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第一章第十七話

Sさんの事務所を出て、私はNさんと駅へ向かった。「大丈夫なんですか?会社は?」「何とかなると思います。明日、うちの部の意向をお伝えします。任せてください。」私は根拠は無かったが、この物件には自信があった。Nさんとは、明日、必ず電話すると言って別れた。 私は腕時計で時間を確認した。まだ20時まえだったが、多分江田課長は飲みに行ってるだろうと思いつつ会社に電話した。電話には後輩が出た。「江田課長なら6時半ごろ帰られましたよ。」やはり予想どおりだった。相変わらず、放任主義な上司だった。

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