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第三章第十八話
私は役所の担当者に威勢よく啖呵をきって、爽快な気分で役所を後にした。たぶん、遅かれ早かれ、近隣住民から抗議が来るだろう。まあ、やむを得ないな、もう言っちゃったから。私は妙に気分が高揚していた。 それから数日は何もなく過ごせた。私も近隣住民の反対があまり気にかからなくなってきた。役所に行ってから丁度一週間後、事態は意外な方向から動いた。それは一本の内線電話からだった。「南さん、受け付けに○○プロジェクトの近隣の方がおみえになってます。」どこかで試合再開を告げるゴングが鳴ったような気がした。