴェン地方。国の名前はローレンス義帝公国。馬とか畜産が豊富で良馬の名産地なの。ここの王様が、すごい優しい人って有名なの。最後にアルセルク地方。国はアルセルク帝国よ。鉄とか鉄鋼資源がすごく取れる国で、いますごく勢いのある国よ。」
五つの国…か、それでお互いいい仲ではないと。ということか。
「これくらいでいいかな?」
「ありがとう助かった。」
これで世界のことはだいたいわかった。とりあえず仁君と謳われてる。ローレンスを目指すとしようすくなくとも今よりは生きていられそうだ。
「これかろどうするの?」
「ん?とりあえずローレンスをめざす。そこでいろいろ情報を集めようかな」
「わ、…私も連れてって」
「え、なんで?俺はただの不審者でしかないでしょ?きっと」
正直な所、夢のあの少女に酷似しており、ちょっと気まずいのだが…。
「私が護衛もしてあげる、ここからローレンスは遠いし、傭兵雇うお金もないでしょ?」
痛いとこを突かれたな…しゃーなしか…。
「わかった。お願いするよ。竜人族となれば安心さ」
龍の、一種ってことだよな?それなら安心出来ると踏んだ
そして、彼女の顔が、ぱぁっと明るくなり
「ありがとうっ」
と、礼を言った
これから長い旅になりそうだ。けど……帰るために…やってやるんだ。