第三十四話 あめあめふれふれもーっとふれー これリアルでやんの ま???
勅
近年、旱魃つづき、田畑は裂け、川は枯れ、
民の嘆き、日に日に深し。
このままでは、国の息絶え、
天つ御心もまた曇らん。
よって、神泉苑において祈雨の法を修すべし。
神泉苑は禁苑にして、天皇の御庭なり。
その地を開き、密教の壇を築くこと、
尋常の務めにあらず。
されど、民の苦しみを救うため、
天つ御心、これを許す。
空海、汝に命ず。
唐土にて学びし請雨の法、
山にて磨きし心、
すべてをもって天に願え。
雲を呼び、雨を降らせ、
民の渇きを癒し、
国の乱れを鎮むること。
この務め、軽きにあらず。
国の命運、ここに懸かれり。
弘仁某年 今生天皇
拝啓 天国のお父様お母さま 顔も知らないけれどもお元気でしょうか
僕はもうそろそろそちらへ向かう頃なのかもしれません(切実) パワハラのせいでなあああああ(怒号)
なんなん? こんどはアメフラシーになれと?
いやそもそもそんな術あんならとっととやっとけや(本音)
なんでこっちに命令くるねん?
いじめなの?
パワハラなの?
いいのか? ほんきでいいのか? 泣くぞ?
泣いちゃうぞ? おっさんが地面にごろごろしながら泣いちゃうぞ?
絵面地獄だぞ?
ふぅ さて 逝くか(逃避)
えっとなになに テンノー様の個人のお庭にいくのか ふむふむ
そこに龍神様が住んでいると ま?
まじかよ こええな どうすんだよな
あれか お手紙おれも送るか 梵字で書いて(筆ちゃん)
祈祷護摩炎の中にシュー でいいかな ヨシッ
ふむ 細かく考えよう てか 考えないとムリポ
① 請雨経法は最初に結界はって現実世界を“密教の世界”に切り替える
だれか詳細ぷりーず
② 灌頂壇を組む
曼荼羅を敷き、五色の糸を天井から垂らし
天と地をつなぐ“法の場”を作る
いやほんと詳細ぷりーず
③ 真言を唱え、印を結ぶ
詳細ぷりーず
④ 請雨経
チャイチャイで爺にもらったやつにあったわ
龍神召喚と天候操作
あったわ雨ごい まじか まじだ
⑤ 龍神を勧請する
神泉苑は竜が住むと言われている
どっかからじゃなくて、そこに居られるから助けを請えと
うーむ なるほどなぁ 問題は あれ どこもない? あれ?
そしてー なんだかんだあってー 準備してー
奉請 善女龍王
大和の地、旱魃つづき、
田は裂け、民は渇き、
幼き者すら水を求めて泣く。
この苦しみ、天にも届き、
地にも満ちたり。
龍王よ、
そなたは水を司り、
雲を呼び、
雨をもたらす尊き御身。
今、天皇の御心により、
この神泉苑にて祈雨の法を修す。
どうか、
民の嘆きを憐れみ、
雲を集め、
雨を垂れ給え。
一滴は命、
一雨は救い。
この願い、虚しからずば、
どうか天を動かし、
地を潤し、
国を安んじ給え。
南無 善女龍王
南無 八大龍王
南無 諸天善神
うぉぉぉぉ なんか からだから ぬけてくぅぅぅぅ
おいちゃんつかれちゃうのぉぉぉぉおほぉぉぉぉ
神泉苑。
勅書と願文を読み上げ終えた空海は、静かに目を閉じた。
「……よし。これで龍神様も、天皇も、民も、みんな準備万端だ。」
不動明王が横で腕を組む。
「空海。で、次は曼荼羅を広げて、印を結んで、真言を――」
空海は突然、すっと立ち上がった。
「いや、違う。」
「……違う?」
空海は深く息を吸い、天を仰ぎ、両手を広げた。
「密教とは、“心と身体を使って宇宙と交信する術”……!」
不動明王の眉が跳ね上がる。
「おい待て、どこでそんな解釈を――」
空海は言葉を遮るように、突然、足を踏み鳴らした。
ドンッ!
