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赤の世界Ⅰ

気が付くと暗闇はなく、見たことのない世界が広がっていた。


(これが゛赤゛か)


どこまでも赤、赤。建物も、空も、全て赤。 すれ違う人々は、゛白゛の私をチラチラ見ていた。



(赤ばっかり…ここには他の色は存在しないのかな)



路地裏などを探すが、どこまでも赤しか存在しなかった。



仕方なく街中をぶらぶら歩いていると、つかつかと二人の警察がこちらに向かってくる。



『君、なんだねその白い髪の色は?!我が国では赤髪と決まっているだろう?』


「そうなんですか?初めてここに来たもので…」


『…おかしいな。我が国では他国の者は出入りを固く禁じられているはず。…まさかお前、不法侵入者か!』



瞬間、二人の警察に腕を捕まれどこかへ連れていかれる。一体、どういうことなのだろうか?


(そう言えば)


(この二人は私の髪の色を゛白゛と言っていた)


(そうか、この色が白なのか)



ずっと暗闇にいて、黒しか知らなかった私にとっては自分の髪の色でさえ新鮮に感じられた。



『さぁ着いたぞ。入れ!』


私が連れられていった場所は、人がたくさんいる所だった。


私の髪の色を見るなり人々はざわざわ騒ぎ出す。


カンカンッ!


乾いた音が鳴り響いたと思うと、辺りは一斉に静まり返る。



『私は最高裁判官のダルマンだ。白髪のお前はなぜここにいる?どうやって来たのだ?』


「分かりません。気付いたらここにいました」



またざわざわと騒ぎ出す人々。中には『嘘つきだ』や『スパイに決まってる』などという声が聞こえてくる。



『静粛に!…ではお前、名前はなんという』



…名前。それは人々が互いを呼びあう記号のようなもの。しかし私には…



「名前はありません」


『ほう、名がない…ますます不気味だ』



すると人々の中から手を挙げている者が見えた。



『…ガーボン。お前の意見を述べてみよ』


『はい。僕はそこの白髪さんを…カミサマなのではないかと思って います』

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