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二、企画

青田から返ってきたメールに書かれていた用件は二つ。一つは詳しい事は明日、学校から一番い駅の傍のファミレスで話すという事。もう一つは、まほこ以外に企画に参加しそうな女子を一人連れて来いとの事。まほこは仲西美華にメールした。美華は学校で何となく一緒に集まっている子の一人。見た目はチャラチャラしていて、中身もまほこの知る限りチャラチャラしている。中年の人が嫌味で使う「最近の女子高生」という言葉がぴったりな子だ。

美華とはたまに遊びに行ったりするけど、友達とは違うと思う。もし美華がいじめに遭ったら、まほこは美華との繋がりを切るし、逆の立場だったら美華もそうするだろう。そんな薄い関係。美華に限らず、ほとんどの子との関係がそうだ。まほこはこの浅く広い交友関係が自分には合っていると思っている。

美華の返事はOK。今、二人でファミレスに向かって歩いている。約束の一時を少し過ぎたが走ろうとは思わない。

特に意味のない会話を続けながら、ファミレスについた。奥の方にある広めの席に青田と元木と坂下が座っているのが見える。空になった皿や半分くらいしか残っていないコップがテーブルに乗っている。男子の集合時間は一時間以上早かったようだ。元木が二人に気がついて手を振った。女子の中で噂になっている魅惑の笑顔で。確かに格好良い。

まほこと美華は三人の元へ歩いた。まほこは青田の隣に座り、美華はまほこの隣に座る。元木の隣も空いていたのだが、まほこは青田以外の二人とあまり話した事がない。美華は、以外と人見知りな所があるので少し大人しくなっている。そんな雰囲気を察して、元木が口を開く。


「よっ、福田、仲西。俺達これからまた料理頼むんだけど、二人はどうする?」


「お昼食べてないし、何か食べる。美華もお昼まだだよね?」


「うん。あたしもお腹空いたぁ」


元木がメニューを差し出す。まほこは元木の気遣いの良さに感心しながらメニューを開く。

スパゲッティーも美味しそうだし、ミラノ風ドリアも捨てがたい。美華を横目で見ると、少し緊張のようで無言でメニューを見ている。

まほこは正面に座っている坂下に聞いてみた。


「ねえ、坂下は何にしたの?」


「俺?さっきはピザで、これからパフェ頼むぜ」


見た目が少し体育系っぽい坂下からパフェという単語が出てきたのは以外だった。もし緊張してなかったら、美華は爆笑しているだろう。

結局まほこはドリアを頼んで、あとの四人もそれぞれ好きなものを注文した。料理はすぐに来て、半分くらい食べると、この五人でいる雰囲気にも慣れてきた。


「それで、今回の企画なんだけど」


青田が一旦食べるのをやめ、フォークを皿に置く。まほこ達もそれに従って食べるのを中断する。ファミレスに入ってから三十分以上は経っていた。ようやく本題の始まりだ。


「参加者は俺と元木と坂下。それに福田と仲西。あと、その他に五人」


最後の言葉にまほこと美華は訝しげな表情になる。


「あー。まぁ、簡単に言えば、恋の遊び。みたいなもん?」




恋の遊び。この企画によって何かが変わる事に、皆気づいていたんだと思う。

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