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第一章第二十五話
私はこの時の会議での懸念事項がいつまでも心に引っ掛かっていた。事実、この時の懸念事項は現実のものとなる。今はまだ物件を買うことだけを考えていた。 私はこの後の、首都圏本部の会議をクリアし、Nさんのもとへ役員で専務でもある首都圏本部長の記名捺印した買い付け書を持参した。これで、こちらの必要な手続きはほぼ終えた。
私はNさんに買い付け書を提出した。「ありがとうございます。」 Nさんはうやうやしく頭を下げて、買い付け書を受け取った。「これから地主さんのところへ言って話をまとめてきます。」「頼みます。いつでも課長なり部長を連れてきますから。」