「雨よ来い!
雲よ集まれ!
龍神よ、我がリズムに応え給え!」
ドンッ、ドンッ!
空海は踊り始めた。
それは密教の儀式とは似ても似つかない、
しかし妙にキレのある――
**雨ごいダンス。**
手は天へ、足は地へ、
腰は妙にしなり、
ステップはなぜか軽快。
「オン・ステップ・ステップ・アメフレー!
オン・ステップ・ステップ・アメフレー!」
不動明王は頭を抱えた。
「空海……!
それは密教じゃない……!
ただの……ただの……!」
空海は回転しながら叫ぶ。
「これが!
しん空海式・祈雨法だああああ!」
その瞬間――
神泉苑の池がざわりと揺れた。
龍神が、
本当に出てきた。
善女龍王は水面から顔を出し、
空海のダンスをしばらく見つめたあと、
ぽつりと言った。
「……まあ、呼ばれたから来たけど。
あんた、ほんとにそれでいいの?」
空海は息を切らしながら親指を立てた。
「効けば正義……!」
龍王はため息をつき、空へ舞い上がる。
その尾が雲を巻き込み、
空が黒く染まる。
ゴロゴロ……!
不動明王が呟く。
「……本当に降るのか……?」
空海は胸を張った。
「踊りは心。
心は宇宙。
宇宙は雨。」
龍王が天で大きく旋回し、
ついに――
ザァァァァァァァァァァァッ!!
大雨が降り始めた。
空海は両手を広げ、
雨を浴びながら叫んだ。
「見たか不動!
これが密教の……!」
不動明王が遮る。
「違う。
絶対違う。」
空海は笑った。
「でも、降ったろ?」
不動明王は黙った。
龍王は雨雲の中から声を響かせた。
「……まあ、呼び方は自由だけどさ。
次はちゃんと真言で呼んでね。」
空海は親指を立てた。
「了解!」
雨は三日三晩降り続き、
民は救われた。
その裏で、
空海の“雨ごいダンス”は
密かに庶民の間で流行したという。
そして 雨の後 おいちゃんの本気が幕を開ける
かわいた田に 風だけが走り
子らの声も 雲へ消える
井戸の底に 影ひとつなくて
夜ごと祈る 母の手がふるえる
甘露を待つ 民の嘆き
法雨を呼ぶ 声が満ちる
「空海さま…」と 名をあずければ
五色の糸が 天へ伸びる
雨が来ぬのは 民のせいじゃない
大地に満ちた 穢れ(けがれ)が塞いでた
雲を縛る 影をほどけば
法雨はすぐに 天から落ちる
「嘆く声は ちゃんと届いた」
善女龍王が 水面でささやく
「呼ぶなら今よ 結界を開け」
五色の糸が 空へ伸びる
龍の翼が 雲をひらけば
光の粒が 大地へこぼれる
そのひとしずく 怒りじゃなくて
ただ いのちを抱く 慈しみ
「降りそそぐ雨は 罰じゃないのよ」
龍女王が 空で微笑む
甘露となって 田をめぐり
法雨となって 心をほどく
あめあめ ふれふれ もっとふれ
善女龍王 おねがいだあああ!
あめあめ ふれふれ もっとふれ
この国に 法雨と甘露をそそいでよ
オン・バサラ・タラタ 雲を裂け!
オン・コロコロ 影を祓え!
結界ひらいて 天へ叫ぶ
「龍王さまあああ! 空海もう限界だあああ!」
あめあめ ふれふれ もっとふれ
八大龍王 空を満たせ!
どやぁ 歌 うまいじゃろ?
筆「やってることはアホなのに…アホなのになんでこの…」
その雨は 恵みの雨は 三日三晩降り続いたという
第三十四話 あめあめふれふれもーっとふれー
これリアルでやんの ま??? おわり
次回 第三十五話
パワハラからのエスケープ
はしれ空海 君は 逃 げ 切 れ る か?




