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第一章第二話

そこは人気の私鉄の駅から歩いて5分ちょっとの閑静な住宅地の中に位置していて、分譲新築マンションを造るには適した土地だった。 「いい土地だ。」私は思わずつぶやいた。季節は夏の終わりに差し掛かっていたが、まだまだ日差しは強かった。「しかし、この建物を壊す時はかなり文句が出そうだな。」そこには割と造りがしっかりした五階だてのビルが建っていた。私は公衆電話を探した。まだ携帯電話がそれほど普及しておらず、貧乏な私は当然持っていなかった。

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