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鬼人  作者: リディア
旅立ち編
21/23

17話

「よし、宿を出よう」

「うん…」

「まぁ、しゃあないかな」

「付け加えると、この町からも出るべきじゃな」


ティアの話を聞き、半信半疑だが、宿、しいてはこのリトルハーブの町を出るという決断に至る。

その話というのは、

俺たちはこの世界を統制する十統神の一体から、邪魔な存在とされ、始末されようとしていること。

ティアはその一体と敵対する派で、俺たちの捜索、護衛、保護を目的にここに来たこと。

そして、力を振るったことで、敵に発見され、行動が警戒から始末に移ったことだ。

よって、敵が今後どんな行動をとるかわからないため、町に被害が出ないよう、この町をあとにしようとう結論に至った。


「まったく、忠告を無視するからこんなことになるんじゃ。

ほんとはもっと穏やかに済ませるはずじゃったというのに…」

「あー、それはすまない。

だが、訳のわからない子供に言われてもだな」

「もうちょっと頭のいいやつだとおもったのじゃよ。

お主の友だというものは頭の切れるやつじゃったからな。

名はたしか…サクマじゃったかの」

「「「サクマ ?!」」」

「なんじゃ急に、大声出しおって」


サクマ…あの日…俺らの家だった教会が、山賊に襲われ、すべてが燃やしつくしたあの日、死んだと思っていたやつの一人だ。

生きていたってのか…?

だが、あのあと、泣きじゃくるエミをなだめ寝かしつけたあと、ユウキと二人で人数分の焼死体を確認したはずだ。

それが何故…。


「おい、タカミ…」

「あぁ…ティア、サクマは今どこに?」

「わからん。じゃが、これから行く場所にたどり着けば、なにかわかるじゃろう。

なにせ、これから儂らがめざすのは、『月の寝床』と呼ばれる場所じゃからな」

「え、月の寝床ってたしか...」


月の寝床とは、神の住まう場所と言い伝えられる秘境の一つだ。

他に、『太陽の神殿』『水流集う大空洞』『恵みの城』『癒す霧の湖』『破壊者の孤島』『勝者の虚空』『幸運の三角域』『輪廻の大穴』『罪深き審判の場』

と、それぞれの神の住まう場所が存在する。

月の寝床とは、遥か西にあると言われるが、誰も到達したことがないと聞く。


「そんな秘境に私たちで到達できるの?どこにあるかだってわからないのに…」

「わしがいるから安心せい!無事にとは言わんが、到達はできよう!」

「そこは無事に到達させろよなちみっこ」

「…今なんと言った…」

「え?無事に到達「その後」…ちみっこ?」

「おんどりゃあぁぁ!」


豪快に投げられたユウキは「わあぁぁ!?」と言って飛んでいた。

飛んでいたと言っても、放り投げたのではなく、真上に打ち上げたので、頭から落ちてきて地面に刺さる。

この餓鬼ただ者じゃない。



薄暗い洞窟内に二つの人影がある。

どちらも黒いフードをかぶった男で、背の高いのと小柄のがある。


「…まだ見つからないのか?」

「るっせーな、口動かしてねぇでてめぇも働けってんだよ」

「ゲームに負けたのはお前だ。敗者は敗者らしくと、いつも言っているのは貴様だろう?」

「ヘーヘーワカリマシタヨ~」


二つの人影は更に奥へと進んで言った。

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