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鬼人  作者: リディア
旅立ち編
5/23

3話

更新遅くて申し訳ありません。

現在はこのペースで精一杯です。

なので、これより遅いペースならないよう努力しますので、よろしくお願いします。

第3話です。

どうぞ。

(そろそろエミの担当している範囲に入るな…)

「エミー!いるのか?」


呼び掛けてみるが、返事がない。

既に危険を察知してキャンプにいるという可能性もあったが、

キャンプはここに来る前に立ち寄ったため、恐らく、まだこの近辺にいるのだろう。


「いるなら返事してくれ!」

と、よく聞くようなことを叫びながら、エミを探して走り回っていると…


(なんだ…この足跡…)


そこにあったのは、この近辺に生息する魔物の物とは当てはまらないほど大きな足跡だった。


(間違いない、この辺りに大型の魔物がいる!)


さらに、この足跡の近くに、エミの物と思われる装備の真新しい破片が落ちていたため、

エミはこの足跡の主である、大型の魔物と遭遇し今も逃走しているという仮定が出来た。


今はその足跡を追手いるところだ。

「はぁ…はぁ…そろそろ追いつ」


バギバギ!


「なんだ?!木が折れるような音が…」


そこでハッとした。

木が折れるということは、それほどの激しい戦闘を行っているか、

大型の魔物が通るということだ。

そして、今回は後者。

エミが近くにいるということだ。

急いで音のした方へ行ってみると…


「はぁ…はぁ…」


グルルルル…


(エミ!あの魔物は…?)


ゴァ!


「キャア!」

「エミ!」


今のはブレス!

てことは、あの魔物はランク5以上の魔物か!


「タカミ!?」


グアァァァ?


声を出したことで、こっちに気付いたようだ。


(まずいな…)


なにが不味いのかは、言わなくてもわかるだろう。

俺たちデリーツはランク2

乱入してきた魔物はランク5

力の差は明らかだ。

さらに、ブレスを使ったことから、

魔竜の類いか魔獣、可能性は低いが悪魔の類かもしれない。

ランク2からすれば、ランク5のこれらの魔物が乱入とあれば、まず連想するのは死だ。


それほど強力な魔物ということだ。

できれば戦闘は避けたいのだが…


ガアァァァ…


向こうにその気はないようだ。

なら…


カチャ…


「エミ、ユウキを探せ。」

両手剣を構えてエミに指示する。

「え、でも、タカミは?」

「俺は大丈夫だから。」

「でも、置いて行けないよ!」

「じゃあ追加だ。ユウキを探して戻ってきてくれ。」

「でも…わかった。」


暗くて本体はよく見えないが、

そいつが鋭くて大きな爪で攻撃してくる。

さて、エミにユウキを探しに行かせ、一人となった俺が取る作戦。

もっとも簡単且つ難しい作戦。

それは…


「おわっと!」


ひたすら避けまくる!

もともと両手剣はスピード命の武器だ。

そんな武器を一筋で扱ってきた俺なら、

避けるだけなら簡単だ。

そう避ける『だけ』だ…


ブン!ヒュン!ビュン!


「トッ!タッ!おっと!」

(ちょ…ま!)

何回かかわしているうちに、ある変化に気付く。

(嘘だろ…一撃一撃が早くなってる!?

まさか、手加減してたっていうのか!?)

速さの上がった攻撃は、避けるのさえ難しくなってきていた。

(だったら…)

と、大きく後ろに飛び、

両手剣の右片方を魔物に投げる。

投げた右剣は、運良く魔物の腕をすり抜け、

右目に突き刺さる。


ガアァァァ!!??


「まじか!」

(ラッキー!)

と、戦闘中にも関わらず、笑みをこぼしてしまう。

が…


グゥゥゥ…


「へ?なんか、ヤバそうな 雰囲だな…」


ガアァァァァ!!!


「こいつは…」

(完璧に怒ってるぅぅ!)

「前々ラッキーじゃね…うお!」

これまで以上に速く重い一撃が飛んでくる。

ここまで来ると、最早避けるではなく逃げるだ。

それがおよそ10秒前の出来事だ。

そして、森のなかを逃げ回るなか、

すっかり存在を忘れてしまっていたブレスが飛んできたため、横に回避したが、

迂闊にもバランスを崩してしまい、

追い詰められている状況だ。


「どうする…」

良く見えないが、とにかく大きな魔物は、すでに目の前だ。

今から走ろうにも、この距離ではすぐに追い付かれてしまう。

(しかし、ランク2の俺が、恐らくランク5であろう魔物に遭遇してから、

これだけ生き延びたことは奇跡と言えよう。)

と、諦めかけていたときだった。

すぐ横。

本当に真横。

そこを、なにかが


ヒュンッ!


と、高速で通り抜けた。

虫かと思ったが、それは間違いなく魔物に当たり、

さらに爆発した。


ガアァァァ!?


と、吠えたかと思えば、魔物はすぐにどこかへ逃げてしまった。


「な…なんだったんだ…?」

俺はその場でヘナヘナと座り込んでしまった。

いろいろ思っていたことがあっただろうが、

今はただ、

「助かった…」

という思いだけだった。


その数分後、エミがユウキを連れてやってきた。

「タカミ!やっと見つけた!」

「無事かタカミ!」

タカミ「あぁ、なんだかよくわからんが、助かったよ…」

「なにがあったの?あの魔物は?」

「それが、俺にもよくわからない…」

「なんでも良いさ!こうして生きてるんだから!」

「そうだね!本当に良かったよ!

さぁ、クエストはクリアしたし、

町に戻って今日のことを報告しなきゃ。」

「そうだな。」

「よし、キャンプの片付けてして、リトルハーブに戻ろう!」

「うん!」

二人がキャンプに向かい、俺も行こうとしたとき、


カサ…


「ん?」

(向こうの方になにかいた気が…)

と、なにか動いた気がした方を向く。

(なにもいないのか?)

しばらくそうしていたが、

「タカミどうしたの?」

と、声を掛けられ、

「いや、なんでもない。」

と返し、

(気のせいかな?きっとさっき逃げ回ったから疲れてるんだな…)

と思い、エミたちのもとへ行きキャンプの片付けを手伝い始めた。



「…」

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