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1 ハンドボール 「感動」

作者:

右手に両面テープを貼るスポーツって笑


なんて考えながら、試合のブザーが鳴り響く。


なんで続けられたんだろう?中学生ではサッカーをやっていた。高校になってもサッカーをやるだろうな、とか何と無く思ってた。


俺はそんなやつだ。何に対しても執着心がない。今も俺のことを相手チームが睨んでが、

そんな視線をシカトしながら、チームの円陣に入る。


「今までよく頑張った。俺たちは強い……だから、チーム…協力…」


はっきりと覚えてない。でもいい言葉だったと思う。


心にあるのは勝つ。それだけだった。


試合が始まった。


ハンドボールは、ボールを持って3歩あるいていい。仮入部の時に1番思ったこと、それは「早っっ」だ。


常に思考は、守って速攻。ゴール型競技なら基本だわな。守りで大事なのは、技術や経験だと言われる。でも俺は心だと思う。


相手に抜かれないよう足引っ張ってでもボールを奪う。その後は、腐る程鍛えたこの足で得点をとる。


今回の相手チームは県でもベスト4、強いが練習試合で負けたことはない。


序盤から、何か違和感があった。それは相手45度プレイヤーの成長だ。1人ですでに5点も決めている。


俺も負けたくない。3点4点決めた。


突然、相手プレイヤーの1人が目の前でディフェンスし始めた。相手の攻撃中にだ。


マンツーマン。


強いプレイヤーに対して自由にプレーをさせないための作戦である。


「ださっ。」


口に出したが、そいつに俺がとめることはできない。そう考えていた。



甘かった。


何度もへばりつくそのプレイヤーは、しつこかった。


徐々に点数が開いていく。焦るが、冷静に考える。


相手45度プレイヤーに対してこちらもマンツーマンをつける。


しかし、相手はそれを見据えてたのように速攻を使ってきた。


スピードに乗った45度プレイヤーを止めることはできなかった。


何度も走った。県トレセンのセレクションでも誰にも負けることはなかったが、目の前の敵にのみへばりつく信念をもっているものには勝てなかった。


点数が、加算されていく。


30分間ハーフ、後半残り15分。


多分あと1点入れられたら終わりだな。


全力でやるのが礼儀だよな、負けは決定してもいい姿を親や監督や仲間に見てるんだ。











「どけよ」











「頼むからどけって言ってんだろが!」










泣いたことはそんなにない。でも、泣いた。

そして、マンツーマンの相手に怒鳴った。昔の俺ならこの姿をダサいと思っているだろう。


だから何だ。


知るか。





仲間と汗をかき、吐くまで走ったこと。


大きな怪我をして試合に参加できず、泣いたこと。



嫌だ


嫌だ


嫌だ


頭の中に今までの苦労や思い出が蘇ってくる。







結果、試合に負けた。


物語はこれまで、俺はハンドボールを通してどんな人間に成長できたのだろう?


今だにわからないが、一つだけ思い出あるのなら、


試合に負けた後で、全員が泣いてたんだよ。


その時、俺はあつかった。

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