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第一章第十四話
Sさんが出してきた最後の条件は非常に悩ましいものだった。しかしここで返事をぼかすと足元をみらろそうだった。私は非常に迷った。そして、声を振り絞るように答えを出した。「なるほどわかりました。それでは逆にお伺いしますが、その価格アップを弊社が飲んだ場合、地主さんの署名捺印した売り渡し承諾書を頂けませんか。弊社も私が所属する東京支店の支店長名の買い付け承諾書を出します。」私には、勝算があった。坪当たり十万は総額で一億円ダカマ近いアップ
だが、買えることが確かなら、会社も認めるだろうと。