6/95
第一章第六話
私は盛り上がっている江田課長に水を差すようで、少し気がひけたが、言うべきことは言わねばとズバッと言った。「課長。会議に図るのはよいですけど、まだ買えるかどうかのニュアンスもわからないんですよ。それにどんなプランがはいるかわからないし。」私はため息まじりに答えた。「何言ってんだよ、おまえ。それをうまくまとめるのがおまえの仕事だろ。時間がないから設計事務所への指示は俺がやっといてやるよ。」と江田課長は俺が手伝ってやるから大丈夫だろ、という口ぶりで言った。それが一番不安なのだが。