30/95
第二章第四話
ジャイアントブレーカーを使いはじめて解体工事を行うようになってすぐに近隣住民から文句が来たと現場監督から泣きが入ったが、すぐに注文主が出ていく訳にはいかないので、現場監督には、近隣住民をうまくなだめてくださいと頼んだ。「やるだけやってみますが、責任は持てませんよ。」「構いません。近いうちに現場に行きますよ。」待ってます、といって電話は切られた。 私は後々のことを考えて、現場に行って、ジャイアントブレーカーの振動を体験したかったが、野暮用が続いて、ようやく少し時間ができた時には、解体工事は終わろうとしていた。