18話
更新遅くなりまして、すいません。
それと、章の名前、タカミ編になっていましたが、正確には旅立ち編になります。
変換ミスに気づくのが遅くなりました、すいません。
それでは、18話です、どうぞ。
宿に書き置きと宿代、騒動の慰謝料を置いて、明朝リトルハーブを出た俺たちは、ティアの指示に従い、林の近くを通る大河『ビックリトルリバー』を下り、海に行くこととなった。
タカミたちは調度今、林を抜け、ビックリトルリバーに到着し、遅めの朝食を取っていた
「…」
「…」
「…」
沈黙のなかで。
もちろん、沈黙にも理由はある。
まず一つに、追われている身であることから、なるべく無駄な会話や音は出さないためである。
二つ目は、
(いくら静かにしなきゃならないからって、安物のパンを焼かないで食べるって…そりゃねぇだろ…)
(まったくだな)
(文句いわないの。私だってもうすこしで良いから美味しいもの食べたいわよ)
((じゃあすこしくらい暖めろよ))
(う、うるさいわね!)
(静にせんか。ただでさえ異色なんじゃから)
一番異色なのは魔物のうじゃうじゃでる河辺で三人のパーティに紛れてる幼女のお前だ。
三人の思考は珍しく一致した。
「さて、そろそろ出発と行こうかの。休憩をとりたいところじゃが、ここでは見つかりやすいし、すこし森に入ったところで仮眠をとるとしようか」
「それもそうだが、森にまた入るのはまだ先だぞ?そんなんじゃもしもの時に動けないと思うが?」
「まぁ、お主らなら大丈夫じゃろ。伊達に魔狩者をやっているわけでもないじゃろ?」
「たしかにそうだが、やはり休憩はここでも良いと思うんだが…」
「なんじゃ?これでもわしはお主らよりは長く生きているんじゃぞ?」
「へぇ、じゃあ歳はケバブ!?」
「女性に対していきなり歳を聞くとは、無礼なやつじゃ。誰が答えてやるか」
「…」 (ピクピク)
その後、論議の末、不満はあるが、休憩はとらずに先に進むことになった。
余談だが、ビックリトルリバーという名は、リトルハーブの大河だからではなく、大河と小川を総じた河だからである。
なので、川沿いに進むにも、あらゆる方向から川が流れているので、すこし離れたところを進むことになる。
現在、タカミ一行も、林をぬけ、河からすこし離れた平原を早足で移動している。無論、隠密系の魔法で隠れながらではあるが、移動している以上、気休めでしかない。
「そういえば、お主らかなりやるようじゃが、なぜそんな低いランクにおるんじゃ?」
「あー、えっと…」
「ま、まぁ、それはあとでね...」
「なんじゃ、訳ありか?」
「んー、まぁなー」
「それなら深くは突っ込まんが、気になるのう...」
「ははは...でも強いのは私たちじゃなくて...」
「エミ!避けろ!」
咄嗟のことで反応できなかったエミは、突っ込んできた猪『ライトボア』に吹き飛ばされてしまう。
ユウキが駆け寄ったので、俺は猪の始末でもしよう。
始末終わり。
早いって?いやー、照れるなー。
誉めてない?だって飛びかかって首切って終わりだし、わざわざクソみたいな戦闘シーンいれる必要も…
「さてと、エミ、大丈夫か?」
「うん、ちょっとビックリしただけだから、あの猪のランクも1だし突進に威力もなかったしね」
「まぁ、軽く手擦りむいてたから手当てくらいはしといたけど、ちょっと大袈裟になっちゃったな」
「お、お主ら?悠長に話している暇は無さそうじゃぞ?」
油断していた。
ライトボアとの戦闘で隠密切らしてるのを忘れてた。
おかげで、黒服連中に見つかったみたいだ。
みたいだ、というより、既に見つかって囲まれてしまっているんだがな。
「っち...」
「おいおい、まじかよ」
「か、軽く20人はいるよね...」
「どうするじゃ、リーダーさん」
幸い、走ればこの先の森に紛れられそうだが、俺はともかく、他三人...。
ここで大技使うわけにもいかないし、かといって使わないとエミたちを守りきれない。
...どうする...
出した結論は、
「駆け抜ける風の如き速さを我らが身に与えたまえ『ブーストエレメント・スピード』...。
これで森まで思いっきり走れ、殿は俺がやる。
森に入ったらこっちのもんだ」
三人は無言で頷き、肯定の意を示す。
3、2、1の合図で、駆け出した。