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第一章第十二話
ソファーに座るように勧めたSさんが、口を開いた。「見たところ、随分お若いようだが、本当にこのかたの言葉を信じて良いのですか?」とNさんに本当に大丈夫かという感じで聞いてきた。「大丈夫ですよ。安心してください。私も今まで何度も南さんと取り引きしましたが、約束は違えたことはありません。」私は今回がNさんとの取り引きは初めてだが、うまくはったりをかましてくれた。畳み掛けるように私も「私も会社を代表してきてますからら、この商売は信用第一だから信じてください。」と頭をテーブルにこすりつけんばかりに頼み込んだ。