13話
今回ちょっと短いです…
現状は最悪とまでは行かないが、悪い方だろう。
レスワイバーンと思われていたものは、ブレスを使う全く別の、得たいの知れないものだった。
その事実を受け、ギルドの調査班全隊は退却を開始したが、
レスワイバーンモドキは無論追ってきている。
殿を勤めたファイラ、アクラ、ドロイドの3人は、そのモドキを足止めするために戦闘に入った。
「だらぁ!!」
「ふんぬ!!」
「はぁ!」
グラァァ!
繰り出される技、呪文、ブレスがぶつかり合う音が、後ろから聞こえる。
「ファイラさんたちら大丈夫でしょか?」
「大丈夫だよ。
なんてったって、小隊長だよ?
実力は確かさ」
「そうですけど…」
「ケルロ小隊長!!」
飛び込んできた隊員の口から語られたのは、驚きの、しかし、ある意味予想通りの伝令だった。
「馬が数頭、逃げ出したり怪我をしたり怯えたりで、馬車を引くことができません!」
「なんだって?!」
「はぁ?動かない?」
「じゃあ歩けば良いってか?
馬鹿を言うな」
「なにもそんなこといってねぇだろ?」
ユウキが反論するが、無視無視。
さて、馬車が動かないとなると…
「どれぐらいが動けないんだい?」
「そうですね…小隊長とデリーツの皆さんには上手くやり過ごして欲しいとのことです」
おいおい、手伝いやらされてピンチになったらこれかよ。
非常事態なのはわかるが、仮にも客人にこんな対応で、ギルドは大丈夫なのか?
まぁ、もともと完璧に信用していたわけではないから、どうでも良いが、上手くやり過ごして欲しいってのはちょっとなぁ…
「どうするのタカミ?」
「リーダーに任せますぜ?」
「……しゃーない、あの変なワイバーン撃退でもするか?」
「君たちはなにを言っているんだい!?
まだランクも足りてないし、さっきも歯が立たなかったじゃないか!」
「大丈夫ですよ、伊達に魔狩者やってませんって!」
そうだ、大丈夫。
もしもの時はあれを使えば余裕だ。
まぁ、約束を破ることになるのだが、命あっての約束だろう。