第三十一話 またカンチョー またまたカンチョー そしてせまりくる過去の遺跡
しろやぎさんから(役人)おてがみついた
くろやぎさんたら(空海)読まずに燃した
しかたがないのでもいちどかいた(簾の向こうの人)
さっきのてがみのごようじきけや(威圧)
焼失 からの 紛失 逃亡
圧倒的 失敗。
なぜ……なぜ……
ざわ……ざわ……
金剛峯寺の朝。
霧が杉木立を包み、世界がまだ目を覚まさぬ刻。
空海は護摩壇の前に座し、炎の揺らぎを見つめていた。
その背に、ひとりの僧が駆け寄る。
「空海さま……御所より、急ぎの勅使にございます。」
空海は振り返り、巻物を受け取った。
封には、今生天皇・嵯峨の御璽。
静かに封を切る。
――その文は、まるで国の重さそのものだった。
『薬子の変により、平城上皇は平城京に御座す。
その御心、いまだ波立ち、国の気脈も揺らぐ。』
空海の目が細くなる。
『ついては、上皇に灌頂を施し、
その御身と御心を鎮め、国の乱れを正してほしい。』
灌頂――
王権の安定すら左右する密教の奥義。
文はさらに続く。
『灌頂の場として、東大寺を改めよ。
堂を整え、密教の道場として相応しき形にせよ。
これは国のための務めである。
空海よ、そなたに託す。』
空海は文を閉じ、深く息を吐いた。
背後に、不動明王が静かに現れる。
「……行くのか。」
空海は立ち上がり、霧の向こうを見つめた。
「行かねばならぬ。
上皇の心が乱れれば、国もまた揺らぐ。」
不動明王は頷く。
「東大寺を密教の道場に……容易ではない。」
空海は微笑んだ。
「容易であれば、余には回ってこぬ。」
その言葉は静かだが、山を貫くほどの強さがあった。
空海は袖に巻物を収め、歩き出す。
「行こう。
東大寺を“灌頂の場”へと変える。」
霧が割れ、朝日が差し込む。
その光の中で、空海の影は
まるで山そのもののように揺るぎなかった。
ああああああああ(悲鳴)
かくして、ヘンジョーの――
いやさ、空海の試練は続く。
第三十一話 またカンチョー またまたカンチョー そしてせまりくる過去の遺跡 おわり
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第三十二話
劇的びふぉーあふたー東大寺
バリアフリーの波に勝てるのか伝統文化




