9話
「では、これより今回の調査の事前会議を開始する。」
「はい!」
今、目の前で話しているのは、ギルドリトルハーブ支部の探索班隊長デバードだ。
今日は、昨日話された林の調査の事前会議だそうだ。
「場所はいつも通りリトルハーブの林。
日時は明後日早朝から夕暮れまでとする。
目的としては、前回報告にあったレスワイバーンの再調査である。
それに関して、今回、発見者である魔狩者パーティのデリーツに参加してもらい、現場で本人の確認をもらうことになった。
紹介しよう。デリーツリーダーのタカミ君だ。」
「タカミです。本来は両手剣ですが、訳あって片手剣を使っています。
よろしくお願いします。」
「よろしくな!」
「おうよ!」
簡単に自己紹介をすませると、口々に相槌を打って貰えた。
「では、これにて事前会議を終了する。解散!」
一時間ほど会議を行い、明日また集まるようにと言われ、その日は帰って床についた。
「えっと、彼らは?」
「彼らは、この探索班の小隊長をやっている者たちだ。
右からファイラ、アクラ、ドロイド、ケルロだ。」
(ケルロ?どっかで聞いたような…
最近じゃない…すこし前に…)
「よろ!」
と、ファイラさん。
親しみやすそうな人だ。
そして、
「よろしくね!」
と、アクラさん。
探索班では珍しい女性の小隊長らしい。
やはり親しみやすいタイプだ。
「…」
ドロイドさんは小隊長というより、単独行動係という特殊な人だそうだ。
「よ、よろしく。気軽に呼んで貰って構わないから。」
この人は最近小隊長になったばかりで、しかも俺らと同い年だという。
そして、今回俺たちが所属するのも、ケルロさんの率いる5班だ。
「今日読んだのは、それぞれの細かい自己紹介のためでな。
私は知っての通り、探索班隊長デバードだ。
大剣を扱っている。
そこのユウキという子と同じだな。」
「おす!」
「『おす!』じゃないだろう…」
「構わんよ、元気なのが一番だからな。」
「俺はファイラ!
炎の闘士ことファイラだ!」
「それは自称でしょ?」
「うっせーな!アクラは黙ってろい!
仕切り直しだ!
炎の闘士ことファイラ!棍使いだ!」
「私はアクラ。水魔法使いよ。
ファイラとは幼馴染みでね。
こいつやたらやかましいけど、悪いやつじゃないから。」
「てめ、なんちゅう紹介を…」
「大丈夫です。
うちにもこのユウキっていうやかましいのがいますので!」
「おいタカミぃ…?」
「本当だろう?」
「…ドロイドだ。爆のサイボーグなどとファイラに呼ばれている。
ハンマーがメインだ。
…エミとかいう娘。」
「は、はい!」
「…投げ槍といったな。」
「はい…」
「…これを持っていくと良い。」
「これは…」
「投げ槍だ…」
「錆びだらけじゃねぇか!」
「…」
「はい、ファイラは黙る!」
「痛で!!」
「あはは…。僕はケルロ。ここにくる前は衛兵をしていてね。
その影響か、ロングランスを使ってるんだ。
よろしく。」
「さて、一通り済んだな。
では、デリーツの3人に探索班の基本装備を渡しておく。」
基本装備の内容は、
火系等耐性のついた迷彩服
信号銃が、救援要請、緊急事態、異常事態の3種
それから万能ナイフ、常備薬の4つだ。
「水と食料は当日支給する。
それぞれの使い方はわかるな?」
「はい、問題ありません。」
「では、デリーツの3人は、ケルロと当日の話をしておくこと。
以上、解散。」
「では、当日の話をするね。
僕達5班は、隊長率いる1班の後ろに付く。
君たち3人は僕と共に行動してくれ。
細かいことはその都度説明するね。
じゃあ、今日はゆっくり休んで、明日に備えてくれ。」
「はい、明日はよろしくお願いします。」
「ケルロで良いのに。じゃあね。」
最近、一話一話が短い…